最後の晩餐にはまだ早い


綾瀬「綾瀬飯店」

 今回記事にする「綾瀬飯店」は、私が悪い腰と頸の治療を受けている施術所の近くにあり、以前から存在は知っていた。でも場末感が濃く漂ってくるみたいな、あまりにも古びて冴えない外観から、入って食事をしようと云う気持ちになれず、ずっとスルーしていた(笑)。
 失礼ながら、やがて消えるだろうと思っていたのだが、意外にも続いている、やがてネット上でこの店の名前を知ることになる、「食べログ」にも掲載されているし、グルメライターとして知られる某氏もブログで取り上げていた、最初はその「綾瀬飯店」と私が知る店は別と思っていた(笑)、どうやら同一店だと気づいた時に、俄然この店に興味が沸いてきた。それに「消え行く昭和中華」を訪問して記憶に留めるのは、私のライフワークにしたいと思っている事だ(笑)。

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 腰の治療を受けたある日、意を決し?昼に訪れてみる事にした。店の場所は千代田線綾瀬駅東口を出て5分位、この界隈は夜だけ営業する飲食店が多いので、ランチタイム営業しているのは貴重な存在だ、あらためて見ると、サンプルケース内も凄いセンスだ(笑)

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 店内は想像していたとおり昔の中華料理店、カウンター席はなく赤いデコラテーブルの席が5つ、入店すると他の客は居たが、店側から誰も声をかけず不安になった、すると奥に座っていた高齢女性が立ち上がり、空いている席へ座る事を促した、この方が客席担当で、どうやら足が悪いみたいだ。
 席に座り、手元にあったメニューを見ると、ラーメン、餃子は勿論、ご飯物も数種類、今時珍しい手書きの菜単がいい(笑)、単品料理の欄には何と「アワビの醤油煮」(2,800円)などと云う本格料理もあり、店の外観とのギャップに驚いた(笑)、夜にしても此の店で誰か注文する人いるのだろうか?

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 初回なので、無難に「本日の定食」(税込700円)をお願いする事にした、意外にも?5テーブル全部埋まり、それも皆常連客と思われる人ばかり、やはり人間と同じく「見かけ」で判断してはいけないみたいだ(笑)。テレビはバラエティ番組を流し、本棚にはコミック本が並び、テーブル上にはスポーツ新聞と、お約束どおりの昭和中華スタイル、これは期待が高まる(笑)。
 少し長めの待ち時間で出てきたのが、

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・豚肉と長芋炒め

 
 まずは添えられたスープを一口啜ったが、「この味だ!」と脳が反応した、まるでプルーストにおける、紅茶に浸したマドレーヌみたいに、幸せだった?少年時代が蘇った(笑)、微かな酸味を感じる薄い醤油味の鶏出汁スープ、私が子供の頃は街場の中華料理は殆どこれだった、私は今昭和に還ることが出来た(笑)。
 続いて豚肉を口にするが、とても柔らかい、おそらく重曹や酒、砂糖などで下処理したものだと思うが丁寧な仕事、長芋はシャキっとした歯応えを残し、一緒に炒めたのは蕪の葉だと思うが、これが効いている。全体的に薄味で素材を生かしているのは好印象だ、ご飯もこの値段にしては納得できる質。これで700円ポッキリなら安い、職場の近くにあったら、毎週通うと思う。
 厨房内はよく見えなかったが、男性が一人で鍋を振っている、最初は店内の女性との夫婦だと思ったのだが、WEB情報には「親子ではないか?」とあった、そう言われれば男性は若そうだ、もしかしたら二代目なのかも知れない。

 すっかり気に入ってしまい、すぐに再訪する事に、つまり「裏を返した」(笑)。この時の定食が、

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・鶏と玉子と野菜の炒め

 鶏の唐揚げを玉子と野菜と炒めて、酢を効かせた味付け、初回のインパクト程ではないが、これもなかなか良かった。
 これまでで行っていなかった事を後悔した店、今東京の街中からは、こうした昔ながらの中華料理店は急速に姿を消している、代わりに登場したのがラーメン専門店と中国人経営による中国料理店、どちらもそれなりの味なのだが、私が知っている「中華料理」の味では無い。昭和中華はもう絶滅危惧種で、どの店も後継者難により現経営者の代で消える運命なのかも知れない。

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 同じ昭和を共有した人間としては寂しい事だが、何とか今のうちにこうした店を回っておきたいと思っている(笑)。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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