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  • 2017_06

最後の晩餐にはまだ早い


大阪・長居「又三郎」

 大阪最終日は16時に関空発のLCC搭乗のため、長時間のランチ滞在は難しい、時間のかかるフレンチやイタリアン以外を候補に、且つ空港からあまり遠くない場所で、月曜日に営業している店となると、これが難しい。こうした時は食仲間の「南大阪のドン」氏に聞くのが一番なので、相談をしてみると、名前が挙がったのが空港へのアクセスがいい、阪和線の長居にある「又三郎」だった。
 元々焼肉店からスタートした店だが、探究心旺盛な女性オーナーが、他店より美味しい肉を客に提供したいと考え、辿り着いたのが、当時米国で始まっていたドライエイジング(乾燥熟成)法による熟成させた牛肉だった。
 乾燥熟成肉について説明すると長くなるので簡単に留めるが、長所としては、熟成期間中に、酵素の働きにより肉の繊維が壊れ、旨味成分が増し肉質も柔らかくなっていく点。短所としては長期保管スペースの確保、水分蒸発や乾燥部分のカット(トリミング)に伴う重量ロス等によりコストアップに繋がり、業界用語で言う「歩留まりの悪い」やり方になる点等が挙げられる。
 長所短所を勘案して導入した熟成牛肉だが、瞬く間にブームとなり、特に関西圏ではパイオニアとしてマスコミにも取り上げられ、熟成肉提供の代表的な店になって現在地に移転し、近くには支店のステーキスタンドも開業した。

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 私はこの店の荒井オーナーとは共通の知人が居た事から面識があったが、実際に店で食事をするのは今回が初めて、在阪の友人を誘ってみたら、さすが「又三郎」の名は大阪では知れ渡っていて、「以前から行ってみたいと思っていました」と、賛同の返事を得られたため、現地集合で合流する事になった。
 店はJRと市営地下鉄の長居駅至近のホテル内に併設され、サッカー場、陸上競技場を備えた長居公園も近い。11時半の開店時間に着いたが、開店と同時に数組が入店、我々の後も次々と客がやって来て、殆ど満席の状態になった、平日のランチタイムでもフリの客は少なく予約客が殆どなのは、この店の近くには類似店が見当たらない事もあると思う。
 荒井オーナーと大森料理長の好意により、通常ランチタイムには使用しないキッチン前のカウンター席に座らせてもらった、これはスペシャルシートだ(笑)。また料理も通常のランチメニューとは違い、夜料理も加えた特別メニューを組んでくれたのも、オーナーと料理長の配慮からで、その内容は以下のとおり、

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・この日のメインになる炭焼ステーキ用熟成肉の紹介、岩手県産黒毛和牛のサーロインとウデ肉、どちらも30日熟成。

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・七輪(関西では「かんてき」と呼ぶ)に熾した炭火で、料理長が直に網焼きする、焼く→アルミホイルに包み休ませ、これを3回繰り返す。

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・熟成肉で作ったシャルキトリーと野菜の盛り合せ

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・熟成肉を挟んだハンバーガーとコンソメ

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・熟成牛肉のカツレツ

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・厚切ステーキ、カンボジアの生胡椒、岩塩、ビーツのマリネ、ポテチ(笑)

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・自家製ヌガーグラッセ
・コーヒー

 普段の私は決して肉食男子ではない、焼肉店は滅多に行かないし、家での食事に肉がなくても平気だ、そのため前菜からメインまで肉が続くと飽きるのでは?とも考えていたのだが、それは全く杞憂だった。この日提供された肉はどれも味の幅が広い、食べ始め、中間、最後と単調さがなく滋味があるので、食べ進められる。これが熟成肉の特徴なのかどうかは私の浅い経験では分からないが、ただ美味しいかどうかなら、間違いなく美味しい牛肉だ。
 特に印象に残ったのが、まずカツレツで、ディープフライではなく、フライパンでパネした牛肉を両面焼き、その後オーブンで火入れしたとの事だが、適度な火を加える事で熟成した肉の香りが一気に増す、人間でも運動後は体臭が増えるがあれに近い、もちろん若い雌牛なので加齢臭ではない(笑)。
 ステーキの火入れは文句なし、炭火による網焼きと云う、最もシンプルなやり方だが、だからこそ経験と判断力が必要となる、温度計を差してコンベクションで何分と云う調理法とは対極だ、焼き上がった肉は歯応えや肉味の濃さが絶妙、特に赤身のウデ肉に惹かれた、これならソースはいらない塩だけで楽しめる。
 今はファミレスのメニューにも「熟成肉」が載る時代だが、ただ肉を寝かせれば美味しくなる訳ではない、又三郎のオーナーも、現時点で最良と思ったから採用し、日々試行錯誤しているが、次なる手段があれば移行すると思う、あくまでも「美味しいものを食べてもらおう」との探求から採用した手段なので、客はそこを誤解してはいけないと思う。

 料理も良かったが、オーナー以下スタッフのモチベーションが高く、店全体に活気があって、それが客席に伝わって来る。「レストラン」の語源は古い仏語の「(元気を)回復させる」だと云われているが、此処は元気を貰える「いいレストラン」である事は間違いない。

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 最後は特別店員?のPepper君まで登場(笑)、これも客に楽しんでもらおうとのオーナーの発案らしい。例えば東京の「フロリレージュ」に行った後は、「美味しかった、楽しかった」と思うが、この店にも共通するものを感じた、いい店だ。
 荒井オーナー、大森料理長、お気遣いありがとうございました、私は打立ての饂飩をお土産に持って東京に帰ります(笑)。

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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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