最後の晩餐にはまだ早い


大阪・高麗橋「旬菜 桜花」(2015関西食べ続け⑧)

 関西最終の夜は土曜日だった事もあり、同行者がいなくなってしまった(笑)。昼は一応ヨコメシなので、中華か和食と思ったのだが、アウェーの地で初訪問の店へ夜一人で行くのも結構勇気がいる(笑)、できたら料理人を知っている店へ行きたいと考え、そうだ去年行って好印象だった、高麗橋の和食「桜花」がある、あそこへ行ってみようと決め、事前に「一人でもいいですか?カウンター席でおとなしくしています」と予約を入れた(笑)。店がある場所はビジネス街なので、土曜夜は割と席は確保しやすいみたいだ。
 店には四ツ橋から30分近く歩いて行き19時に到着、この位歩かないとそれまで食べた物を消化しない(笑)、和食店らしくない入口を通り、大柄な森田料理長に挨拶してカウンター席に座らせてもらった。

        150323-10.jpg

 店内は7割程の入りで、前回は平日夜で勤め帰りのサラリーマン風客が多く、団体利用もあったが、今回は少人数客ばかり、同じカウンター席には私より年齢が上と思しき男性一人客も居て、ちょっと安心した(笑)。
 連日の食べ続けで胃も相当疲れて来て、この日は白ワイン一杯と烏龍茶で勘弁してもらい、出していただいた料理は、前回と同じ6,000円のもの、料理のテーマは昨年同様「立春大吉」だった。

     150323-1.jpg
・前菜―村さんの寒ボラの龍皮昆布巻、芽キャベツ乾酪和え(紙下)、桝に塩蒸し豆たたみ鰯肝醤油挟み

        150323-2.jpg
・小吸椀―天然四万十川のり、花柚子

     150323-3.jpg
・割鮮―河豚の炙り、わけぎ、マイクロアマランサス、酢味噌醤油

     150323-4.jpg
  鰹、鰤、剣烏賊、松葉独活、紅立、山葵、辛子醤油、造り醤油

     150323-5.jpg
・炊き合せー若牛蒡稲荷、田辺大根、牛蒡黒胡麻煮、門真蓮根、金時人参、包大根、粉山椒

        150323-6.jpg
・旬菜―河豚煮凝り、鮟鱇肝ポン酢、大根味噌漬け、寒ボラとそのソロバン炭火焼き、牡蠣オイル煮蕪巻、琵琶湖産子持公魚、スルメ雲丹和え、吹田慈姑、紅白長老喜、蕪寿司

        150323-7.jpg
・主菜―蓮根饅頭、蟹真薯包、鱈白子すり流し、軸法蓮草、水辛子

     150323-8.jpg
・御飯―ごま鯖出汁茶漬け、刻しば漬け、焼海苔、生姜

        150323-9.jpg
・甘味―ぜんさい赤飯団子

 全体の印象から云えば、前回は酒肴が続いた感じも受けたが、今回はしっかり「食事をした」と云う充実感がある、料理の流れに起承転結がハッキリして来たと思った。一例として椀物だが、去年はここで「箸洗い」と称して、「大根のすり流し」が出たが、今回量は少な目ながら、クリアな吸い地の椀物、私みたいな古い人間はどうしても「和食の華は澄まし椀」との発想が抜けないので、此処でこれが出るのは王道だなと感じる、でも美味しくなかったら如何し様もないが、上質な昆布出汁が感じられるいい椀だった。
 続く造りは無難だが、炊き合せが良かった、冬野菜を大阪特有の甘味の多い煮物地で煮含める、質のいい野菜が野菜以上の味になっている。

 「旬菜」は通常なら「八寸」だが、九谷の古皿に盛られた魚と野菜料理、これにかけた手間は相当なものだ。この日は土曜なので夜のみ営業だが、平日は近くのビジネスマン&OL相手に850円のランチも出している、その営業後にこうした夜の料理を仕込むのだから、考えただけで大変だ。京都みたいに4~5,000円でランチをやれば昼夜共通の料理も出せるが、此処は財布の紐が固い大阪のビジネス街なのでそうも行かない、それでも低廉なランチを続けるのは、昼来た客が夜にも来てくれる事を考慮しての事だろう、この旬菜盛合せと続く主菜の蓮根饅頭はとても良かった。
 そして「ごま鯖」を使った出し茶漬けが秀逸、私みたいな非酒飲みは、こうしたものがとても嬉しい(笑)。前回、改善の余地ありと書いてしまった最後の甘味も工夫が感じられた、これが少しあると食後感は結構変わるものだ。

 東京でもお酒の飲めない女性を和食に誘うと、「和食って、酒の肴みたいなものばかり並ぶので、飲まない人間にはつまらない」と云われた事があるが、この日の料理なら下戸でも充分楽しめると思う(笑)。
 手のかかった料理内容は、値段を考慮すれば立派だと思う、京都や東京なら8,000~10,000円は覚悟しないといけない(笑)。
 森田料理長が一人客に気を使い、色々と話しかけてくれる、私は決して喋りが得意な人間ではない?が、料理や器の話になると、俄然熱くなってしまう、この日も九谷や漆器の話から始まり、和食の四次元性?や尾形光琳、湯木貞一や「へうげもの」まで話は尽きず、もう一人の年配男性まで交ぜて話が煮えてしまった、おとなしくしているつもりが、一人喋っていた気がする(笑)。同じカウンターの女性客などは「あの親父達、何か変な話で盛り上がっている」と、きっと訝られた事だろう、失礼しました(笑)。
 向学心旺盛な森田氏、一年後は更に良くなっているだろうとの、これからへの期待も持てる料理人だ、再々訪問してそれを確認したい店だ。

スポンサーサイト

  1. [ edit ]
  2. 日本料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0


 管理者にだけ表示を許可する
 


プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

訪問者

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 03  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -