最後の晩餐にはまだ早い


外苑前「フロリレージュ」(2017年3月)  

 関西から帰って顔も身体もパンパンに膨れ(笑)、暫しの間ヨコメシ系を遠ざけていたが、二ヶ月前から予約していた店をキャンセルする訳にはいかない、東京でのフレンチ再開は外苑前「フロリレージュ」から始める事に。
 2月にタイ・バンコクで開催された、サンペレグリノ主催「アジアベストレストラン50」に於いて、初登場ながらいきなり14位の上位に選出された「フロリレージュ」、今迄以上に世界から注目される店になった。レセプションの女性が話していたが、英語の電話とメールが急に増えたとの事、個室を含めても20席なので、これから更に席確保が難しく電話も通話中になりそう、今回賞発表前に予約出来たのはラッキーだった(笑)。
 勢いのある店は一歩店内に入っただけで空気感が違う、そして席に案内されると、スタッフ達の緊張感とやる気が、フランス語で云う「アトモスフェール‘atmosphère’」が上質である事を感じさせる。
 まずは川手料理長にランキング入りのお祝いを伝える、応える彼の表情や言動にも自信と余裕みたいなものを感じた、注目される店のスタッフを率いるリーダーは、迷ったり悩んだりしても顔に出せなくなる、それを続けると本物の自信が出来る(笑)。

 新店に移ってから昼に1回利用したが、その時は夜メニューをお願いしたので、ランチメニューは今回が初めて、どう違うかの楽しみもあった、以下に当日の料理を紹介したい。
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・提示された7品構成のランチメニュー、ディナーより4品少なくなる。

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・投影、ふきのとう

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・タケノコ イカ墨

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・旨み、椎茸

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・甘鯛 菜の花

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・分かち合う(宮崎産あかうし藁焼き)

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・切り分けドレッセした皿

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・レモンのソルベ

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・贈り物、アマゾンカカオ

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・奈良産烏龍茶

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・苺のパートフィロ

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・今回のドリンクペアリング

 まずは蕗の薹シフォンケーキの心地よい苦味で目が覚める(笑)、次の筍・烏賊墨パスタ・生烏賊を重ねた料理は、食感の違う素材の組合せで新たな味を構築した秀逸な皿、続く埼玉産原木椎茸はトリュフと重ねる事によって、「旨味椎茸、香りトリュフ」の見事な結合になっている。
 魚料理の鱗を付けて焼いた甘鯛は、大胆な量を乗せた菜の花の食感、香りが「春」を感じさせた。
 そして此の日のハイライトが宮崎産あかうし、確認はしなかったが「鰹タタキ」みたいに藁を使って表面を炙っていると思う、肉熟成はしていないと感じたが、濃い旨味ある赤身肉の食感と香りが口中に広がる。これだけ上質な牛肉は塩胡椒だけで食べたくなるが、其処はフランス料理店の矜持で、トマト水と蜂蜜を使った甘酸味のソースがプラスの方向に効いている、また焼いた肉の上に同じ肉のタルタルを乗せると云う、禁じ手みたいな技にも納得(笑)。日本のフランス料理店の牛肉焼系料理では、あまり感心するものに出会えないでいたが、これは過去国内では三指に入れたいと思った。
 デセールは現在のパティシェールになってから進化していると思う、旧店舗ではデセール単体で完結していたが、現在は料理との相乗で完成する方向と感じる。ドリンクペアリングも先駆店だけあって、ユーモアあるアイディアが面白く、味も高評価したいものだった。
 結果として品数が少なくなった事も忘れる(笑)、充実した料理構成だった。

 正直に云ってしまうと、関西でヘビー級古典フレンチを堪能した後だったので、比べたらフロリレージュは料理軽いだろうと、そう期待は大きくなかった、ところが実際に体験してみると、「これは関西とは違うTokyoならではの料理だ、存在価値は大」と、納得させられた。特に食感や味と香りの方向が異なる食材を組合せ新しい料理にするのは、この料理人ならではの特質。
 これだけ人気店になったので、次の利用は暫く先になるかなと思っていたが、この日の料理が秀逸だったので、思わず次回予約を珍しくも席の空いていた日に入れてもらう事にした、電話も繋がり難いので、その場で予約するのが最良の方法なのは間違いない。もっとも京都の某有名店みたいに、食後「今日、次の予約が取れる日は〇月〇〇日です、希望される方は?」と、店側から持ち掛けられるのも、気分が白ける限りなので、難しい処ではあるが(笑)。
 「世界何位」「星幾つ」とかは、私自身店を選ぶ基準にはせず、かえって眉に唾付けてしまう捻くれた人間だが、少なくともこの店に関しては「14位でも低いのでは?」と思ってしまった。今の東京が世界に誇っていい店の一つだと思う、つい最近発表された「世界ベストレストラン」でも99位に選ばれたと聞く、どうやら上昇は止まる事ない(笑)。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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