最後の晩餐にはまだ早い


大阪・布施「パパノエル」(2017関西食べ続け⑨)

 苦しかった食べ続けも遂に最終日、最後に選んだのは、十年来の付き合いになる友人の店、東大阪市布施のフランス料理「パパノエル」だった。
 東京も下町と山の手では街の雰囲気や人間の気質が違うが、大阪もキタとミナミでは相当違う、元々は摂津と河内と云う別の「国」だった事もあり、話す言葉も微妙に違って聞こえる、東京人がイメージする「大阪人」はおそらく南側に住む人達だと思う(笑)。更に言うと同じ南側でも東と西ではまた別の雰囲気になる、「パパノエル」の在る東大阪市布施は近くの鶴橋や八尾も含めて、おそらく「昔の大阪」が一番残っている地域ではないかとも感じている、東京なら墨田や江東区辺りになるか?
 中之島、天満や北浜辺りは再開発が進み、街並も綺麗だが、歩いていても東京と変わらず、あまり面白くない、また難波や道頓堀界隈も外国人観光客(特にアジア系)が溢れているので、日常の大阪を感じたいなら東大阪がいいと思う(笑)。

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 「パパノエル」は近鉄布施駅南口を出て、二条通り商店街へ右折、「フラワーロードほんまち」に出たら左折してすぐの場所、そのまま直進すると布施戎神社がある。

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 店到着は12時だが、店前には既に自転車が数台停まり、「ご予約で満席」の貼り紙も出ていた、土曜昼なのもあって店内は奥様達(マダムではない(笑))で賑わっている、大阪ランチはスタートが早い(笑)。
 入店後、サービスを担当する奥様に挨拶し、入口近くの個室風な席に座らせてもらう、以下に料理を紹介するが、この日使い続けていたカメラの調子が悪くて、前菜とデセールの撮影に失敗した事をお詫びしたい。

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・八尾産若牛蒡と鴨のスープ、牛蒡の葉を蓋にして

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・葉蓋を開けた処

・前菜三種(海老のファルシ、牡蠣とアボガド、アズキハタとラタトゥイユ)画像なし

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・パン二種

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・英虞湾直送の石鯛、ブイヤベース風サフランソース

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・鹿児島牛ミミクリ肉の赤ワイン煮込、干柿、百合根と小松菜

・デセール三種(フルーツグラタン、オレンジのコンポート、ミルクのアイス)画像なし

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・コーヒー

 壺に入ったスープを見て、すぐに「ボキューズだ」と連想した(笑)、P・ボキューズのスペシャリテ‘Soupe aux truffes noires V.G.E’のパイ皮に変えたのは、東大阪八尾の名産若牛蒡の葉、スープ中にも葉と茎に鴨肉団子、これはなかなかの名品だと思った。
 前菜三種もホッと心和む優しい味、食べ続けで疲れた胃にもスンナリ収まって行く。次の石鯛が抜群だった、市場を通さずに漁師から直接送られて来た魚で、身の締り、旨味が抜群、塩焼でも美味しいだろうが、フランス料理の技法によって更に一段上の料理になっている、やはり白身魚の旨さは関西だ(笑)。
 肉料理の「ミミクリ」とは、牛の耳付け根部分で頬肉以上に希少部位、私もたぶん初めて食べるが、頬肉より噛み応えは感じるが肉味があり美味しい、洗練され過ぎない煮込方で、惣菜風な印象もありながら、やはりこれはプロでないと出せない味だ。
 デセールも良かった、牛乳アイスは何処か懐かしく子供時代に帰れる味、母乳の記憶を呼び覚ますのかも知れない(笑)。

 奥田周一料理長は地元出身で、有名調理師学校を卒業し洋食店や神戸のフランス料理店勤務後渡仏、帰国後1986年に布施で独立開業、2003年に現在地に移転した。こう云っては失礼ながら、フランス料理があまり似合わない街で30年続いたのは、地元客の嗜好に合わせる柔軟さがあったからだと思う。
 年齢は私とあまり違わないので、既にベテラン料理人の領域、作る料理にもそうした大人の懐の深さ、穏やかさを感じさせてくれた、此処へ辿り着くまでには色々とあった事は想像するが、今は「信じたこの道を私は行くだけ」と云える境地に至ったのではないか?
 先に現役リタイアした私が云うのも何だが、体力の続く限りは仕事を続けて、此の地で地元の人達に愛される店である事を願っている(笑)。
 店を出た後は近くにある布施戎神社へ旅の無事?を感謝し、不信心者ながら御参りをする事に、日本一大きいとされる戎像があるが、私は布施駅構内にあるサンタさんみたいな「えべっさん」像の方が親しみ易くて好み、この像何処となく友人に似ている(笑)。
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 今回の関西食旅行は例年以上に濃かった(笑)、加齢により短期間に食を詰め込むのは正直辛くなって来ているが、充実した楽しい5日間でした。この間に同行同席していただいた友人、温かく迎えてくれた店の方達に感謝です、また限られた日程のため、今回伺えなかった店の方にはお詫び申し上げます。

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 最後に南海電車で関空へ向かうために、なんば駅の改札を通ったら、左手に見えたのが「南海そば」のスタンド、「そうだ饂飩を食べていなかった」と、止せばいいのにフラフラと吸い込まれ、「きつねうどん」(300円)を食べてしまった事を白状します(笑)。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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