最後の晩餐にはまだ早い


京都・祇園「MAVO」(2015関西食べ続け⑨)

 もはや「苦行」としか言い様のない、食べ続け旅行だったが(笑)、やっと最終目的地に到着した。場所は千年の都京都、中でも高級飲食店が立ち並ぶ祇園だ、その一等地に昨年7月にオープンしたフランス料理「MAVO」、此処が今回最後の訪問店になる。
 料理長は西村勉氏、神奈川小田原でフランス料理店‘La Matiere’を営んでいたが、更に進化する事を考えて、夫人の出身地である京都に移転して来た、変わった店名は進化の言葉を加えた「matiere+evolution」から名付けたそうだ。
 私は小田原時代から評判を聞き、更には西村氏が大阪「コーイン」の湯浅、札幌「リアン」の木下両料理長とはそれぞれ仕事仲間だった事を知り、以前より行ってみたいと思っていたのだが、日程や同行者の都合などで何回か計画が流れて、遂に伺えないまま閉店してしまい残念な思いをしていた。
 今回の関西行が決まった時点で、祇園の店訪問を計画に入れたのだが、万全を期すために既に訪問済みの「南大阪のドン」氏に、「ご一緒しませんか?」と誘ったのが事の発端。そこから話が急に広がってしまい、当日集まるのは何と15人と云う大変な事態になってしまった、これはもう引き返せない(笑)。

 店の場所は八坂神社近く、「舞風館」と云う名前の小旅館の一階部分で、宿泊客に朝食も出していると聞く、集合時間の12時少し前に入店したら、既に大部分の人は集まっていた、関西のグルメな方達は行動が早い(笑)、この日集まったメンバー構成は詳しく触れないが、とにかく皆凄い人達ですとだけ書いておく(笑)。
 全員が揃った時点で、始まった特別ムニュは以下のとおり、まずは料理画像を紹介したい。

        150327-1.jpg
・薄茶

        150327-2.jpg
・始まりはたまご~

     150327-3.jpg

        150327-4.jpg
・prologue de mavo

     150327-5.jpg
・赤穂牡蠣の抹茶ベニエ“vert”緑

     150327-6.jpg
・コンソメW冬と春の狭間

        150327-7.jpg
・大地のテロワール“滋味”

     150327-8.jpg
・和歌山産天然真鯛“春ほろ苦く”

        150327-9.jpg
・リセット/柑橘と雁金茶、緑レンズ豆の蜜煮

     150327-10.jpg
・鹿児島出水無双網 尾長鴨、松ぼっくりのフェマージュ

        150327-11.jpg
・苺と生姜のスフェール、ソース・ガストリック

     150327-12.jpg
・小菓子
・エチオピア コチュレ単一品種熟成珈琲、ハンドドリップ50℃

 厨房は料理長以下4人、サービスはマダムともう1人だが、この日は特別にヘルプの女性が来ていて総動員体制、それだけ15名分の料理を同時に出すと云うのは大変だ、この点では私が言い出した事で、料理長以下には大迷惑だったと思う。
 そしてこの日は私自身初体験で「ティーペアリング」に挑んだ、これは料理長の発案で、各料理に合わせた茶をワイングラスで提供するもの、茶だけでなくスパイス類を加えて、複雑な味のテクスチャーを出そうとしている、茶の本場京都ならではの試みでとても興味深かった、海外からの非アルコール飲客にも対応可能で、発展性は大いにあると思う。ただワインと違い茶は飲む程に感覚が冴えて来る、戦国時代の武将達に喫茶が盛んだったのは、他国との策謀や戦略を練るのに酒より向いていたからだろう、だから料理を楽しむと云うより、分析や批評になる可能性はある(笑)。

 料理に関して、上記の事を踏まえて尚且つ移転して未だ半年、「オテル・ド・ヨシノ」手島、「コーイン」湯浅両料理長みたいに、長くホームで戦えている人達と同列に比較するのはフェアではないが、あえて言わせてもらうならば、料理に「京都のテロワール」を表現したいのは理解出来ながらも、少々未消化な部分も感じた。以前に利用した祇園のイタリア料理店では、もっと自然に「京都的なもの」を感じたが、この点ではやや硬さを受けてしまった。手間と時間をかけた料理である事は十分判るのだが、全体の流れの中で、食べる人間の首根っこを掴んで、「どうだ、旨いだろう」と卓に組み伏せるみたいな大技と云うか、印象的な部分が欲しかったか。それとパティシェールが一生懸命なのは判るが、デセールが少し弱い印象も受けた、これからの改善を期待したい。
 繰り返すが、15人同時のサービスは厳しい条件だった筈、西村料理長はホテル勤務時代のバンケット等で経験済みなので、破綻を感じさせずに対応出来たのだと思う、次訪れる時は少人数で、印象がどう変わるか確認したいものだ。

 この日は春節休みにあたり、京都市内も中国系の人達が闊歩していた、東京とは少し違う意味で「国際化」が進んでいる京都で、既存の和食店等と競合しながら高級フランス料理店が存続するのは、難しい事が多いと思うが、店のシンボルマークの様に、此の地で輝いて欲しいと願う。
 食後、参加メンバーにより最新の吸排気システム完備のオープンキッチン見学も続いたが、私はこの後東京に帰るので先に失礼させてもらった。

 4泊5日の関西食べ続け巡礼、最後の方はかなり疲労困憊だったが(笑)、実に楽しかった。この間お付き合いしていただいた皆様、ありがとうございました、東京に来た時には、これだけ誠意ある接待は出来ませんが、極力お付き合いしますので、遠慮なくお知らせください。
 次回の関西行では、訪問必至の店も増えてしまったが、それも今から楽しみだ(笑)。

スポンサーサイト

  1. [ edit ]
  2. フランス料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0


 管理者にだけ表示を許可する
 


プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

訪問者

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 10  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -