最後の晩餐にはまだ早い


札幌・西20丁目「リアン」(2016札幌食べ続け④)

 札幌3日目は、ここも4年連続で伺う事になる、西20丁目にあるフランス料理「リアン」へ、木下夫妻が二人で営む席数12の小さなレストランだ。
 札幌のフランス料理店へ年一回通う様になって何年か経つ、最初の頃は東京でもよく名前が知られた、スタッフが何人も居る店も利用したが、次第にこうした処は行かなくなり、最近は「プロヴァンサル・キムラ」やこの「リアン」みたいに、夫婦二人でやっているミニマムな店への訪問が殆どになった、理由は東京のフランス料理店でこの形態が少なくなったからで、過去一年都内で利用した中で夫婦二人だけの店は「グリグリ」位しか思い付かない、個人的にこのスタイルが好きなのもあるが、札幌フレンチの特色&個性として、もっと注目されていい点だと思う。

 この日もフレンチ日和?で快晴、店前には去年も見た青い自転車(笑)。過去3回の利用は全てカウンターだったが、この日はテーブル席に座る事に、外光が差す明るい店内に夫妻が集めた絵画が映えている。
 札幌の友人と共にマダムと料理長に挨拶し、始まったランチの内容は以下のとおり。

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・ローズヒップティー

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・江丹別産ブルーチーズのプティサレ、サラミとオリーブ

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・蝦夷鹿とフォアグラのパテアンクルート、レーズンのマスタード

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・積丹産イナダのマリネ、自家菜園の野菜のエチュベ

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・自家製パン

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・落葉キノコのコンソメ

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・道産魚介のヴォロヴァン

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・伊達鶏とオマールのバロティーヌ、オマールのジュとシェリーヴィネガーのソース

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・葡萄のコンポートとソルベ

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・ショコラのチュイールと酒粕のグラス

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・マイティーリーフのチェリーレモングリーンティー

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・ミニャルディーズ(カヌレ、ギモーヴ、マカロン、フィナンシェ)

 プティサレに使ったブルーチーズは、旭川市郊外の江丹別町で作られ、最近注目されているもの。「パテを食べれば料理人の実力が判る」と聞いた事あるが、蝦夷鹿で作ったアンクルートは見た目も味も秀逸だった。
 イナダは鰤の幼体だが、最近北海道近海で獲れていると聞く、自家菜園の野菜と合わせて木下料理らしい皿。落葉キノコのコンソメは昨年も味わったが、料理長自ら採りに行く茸を使ったもので、味わい深く記憶に残る味になっている。
 ボタン海老、帆立、ムールの料理はメイン的に重量あるクラシックな皿、「ヴォロヴァン」とはパイ生地の中にクリーム系の料理を詰める事で、旨味の強い道産魚介には油脂を使ったソースが合うと判断したのだろう、その意図は充分感じらえた。
 鶏料理は軽く抑えた印象、ムニュ構成の中で肉料理を特に重くしないのは流行みたいだが、前の魚介料理がしっかり目だったので丁度いいバランスだった。
 料理長は元々パティシェ志望だったのでデセールは得意分野、2品の構成、味共に良かったし、定番が並んだミニャルディーズも丁寧な作りで美味でした。

 木下雄介料理長は1978年生れ、「フロリレージュ」川手料理長とは同年、前日の「プロヴァンサル・キムラ」木村料理長とは十歳違う。今迄は最若手世代だったが、現在1980年代生れの料理長が各地で誕生している、年齢的には中堅処となり、そろそろ「自分の料理」を確立する時期に来ていると思う、おそらくその理由からだろう、自家菜園で野菜を育て、山へ茸を採りに行き、時に磯釣りまでして、極力業者だけに頼らない食材料の確保に努めている。
 料理はまず見た目が綺麗なのが特徴の一つ、そして自家製パンやコーヒー、ハーブティー、カトラリー類等細部まで注意を怠らない、この辺りはホテルの厨房経験が長かったからと推測するが、今回の料理印象では今迄に比べて、皿上から余計なハーブ等が消え本質的になり、古典料理への回帰を感じた。
 このスタイルを突き詰め、和歌山「オテル・ド・ヨシノ」の手島、大阪上本町「コーイン」の湯浅両料理長みたいな、古典王道の領域へ進むのか、これは来年も来て確認しないといけないなと思った(笑)。
 
 店のWEBページには「女性一人でも気軽にお越しいただける雰囲気づくりを心がけています」とあるが、その言葉どおりに常連らしき女性一人客が入店し、カウンター席で食事を始めた、その姿が自然で作為がなく、札幌でフランス料理店が根付いている実態を見た思い、皆レストランの楽しみ方を知っている。
 苦しい位に満腹になりました、マダムに会計を頼んだら、予想以上に安くて「本当にこれでいいの?」と疑ってしまう、これだから札幌フレンチ行脚は止められない(笑)。
 最後は夫妻の笑顔の見送りを受け退店、この日の天気みたいに爽快で気持ち豊かな午後になった。身に入れた分を夕食までに消化しないといけないので、この周辺を歩いてホテルまで帰る事にする(笑)。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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