最後の晩餐にはまだ早い


神楽坂「ビズ‘bisous’」(2016年6月)

 先日、あるレストラン店主と話をしていて、「1回だけの利用客が増えている」と言っていた、つまり「一見さん」だ。店評価サイトや雑誌情報を見て、高評価の店や話題になっている店には取りあえず行ってみる、そして食べた感想を書き込みサイトに書いて終わり(笑)、こうした客が増えているみたいだ。
 私も「この店ならブログ記事になりそう」と思い店選びをする事はある、ただ料理を体験して、「この店(料理人)はもっと伸びそう」と感じるものがあれば、再訪したいと思う、中には次また行こうと考えていたら、もう予約が取れなくなっていた店もあったが(笑)。
 店は2回、3回と訪問を重ねて見えてくるものがある、男女(とは限らないが)の相性と同じく、店と客がお互いに歩み寄る事もある、これは私自身の反省も込めて「1回行っただけで結論を出すのは早急」とあえて云いたい。

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 この日再訪問をしたのが、神楽坂に昨年オープンしたフランス料理「ビズ‘bisous’」、今年の1月に初訪問し、驚く位のキャリテ・プリと新しいセンスを感じる料理や店造りを手掛ける、1982年生れの若い料理人の感覚に注目し、また行きたいと思いながらも機会がなかった、思い立ってこの日ランチタイムに伺う事にした。
 前回訪問は夜だったので、周りの環境がよく判らなかったが、昼間だとこの店が入っているビルの隣には小さな公園があり、車が入り難い細い道な事もあり、神楽坂の賑わいとは違う静かな雰囲気、なかなかいい場所を選んだなと思う。

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 階段を昇って2階の店舗に入店、村田料理長に挨拶し、カウンター席に座らせてもらう、前回は料理人だけのワンオペだったが、サービス兼任の若い男性料理人が加入していた。
 ランチメニューは1,000円からの4種類だが、予約する時は1,600円以上の注文が必須、魚と肉を両方選べる2,300円(税込)に、プラス料金で選べるデザートを追加した。

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・パテ・ド・カンパーニュ ピクルス添え

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・北海道 奥尻ワイナリー ピノグリ2015(グラス840円)

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・青森産大根の冷製スープ

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・自家製パン

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・宮島アナゴのカダイフ包み

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・骨付き鶏もも肉のコンフィ

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・青森県産フジりんごのガボット仕立て キャラメルアイス添え(+600円)

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・村田料理長の父親が栽培した緑茶

 ランチメニューでも前回利用時と印象はそう違わない、全体的に野菜を多用してライトな構成ながら、しっかりした技術が感じられた。
 パテ・ド・カンパーニュは軽めの仕上げだが、それを補うフォアグラブリュレが美味、野菜特に豆がいい。シンプルな大根スープは杏のコンフィチュールを加えて大根の青臭さを抑え、爽やかな一品だった。
 カダイフ包みは村田氏が下で働いていた有名料理長のスペシャリテ、ポワレ等と違い短時間で提供出来るので、ランチメニューに向いているそうだ(笑)。最も感心したのが肉料理で、これもコンフィさえ事前に作っておけば、短時間で調理可なので、他店でもランチメニューに載る事が多いが、実際にはなかなか美味しい物がない、この鶏は身はしっとりと柔らかく、外側のパリッとした食感と合わさって、絶妙な味になっていた、鶏、鴨を問わず、これだけジャストなコンフィに出会ったのは久しぶりだ(笑)。
 デザートの「ガボット」とはブルターニュ地方の伝統菓子の事で、それに似せて作った物、軽やかな焼き生地に挟んだのはリンゴのピュレ、キャラメルアイスも美味で、これ600円なら安い、別のデザートも追加で食べたくなった(笑)。
 そして私の退職を慰労するプレートまで作っていただき感謝、これは「キエチュード」「MAMA」に続き3店目、決して私から知らせた訳ではないので、手配書が回っているのに違いない(笑)、皆様お気遣いありがとうございます。
 静岡出身の料理長の父親が栽培していると聞く、最後の緑茶も香り高く美味しい。
 値段からして高級食材は使えないが、それを補うセンスで充分楽しませてくれる、店内は既に満席で2回転する卓もあった、リーズナブルでも美味しい物を食べたい客は知っている、私も家が近かったら月一位で来たい(笑)。
 
 4月以降は時間に余裕が出来たので、外食はランチタイムが中心になっているが、フレンチやイタリアンだと女子(年齢問わず)達の中での独り席は結構勇気が要るもの(笑)、その点この店はカウンター席があり、隠れて?いられるのでありがたい。
 稲荷町「キエチュード」、御茶ノ水「ビストロ・ヌー」、浅草「エヴ?」、表参道「MAMA」に、この「ビズ」を加えて、カウンター席のある店でランチ巡りをしながら、若い才能ある料理人達と付き合えるのなら、やがて来る年金暮らしの老後も悪くないのではと、思い直してもいる(笑)。
 元気な村田料理長と会って元気をもらい、美味しい午後になりました。
 
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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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