最後の晩餐にはまだ早い


綾瀬「たまき」

 地元店の記事はアクセス数が減る傾向があるが(笑)、この店はどうしても書いておきたかったのが、千代田線綾瀬駅前にある中華料理「たまき」だ。
 店の存在はだいぶ前から知っていたが、どこか寂れたみたいな佇まいから、入いってみようと云う気にならなかった、ところが何人かがブログで取り上げているのを知り、その中には「名店」と書いている人も居たので、これは一度行ってみる必要があると、近くの整体治療院に行った帰りに昼間寄ってみる事にした。

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 店の場所は綾瀬駅の東口を出て南側へ歩いてすぐ、高架下に青果店があり、その前に凸の形になった小さな袋小路があるがその右奥、左側には朝4時から夜11時まで営業する定食・居酒屋、奥にもランチ営業している居酒屋があって、ちょっとディープな雰囲気のグルメスポット?になっている。

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 赤いテント、白地に赤い字で「中華そば」の暖簾、時代を経た料理サンプルと、お約束通りの「昭和中華」そのまま(笑)、入口の傍らには出前に使ったのか出前機(バイクの後ろに付ける大きなバネが付いた物)の残骸が置いてあり、以前は出前もしていたみたいだ。WEB情報では開業から30年以上過ぎているらしい。

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 店内も外観同様に古びている、「汚れている」と云うより「古びている」と云った方がいいと思うが、経年で変色した壁紙、破れた表面をガムテープで補修した椅子、赤いデコラのカウンターには井之頭五郎が座っていそうな雰囲気、大きな招き猫の置物が妙に艶めかしい(笑)、テーブルが1卓4席、カウンターが7席。

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 メニューは赤い紙に黒字で手書きしたものが下がっている、チャーハン(「炒飯」ではない)がスペシャリテみたいで、麺との組合せメニューも多い。何にしようか迷ったが「モヤシソバ」が好きなので、「チャーハン・モヤシソバ」のセット(750円)に決めた。
 店は高齢夫婦が二人でやっている、水を運んで来た奥さんに注文を入れたら、厨房まで回ってご主人の耳元でそれを通している、「耳が遠いのかな?」と思ったのだが、そうではないみたいで、店内で大きい声を出さない主義なのかも知れない、そう云えばWEB上でも「ご主人は大人しくて草食系」みたいに書かれていたが物静かな印象、奥さんも調理に関わり、麺を茹でたりしている、この奥さん品のいい人で、若い頃は「~小町」位に云われたのでは?(笑)。

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 目の前には調味料等、割箸入れと辣油入れは相当の年期物、変色して辣油入れの表面には油が張り付いている、潔癖な人にはNGだろうが、私はかえって懐かしく感じてしまう(笑)、テレビが点けっ放しなのも最近のストイック系ラーメン専門店とは違う。

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 そして出来上がってきたのが「モヤシソバ」、見かけはストライクだ(笑)、まずスープを一口啜るが、脳が「ああ、昭和だ」と反応する(笑)、鶏ガラと野菜で採った薄めのダシ、微かに酸味を感じる醤油味、おそらく化学調味料も使っているだろうが気にならない量、餡かけも優しくご主人の印象そのまま、麺は細目でこれも昭和風で私好み。

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 続いてチャーハンが来たが「半炒飯」ではなく充分一人前ある、見ただけで旨そう(笑)。具は玉子とチャーシューと長葱だけ、口中に入れると香油を纏った米粒がハラハラと崩れ、その後に芳しい香りと食感が広がる、「シンプル・イズ・ベスト」な感じで、これが家庭では作れない。

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 井之頭五郎は「お新香の旨い店は、料理も旨い店だ」と云っているが、それが正しい事を証明する、自家製だと思う漬物(笑)。

 美味でした、文字どおり「昭和中華」と云う感じで、昭和世代の琴線に触れる味だった、この店の近くにはブログ記事にした「綾瀬飯店」があるが、あちらも店の雰囲気は昭和だが、料理人は二代目みたいで若く、若干「平成」が入っている、正調さではこちらの店かも知れない。

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 昭和味がすっかり気に入ってしまい続けて行ったのだが、再訪問時が「チャーハン・タンメン」(750円)、このタンメンも期待どおり薄味の昭和タンメンでした(笑)。

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 そして再々訪問時の注文が「肉野菜イタメ・ライス」(730円)、何故か「肉野菜炒めライス」ではない(笑)。これも昭和中華の定番メニューで、この店では肉は別に炒め、最後に野菜の上に乗せている、全体的に優しく薄味なのも私好み。

 最近の東京では、大陸系の人達が開く中国料理店ばかりになり、昭和から続いた街場中華は後継者不在から絶滅危惧種になりつつある。大陸系の店は何処も安くてそれなりに美味しいが、私が子供時代に馴染んだ中華味では無い、何か違うのだ、その何かを求めて、またこの店に行くと思う(笑)。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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