最後の晩餐にはまだ早い


大阪・上本町「レストラン・コーイン」 (2015年11月)

 今回の大阪行きは、私が尊敬している在阪料理人のビストロが、年内一杯での閉店を公表、その「お別れパーティー」の呼びかけがあって参加を決めたもの、メインメニューがそれで、恒例の「関西食べ続け」より短い滞在期間になり、他に寄れる店は少ない。こうなると「あと一店」を決めるのが難しい、未訪問店へ行く事も考えたが、「もし、1日しかスペインに居られないのなら、迷わずトレドへ行け」との有名な言葉を思い出し、「もし、1日しか大阪に居られないのなら」の観点から考えたら、やはり行き着いてしまったのが、ブログではお馴染みの、上本町のフランス料理店「レストラン・コーイン」、此処へ今年2月以来の訪問をする事になった。
 2月は黒トリュフ責め?だったが、11月は白トリュフの時期だ、これはいい季節だと、予約時にはあえて何も云わなかったが、秘かにそれを期待していた(笑)。

 「コーイン」は今夏に店内を改装、席数を減らしカウンター席も設けたと聞いていた、加えて料理にどう変化があるのか確認するのも楽しみだった、在関西のグルメ友人も同行してくれる事になり、夜の帳が降りた上町筋を南に向かう。
 店への到着は18時半、扉には黒いテープが張ってあり、外からは店内の様子は全く見えない、これだけ閉鎖的な店は大阪では珍しい(笑)、フリでは絶対入店しようと云う気にはならない筈だ。
 扉を開けるとコックコート姿の若い男性が奥のテーブル席に案内してくれた、新たに追加した円卓だ。目の前には一枚板を使ったカウンター、バルみたいな作りで此処でも食事が可能だ。以前は誰かが「ダリの絵中みたいな」と言っていた(笑)、独特の雰囲気があった店内はスッキリと整理され、印象が落ち着いてアダルトになった。

 湯浅料理長に挨拶し、始まった当夜のメニュー、まずは全品を紹介したい、料理&食材名はあとで料理長に確認したもの、

アミューズ
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・グジェールバーガー(鹿の自家製生ハム、白トリュフ、トマト、セロリピクルス)

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・ズワイガニのカニみそのタルトレット、秋トリュフ

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・赤ピーマンのババロア、カニ身、ウニ、コンソメジュレ、キャビアの燻製

前菜
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・ユイトル(牡蠣)のボルドレーズ(あかうしのモアール、頬肉、広島カキ、自家畑のトピナンブールのピュレ、ソースボルドレーズ)

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・ラングスティーヌのカネロニ(静岡ラングスティーヌ、フォアグラ、シャンピニオンデュクセル、ソースアメリケーヌ)


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・バローティーヌ・ダンギーユ(物部川天然ウナギ、ファルス、トリュフ、ソースノルマンド)


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・パロンブのココット(パロンブ、自家畑の黒大根と黄カブと白カブと紫ニンジン、ポルチーニ、ジュ)

フロマージュ2種(白・青カビ)
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デセール
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・白トリュフのブリュレ(白トリュフブリュレ、白トリュフアイス)

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・キャレショコラマロン(マロンのムース、マロンのグラス、ショコラの板、キャラメル塩ソース)

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・ミニャルディーズとアンフィージョン

 先に料理の印象を云うと、以前に比べると全体的にシンプルになり、ガルニも減らして主役がハッキリ見えてきた、客に「何を食べさせたいのか」がより判る様になったと思う。1997年に訪れた全盛時代(人によってはもっと前だと云うが)の、PARIS「ランブロワジー」のベルナール・パコーを連想した。
 高価な白トリュフも随所に使っているが、これはあくまでも脇役、それも凄い脇役だが(笑)、黒トリュフが芳香を振りまく妖艶な熟女としたら、白トリュフは清楚だが何気ない仕草に色気を感じる人妻か、すいません変な例えで、要はどちらもいいです(笑)。
 どの料理も印象強かったが、中でも天然鰻は何十年ぶりで、鰻重の養殖ウナギとは味が2オクターブ位違う、これは別種の生き物だと思ったが、それを生かした料理も秀逸。ピレネー産と聞くパロンブ(森鳩)は筋肉質な身で、調理用の飼育鳩とはまるで違う、ピレネーの深い山々を優雅に飛び回る姿を思い浮かべた。
 白トリュフのブリュレは高貴な味だった。

 湯浅料理長の料理は少し変わって来たと思う、以前みたいに食材を物量投入しながら、ギリギリのバランスを取るスタイルから、省ける処は省き、本質的な美味しさを表現する方向になった、これは2月には料理長以下4人居たスタッフが2人になったのも大きいと思うし、年齢的にも円熟して来たのかも知れない、豪速球ばかり投げていたら、いつかは故障する(笑)。
 隣席では若いカップルが誕生日?のお祝いディナーをしていた、こうした目的にも使えるアダルトな雰囲気ある店になったと思う、あと望むとしたら、料理人兼任でもいいからサービススタッフが一人欲しいか、札幌でも感じた事だが特に女性が居ると、店全体の雰囲気がもっと柔らかくなると思う。

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 退店時に「次は来年2月(つまり黒トリュフの時期)に来ます」と、勢いで云ってしまったが、行けるとすれば、店と料理が更に変わっているのかいないのか、確認する楽しみが増えた。帰りには乗る電車のホームを間違える程に、満腹な夜でした(笑)。

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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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