最後の晩餐にはまだ早い


私のデザート・ベスト3

 おもにプロの料理人を対象に柴田書店が発行している雑誌「専門料理」、今月号(6月号)の特集が「デザート」で、その中に「仏伊シェフに聞く衝撃を受けたデザート&菓子 私のベスト3」という記事があり、現在第一線で活躍しているフランス&イタリア料理店の気鋭の料理人達が、各自の「ベスト3」デザートを挙げその想い出を語っている、書店で立ち読みしただけだが面白かったので、これに倣って私もベスト3を選んでみようと思った。

1 ミシェル・ブラスの「流れるチョコレートのクーラン」
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 ライオールの「ミシェル・ブラス(現メゾン・ブラス)」を訪れたのは2002年、ムニュを注文すべきかカルトにするか悩み、結局「オーブラック牛のステーキ」を注文したのだが、これが岩みたいな巨大な塊が3つ(笑)、本当にお腹がはち切れそうになり「もうデザートは無理、一口だけでも食べよう」と食べ始めたら、あまりの美味しさに止まらなくなり完食、皿まで舐めたくなった(笑)、思わず「おかわり」をしたくなった程だ。「生涯最高のデザート」と聞かれれば、やはりこれだろうか。
 その時の写真が無いので、画像はウィンザーホテル洞爺内のブラスを訪れた時のもの、美味しかったが味はライオールとは微妙に違っていた、これは技術より材料の違いだと思う。
 
2 三田コートドールの「ココナッツのブランマンジジェ」
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 料理でも名品揃いのスペシャリテが多いコートドールを代表するデザート、白い皿に盛られ白いココナッツソースに浮かんだブランマンジェはビジュアルも美しい、イタリアの現代美術家カステラーニの白いアートを連想させる、やっと自立する程にギリギリに抑えたゼラチン、控えた甘味、日本人が考える日本人が一番美味しいと思うデザート、「クーラン」が油絵ならこれは水彩画の繊細さだ、構成要素は少ないながら食材から「美味しさを抽出する」のは料理長の得意技で単純に見えて奥深い。フランスのレストランでも「ブランマンジェ」を名乗るデザートを食べたが、どれもガチガチに固め過ぎ、あれなら日本のコンビニで売っている杏仁豆腐の方が絶対美味しいと思う(笑)。

3 ラ・コートドールの「パンデピスのグラスとショコラのマカロン」
 1位、2位はすんなり決まったが、3位を選ぶのが難しかった、候補としては「ランブロワジー」のガトーショコラとバニラアイス、恵比寿に開店直後の「シャトーレストラン・タイユバン・ロブション」の栗とショコラのデザート、「レ・ヌヴェイム・アール」の森のベリーのデザート等が思い浮かんだが、ここは故ロワゾーに敬意を表し、ソーリューの「ラ・コートドール(現ベルナール・ロワゾー)」を2000年に訪れた時のデザートを選びたい、地元ブルゴーニュ名産のパンデピスをアイスクリームにしたセンスは見事、当時パティシェは店に6人いると聞いたが、個人が作ったと云うより優れた「工房作品」と感じた、これは残念ながら当時の画像が見つからなかった。

 私のベスト3は以上だが、どれも十年以上前に体験したものなので、次点として比較的最近のものを2つ紹介したい。

・エディション・コウジ・シモムラの「和栗のモンブラン」
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 ロワゾーに多くを学んだと言う下村氏が、ロワゾーの哲学に倣ったと感じたデザート、油脂使用を極力減らし、水を使って和栗のピュレを延ばしたもの、和菓子の様でいながら立派にフランス料理店のデザートとして存在している、フランス人が食べたら「甘くない、これはモンブランでは無い」と言うかも知れないが、繊細な味覚の日本人ならこの美味しさは理解出来ると思う。

・オテル・ド・ヨシノの「ティラミスのシュルプリーズ」
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 和歌山オテル・ド・ヨシノの名パティシェだった葛川氏渾身のデザート、見て楽しく食べて美味しく幸せになれる逸品、彼と手島料理長のコンビは近年の日本のレストランでは最高タッグだったと思う、なお葛川氏はヨシノグループを円満退社し、大阪市内に「カヌレ堂」というカヌレ専門店を開業した、今後の展開が楽しみ。

 こうして並べてみると、一口食べて「これは、とてつもなく旨い」と感動するデザートは1990年代までだったかなと思う、最近は油脂類・糖分を減らす傾向にあり、料理とトータルで完結する方向へ変って来た、時代的にそれが求められているのだろうが、私の様な古い人間には少々寂しい事でもある(笑)。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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