最後の晩餐にはまだ早い


六本木「ル・スプートニク」(2015年9月2回目)

 今年は9月にシルバーウィークなる5連休が出現、せっかくだから出かけようかと思ったのだが、皆考える事は同じみたいで、この時期は何処もホテルや航空運賃等が高くて早々に断念、5月の連休同様に家で寝ながら本でも読んで居ようと思っていた。ところが以前からお付き合いしている、在関西のグルメな方達から相次いで連絡があり、「東京に行くので食事を一緒にどうですか?店は〇〇〇がいいです」と、ご指名の連絡があった、私と違って日々多忙な人は、こうした連休でもないと動けないようだ(笑)。
 お金は無いが時間なら人より持っている私は(笑)、喜んでお供をする事にした、予約が大変な店もあったが、そこは何とかクリアして、関西からの遠征客を迎える事に。

 まず第一日目は、六本木に7月にオープンしたフランス料理店「ル・スプートニク」、私はこれで3回目の訪問になる、オープンしたばかりの店に、短い期間でリピートするのは、店にとっては迷惑な客だと聞いた(笑)、理由はまだオペレーションが整っていない事もあり、出せる料理がどうしても限られる、それなのに立て続けに来て、違う料理を期待されるのは困るのが実情、その辺りは理解しているつもりで「私は案内役なので、料理が被っても気にしませんよ」と伝えてあった、さてその結果はどうだったか、まずは料理全品をご覧ください。

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・シュセット、帆立と蕪の柑橘マリネ、蕪のヌーベ

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・薩摩芋チュロス、紫芋のコルヌ・ブーダンノワール

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・秋刀魚の赤ワイン煮、千寿葱、竹炭のチュイル

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・稚鮎の牛蒡フリット

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・鮎のテリーヌ、メロンと胡瓜のガスパチョ

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・セップ茸のクルスティアン、ウフブランマンジェ、サマートリュフ

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・鯖の燻製、ソースロックフォール

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・フォアグラと鰻、黒イチジク、玉葱のソース

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・甘鯛のポワレ、モン=サンミッシェル産ムール貝、香草ソース

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・スコットランド産グルーズ(雷鳥)のロティとカイエット、内臓を使ったソース

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・ピオーネ、シャインマスカット、巨峰のジュレ アルザスワイン「グラニット」の香り、ヨーグルトソルベ

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・カシスモンブラン、

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・紅茶のシューアラクレーム

 前2回と重なる料理もあったが、それは承知している、前回と出来上がりにブレがないかどうか確認すると云う、意地悪な楽しみ方も出来る(笑)。
 秋刀魚は今回前菜に使って「蒲焼き」をイメージしたものだそうだ、フランス料理で秋刀魚や鯵を使うのは難しいが、これはなかなか面白い一品。高橋氏の料理でテリーヌ系は初めてだと思うが「鮎のテリーヌ」は確かな技術を感じる。「ウフブランマンジェ」は、「ル・ジュー・ドゥ・ラシェット」時代の「スフレオムレツ」を原型にして進化させていると思った。フォアグラ~甘鯛の料理も、素材、構成、出来上がりどれも文句ない料理だった。

 そしてこの日の真打は、田村支配人から「届いたばかりのシーズン初のジビエです」と説明のあった、スコットランド産のGrouse(雷鳥)、これが凄かった。私は過去一度だけ食した記憶があり、独特の苦味と腋臭みたいな?強烈な個性を感じ、それ程美味しいものとは思わなかった、それが一夜で引っくり返った(笑)。この料理を体験した後には、川端康成の「眠れる美女」を連想してしまった。
 目の前には、深紅の夜具を纏い横たわって眠る美少女、ナイフを入れると繊細できめ細やかな肉質が露わになる、噛みしめると血の香り、微かに苦味を感じるソースは濃厚でいながら軽やか、失せるのが惜しくて、ずっとこのまま一緒に居たい、儚い美しさを独り占めしたい(笑)。
 何かそんないけない妄想を呼び起こす味だった、私自身はそれ程ジビエをありがたいと思わない人だが、この雷鳥にはやられた、過去国内で食べたジビエ料理では5指に入れたいと思った。
 デセールのモンブランはシンプルでいながら、秋の香りを感じさせるものだった。

 高橋氏の料理を去年から追い続けているが、前店では店名や端正なマスクのイメージから、ラファエロやモーツァルトみたいな「才能と感性に恵まれたアーチスト的料理人」みたいに感じていたが、独立後に3回続けて通ってみて、彼はもっと職人気質で一つの料理を突き詰めるタイプなのかも知れないと、少し考えを改めている。
 田村支配人の的確なセレクションによるワインペアリングもあって、関西からの遠征客も満足して帰られたみたいだし、案内役の私も安心した(笑)、高橋料理長、田村支配人遅くまでありがとうございました。
 明日の夜はまた別の遠征客を迎えて、違うリング?で第2ラウンドです(笑)。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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