最後の晩餐にはまだ早い


梅島「パティスリー・ラヴィアンレーヴ」

 足立区内の梅島に、かなり本格的なパティスリーが昨年9月に開店したとの噂は聞いていた、店主は都内の高級ホテルのスイーツ部門の二番手を務め、洋菓子のコンクールで優勝歴のある人物だそうで、いつも行くパン屋の店主が先行訪問して「一度ぜひ行ってみて下さい」と勧められていた。

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 正月休みに読んだ、池上俊一著「お菓子でたどるフランス史」(岩波ジュニア文庫)が面白く、読後に「今すぐケーキが食べたい」と熱くなってしまい(笑)、この店を思い出し、営業中を確認した上で自転車を飛ばして行ってみる事にした。
 店の名前は「ラヴィアンレーヴ‘LA VIE UN REVE’」、仏語で「夢の人生」の意味、エディット・ピアフの代表曲‘LA VIE EN ROSE’に倣ったのかも知れない、店の詳細についてはこの足立経済新聞の記事が伝えている。
http://adachi.keizai.biz/headline/83/ 
 これを読むと、料理より洋菓子業界の方が、コンクールが多い理由が判る気がした。「何処の調理師学校を出て、どの店で誰に何年就いていたか」こうした経歴部分が重要視される料理界に比べて、パティシェの世界はより実績主義なのかも知れない、受賞歴が就職は勿論の事、独立するにあたっての融資等が受けやすいアイテムになり得るみたいだ。

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 店の場所は東武伊勢崎線梅島駅を出て、環七へ向かう途中で、ブログ記事に書いた坦々麺の「ふうりゅう」や、蕎麦店の「本郷」からも近い。
 事前にWEB情報にあったとおりに、外観はかなり本格的な店舗構えで足立区らしくない、ただ店の右隣がいかにも下町チックな居酒屋なので、そのギャップにかえって安心する(笑)。

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 訪れたのは正月3日だったので門松飾りがあった、入口を入ると目の前がケーキを並べたガラスケース、右手に焼き菓子やジャム等が並べてあって、左手には小規模ながらカフェスペースもある、思っていたより広い店内だ、奥には作業場で中はよく見えなかったが、2、3人の姿はあった、売り場担当は若い女性が2人で対応している。
 並べたケーキを見ると値段は1個500円前後、これは足立区内では高い部類だ、今迄このブログで取り上げた店は大体400円前後なので2、3割は高い、各ケーキの外見は本格的で、下町だからと変に子供向けに作っていないのは好感が持てる。
 何を買おうか迷うのだが、真っ先に目についたミルフィーユと、販売の女性に聞いた人気商品を購入、自転車なので揺らさないよう気をつけて持ち帰った、食べた感想は以下のとおり。

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・苺のミルフィーユ(税込500円)
 上に乗った生クリームは多過ぎで、ちょっと野暮ったいが、パイ皮と挟んだカスタードクリームはとても上質、レストランデセールでミルフィーユの美味しい物に当たらないのは、厨房の熱気と湿気で生地の管理が難しいからではと思うのだが、(「ガトー・マルジョレーヌ」は逆転の発想で、あらかじめ湿らせた生地を使っている)このパイ生地は軽やかさがあり、パティスリーならではの完成度の高さがある。

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・和栗のモンブラン(490円)
 土台はメレンゲやカステラではなくタルト、上に乗った和栗クリームは、栗の香りの感じられる上質な物、濃さも甘みもあるが「アンジェリーナ」程ではない(笑)、久しぶりに美味しいモンブランを食べたと思った。

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・ショコラスペシャリテ(540円)
 WEB情報によると、これがコンクール優勝作品との事。ビジュアルは大変美しい、濃厚なチョコレートクリームの上には、「あんこ玉」みたいにチョコレートのゼリー?をかけてある、これが独特の食感で好みの別れる処、面白さと美味しさは感じるが、個人的には普通のチョコレートケーキの方が食べたかった(笑)。

 全体にクオリティが高く、今までブログで紹介してきた地元パティスリーに比べれば、使っている材料もおそらく違い、明らかに1ランク上のレベルを狙っているなと感じた。
 都心に開業しても話題になりそうな店だが、あえてこの下町で勝負を挑んだのが吉と出るか凶と出るか?この値段を納得して買いに来る客が付くかどうか判断するのは、もう少し時間がかかると思う。
 どの世界にも「上には上がある」事は知っているが、このレベルを維持出来るなら都心までわざわざケーキ買いに行く事ない、私はまた行ってみたいと思っている(笑)。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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