最後の晩餐にはまだ早い


神楽坂「和しょく えびはら」

 以前はSNSを介して食事会の開催をしていたが、最近はすっかり面倒になってしまった(笑)、こうした事は大抵云い出した人間が幹事役になる、幹事になるとこれが大変で、参加者の招集、店の選択、店との調整、料理の内容、酒の種類を含めて参加費は幾らにするか等、事前に決めなければならない事が多い、更には開催直前に都合悪くなった人がいたりすると、その補充はどうするみたいに、前日まで頭を悩ませ、当日は皆時間どおりに来てくれるのかな?と、幹事は気が休まらなくてあまり料理も楽しめず、終わった時には疲れ切っていたと云う事になりがちだ(笑)。
 それもあって最近はもっぱら他力本願(笑)、誰かが誘って来るのを待つ位だ。あまり使われなくなったが「壁の花」と云う言葉がある、元は舞踏会で踊りに誘われず壁際に立っている女性を差し、そこからパーティー等で、会話の輪から外れている女性全般を呼んだみたいだが、今こんな言葉使うと「性差別」と取られかねないので、使わなくなったのだろう。食事会の誘いをPCやスマホの画面で待っているのは、「画面向こうの花」いやジェンダーフリーだから「花」とは限らないかと、余計な事を考える(笑)。

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 前置きが長くなったが、食関係の友人から誘いがあり、この夜食事会に参加する事になった、開催場所は神楽坂の「和しょく えびはら」で、東京で本格的な和食店へ行くのは久しぶりだ。
 店の場所は都営大江戸線の牛込神楽坂駅を出て、神楽坂上の交差点へ向かってすぐ角の場所、「駅に近い和食店」なら東京一番かも知れない(笑)。私はこの店から近いフランス料理店へ何回か行っており、店の存在は知っていて、以前から一度行ってみたいと思っていたので、今回のお誘いにはすぐ乗ってしまった。
 集合時間の19時少し前に入店、若い料理人夫妻に挨拶していたら、参加メンバーが集まって来た、まずは当日の料理を紹介するが、女将からの説明で、この夜は特別な集まりのための料理で、通常の夜献立とは違えているとの事、それを汲んで読んで欲しい。

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・先付 嶺岡豆腐、菜の花

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・前菜 山形産原木椎茸の炭火焼き

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・造り 鯵、ヒラマサ、墨烏賊、おかわかめ

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・八寸 揚げ薩摩芋白和え、そら豆、蛍烏賊のあられ揚げ、飯蛸の桜煮

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・椀物 鯛、こごみ、餅

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・焼物 甘鯛と筍挟み焼き、唐墨と大根

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・御飯 あさりご飯と赤出汁、香の物

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・果物 
 
 嶺岡豆腐は牛乳を胡麻豆腐状に固めたもの、原木椎茸は香り高く、造りの三浦産墨烏賊は舌に絡みつく食感で美味だった。
 八寸は薩摩芋を白和えにするセンスがいい、季節の飯蛸は旨味が凝縮されていた。椀は吸い地ではなく煮物椀的で、鯛、こごみと餅を揚げ、そこへ濃い目の出汁をかける、続く甘鯛と筍は繊細な焼物で皿上に春がやって来た、加えて自家製唐墨のネットリした舌触りはエロスを感じさせる(笑)。
 あさりご飯は関西ではあまり見ないと思う「深川めし」みたいに、浅利の香りを凝縮させたもの、これは美味しくてお替わりしてしまった(笑)。
 事前情報では、ご主人は京懐石の老舗「柿傳」で修業したと聞いたが、全体的に判り易く、美味しさが直に感じられる料理だと思った。神楽坂の和食は、上は客単価3万円の三ツ星店から、下は一皿300円?の格安居酒屋まで多種多彩で競争も激しい、その中で「この店ならでは」の個性を出し、固定客を掴んで行くのは難しい事が多いと想像するが、今年開店5年目を迎えるこの店、料理人夫妻の人柄が料理や接客に滲み出ていて安心して楽しめる、これからも続いて欲しいと願わずにはいられない。

 久しぶりの異業種間交流食事会は楽しかった、集まったメンバーの顔触れから、コアなグルメ話になるのかなと思っていたら、勿論それもあったが革財布や手造り万年筆の話まで出て、知らなかった業界話を色々聞く事が出来た、いつも同じメンバーばかりで固まっていると知識に進歩がない、年とって好奇心を失うとただの頑迷な老人になってしまう(笑)。
 電車がなくなってしまうので、最後中座させてもらい失礼しました、当夜参加の皆さん、美味しい場を提供していただいた海老原ご夫妻、夜遅くまでありがとうございました、また何処かでお会いしましょう(笑)。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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