最後の晩餐にはまだ早い


阿佐ヶ谷「ラ・メゾン・クルティーヌ」(5月)

 前回利用して好印象だった、阿佐ヶ谷駅至近のフランス料理「ラ・メゾン・クルティーヌ」へ二回目の訪問をした。
 話しはそれるが、飲食店等へ二度目の訪問をする事を「裏を返す」と言う、これは江戸時代おもに吉原の遊郭で使われていた言葉で、当時の遊郭では女性達の名前(源氏名)を書いた木札が下がっていて、客が指名するとこの札を裏返し現在「営業中」である事を知らせたため、こう呼ばれる事になったらしい。指名=予約と考えれば、「予約の取れない店」は「一日中裏返っている店」と言うべきだろうか(笑)。

 12時の入店時には既に2組食事中で、この後も3組予約客が入店して来た、私も利用した事がある中央線沿線のフランス料理店オーナーがスタッフ?3人を連れ食事を始めたが、この沿線でも徐々にこの店の知名度が上がって来ているみたいだ。
 ランチメニューは2,800円と4,980円の二種、前回(3月)より値上げしていたが、前回は開店後あまり時間が経っていなかった事もあり「勉強価格」だった気がする、値上げした分良い食材を使用出来れば納得はしてもらえると思うが、「食べログ」には何か書かれそう(笑)。
 2,800円のプリフィクスから選んだのは、

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・魚介のスープ、ルイユ添え

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・シャラン産鴨モモ肉のコンフィ、グラタンドフィノワ(+500円)

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・パンペルデュ 、キャラメルのパルフェグラッセ

 遠慮なく言ってしまうと、魚介のスープもコンフィもパンペルデュもビストロの料理だ、でもこの料理人は本場の本物の味を知っているので、単なるビストロ料理では終わっていない、スープは裏漉しした魚の旨味が凝縮され唐辛子の効いたルイユソースがアクセントになっている、日本だとこの種のスープは時に上品過ぎる事があるが、これは下品にならないギリギリの処で味を決めている、青山にあった「イル・ド・フランス」のスペシャリテ「魚のスープ」を思い出した、欲を言えばもう少し量が欲しかった(笑)。鴨のコンフィも定番料理だが、塩気を抑えて優しい味にまとめている、この「太もも」の美しさと旨さは脚になってもさすがはシャラン鴨(笑)。デセールのパンペルデュは簡単に言えば「フレンチトースト」だが、これも予想以上に美味しかった。

 厨房は一人増えて二人体制になった、これは料理に影響すると思う、特にランチタイムはワイン類を飲まない客が多いので、料理間のインターバルは出来るだけ短くしたい、注文が混むと一人調理では辛い処だ。サービスは男女二人で特に男性はしっかり客席を把握している。
 この日の料理は定番の美味しさだったが、これから期待したいのは「この店ならでは」の個性表現だろうか、東京は最近高額店もオープンしているが、現在の料理スタンダードはこの店の様に、昼2,000~3,000円、夜5,000~6,000円位ではないか、それ以上となると何か特別なものが無いと、リピート客を増やすのは相当厳しいと感じている。

 帰り際忙しい中、善塔料理長が挨拶に出て来てくれたが、以前より表情に余裕が感じられた、この人には料理と同じで穏やかな優しさを感じるが、内に秘めたパッションも相当あると思う、このまま阿佐ヶ谷を代表する名店になって欲しいものだ。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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