最後の晩餐にはまだ早い


大阪・上本町「レストラン・コーイン」(2016関西食べ続け②)

 去年11月に利用し、白トリュフ料理が強烈な印象だった大阪・上本町の「コーイン」、帰り際に「今度は黒トリュフの時期に来ます」と約束?してしまい、それを果たすため今回食旅行最初の訪問店にした。これは例えれば初入幕した力士が、いきなり全盛期の曙と対戦するみたいに無謀な計画、まずは怪我をしない様に土俵上を逃げ回るしかない、昔見た貴乃花との対戦を思い出した(笑)。
 噂では前回居たサービス担当が辞め、湯浅料理長一人つまりワンオペで店を回しているとも聞いたが、誰か居ても何をやり出すか判らず、それが一人なら尚更危険では?の心配もあり(笑)、怖々と中の様子が全く見えない入口ドアを開けた。

 店内では既に4人客が食事中、そのまま奥へ進むとコックコート姿の可愛い女性が居た、料理長の他に若い男性も厨房内に見えたので聞いていた話と違う、あとで料理長が教えてくれたが、この夜は私を含め3組の来客だったので、他店に頼みヘルプに来てもらったそうだ、これなら安心?だ。
 奥のカウンター席に座り、始まったのが「恐怖の黒トリュフ祭り」(笑)、まずはさておき料理画像を紹介したい、

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(アミューズ)・富山どろ海老のカクテル(左)、長崎トラフグの炙りと皮の湯引き(上にトリュフ)

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・ウルグアイ産フレッシュキャビアの燻製

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・フォアグラとトリュフの冷製仕立て、自家畑サラダ

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・土佐ジローと黒トリュフのウッフブルイエ

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・コンソメトリュフ(ここまでが前菜)

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・静岡泳ぎラングスティーヌのラビオリ、ソースビスク

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・ブッフブルギニョン

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・パッションフルーツとココナツ

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・トリュフのブリュレとアイス

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・プティフール
・エスプレッソ

 トラフグは高級和食店でも出ない程の上質な身、「どろ海老」は名前が気の毒だが、日本海側から来る甘味ある海老を南仏風な味付けにしている、以前にも書いたがアミューズで客のハートを掴めるのは、料理がいい店に共通する事だ。
 通常だとここで「赤ピーマンババロア」が出るが、今回はキャビアそれも燻製にかけたものだった、これは見た目も味も鮮烈で目が覚めた(笑)、下に敷いたパートブリック?も、通常使われるブリニより断然美味しい。
 そして前半の山場がウッフブルイエ、これ見ただけでとんでもない料理なのが判ると思う、土佐ジロー卵と黒トリュフが濃厚なチークダンスを踊り出す(笑)。私が風邪気味だからと出してくれたコンソメも優しい味わいだった。
 料理長が得意とするビスクも濃厚華麗な味、肉料理は「ブッフブルギニョン」と名付けているが、原型はPARIS「グラン・ヴェフール」のスペシャリテ、「クッフ・ド・ブッフ(牛尾)のパルマンティエ・トリュフソース」みたいだ、オリジナルの牛尾肉ではなく肩肉を使ったとの事。
 そしてこの日の圧巻はデセールで、黒く見えるのは勿論チョコレートではなく本物のトリュフ、街中で突然裸の美女に出会ったみたいな唐突さで、これは反則技を繰り出された(笑)。

 この日ヘルプに来ていた女性が「今、厨房はとんでもない事になっています」と笑っていたが、「これでもか」と繰り出して来るトリュフ責めに、最後は悶絶して息絶えたみたいになった(笑)。
 これだけトリュフを食べると判るのだが、黒トリュフは腋臭の匂いに似ている、日本人が「いい匂い」と感じる香りではない、これを「芳香」と感じるフランス人はやはり変だ(笑)、獣を捕らえて食べ、食べなかった獣は飼育してきた彼等のDNAに訴える「獣香」だと思う、だから松茸を「黴臭い」と指摘するのだろう。
 そして黒トリュフの効能は「トリュフ酔い」が起きる事、これは体験した人なら知っている筈だが、食後突然夜中に目覚めたりする、簡単に云えば「ハイになる」(笑)。この日もホテルがある隣の駅まで歩いて帰ったのだが、何故か急に歌い出したくなり、安井かずみ&加藤和彦作の「不思議なピーチパイ」を口ずさんでいた、私とすれ違った人はきっと怖かったと思う(笑)、「トリュフドーピング」があれば間違いなく摘発されていた。

 ワンオペ対応と聞いて心配していたが、いつもどおり異次元の料理が出て来て安心した。途中「これはもしかしたら閉店セールか?」とも思ったのだが、料理長の話では4月からは新しいスタッフも加入するとの事なので、余計な心配だった(笑)。
 こちらの予想の斜め上を行く孤高の料理人は健在、店が閉まるか私が閉まるか、どちらが先か判らないが(笑)、それまで通いたい店である事は間違いない。
 妖しいトリュフの香りに包まれた濃厚な大阪の夜、何処までも歩いて行けそうだった。


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  2. フランス料理
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  4. / comment:2

Re: ついさきほど

  1. [ 編集 ]
  2. 2016/03/20(日) 22:46:14 |
  3. URL |
  4. オンクレ・トシ
こちらの熱意が伝われば、願いは叶うものです(^^;)。
トリュフの時期は終わったと思いますが、どうぞ楽しまれてください。

Re: はじめまして

  1. [ 編集 ]
  2. 2016/06/05(日) 10:22:46 |
  3. URL |
  4. オンクレ・トシ
わざわざありがとうございます。
「コーイン」の凄さを理解していただける方を知ると、私も嬉しくなります(笑)。
ブログにはまたお気軽にお立ち寄りください。
コーインに感動したなら、傾向的には近い、和歌山「オテル・ド・ヨシノ」、
東京・赤坂「古屋オーガストロノーム」もお勧めです。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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