最後の晩餐にはまだ早い


外苑前「フロリレージュ」(2017年4月)  

 前回の利用時に、誕生日祝いをしようと次の予約を入れていた外苑前「フロリレージュ」、二ヶ月近く前だったが、私の歳になると意外に早くやって来るものだ(笑)。
 地下鉄外苑前駅から神宮球場へ向かって歩き、酒屋のある角を左折して細い道を直進、右手に熊野神社が見えるので、通り過ぎて最初のビル地下に店はある。
 前回に続いての平日ランチタイム、この日外国人客は見当たらなく、皆日本人客だと思うのが、殆ど12時に揃う事(笑)、フランスならデジュネ開始は地元人なら13時頃から、スペインなら14時頃それもバラバラにやって来る、「ヨーイ・ドン」で殆ど同時に始まる日本式は、店側は大変だがスタッフさえ揃っていれば、同時進行で料理を出せるので、楽な面はあるかも知れない。
 カウンターの角席に座って川手料理長に挨拶する、話題に出たのが「ドタキャン」で、つい最近も多人数であったそうだ、他店でも聞く事だが根本的な解決法は今の処なく深刻な問題、やがて海外有名店や日本でもフェア等では既導入している、料金先払いシステムを採るしかないのかなと考えるが、そんな事心配しない時代にレストランを食べ歩けたのは幸せだった(笑)。
 
 春4月のメニューは以下のとおり、
     170505-2.jpg
・投影、そら豆
 盛られた鞘のうち一つだけ空豆コロッケ、空豆の温製スープ。

     170505-3.jpg
・到来、ホワイトアスパラ
 奥に白アスパラのムースに桜花、緑のソースはシャルトリューズがベース。

        170505-4.jpg
・サスティナビリティー、牛
 宮崎産経産牛のカルパッチョ、温かい出汁、国産野生アスパラガス。

     170505-5.jpg
・フォアグラ、生姜
 仏産フォアグラの冷製、中に蕗の薹シフォンケーキ、上にサマートリュフ、ロゼワインを使ったソース。

     170505-6.jpg
・稚鮎のフリット
 稚鮎を鰺みたいに開き、短時間干した後にフリットし実山椒と合わせる、腸を使ったジュースを添えて。

     170505-7.jpg
・分かち合う
 北海道産仔羊背肉骨付ロースト、奥に新玉葱と羊端肉をミルフィーユ状にしてローストしたもの、新玉葱のピュレ。

        170505-8.jpg
・ブランマンジェ、ココナッツ

     170505-9.jpg
・贈り物、アマゾンカカオ

        170505-10.jpg
・苺のパートフィロ
・奈良・月ヶ瀬「ティーファーム井ノ倉」のかぶせ煎茶

     170505-11.jpg
・誕生月の参加者が居たので、お祝いのメッセージとマカロン
 台はサスティナビリティーの考えで再使用出来るドライフラワー、廣田氏作だと思う。

        170505-12.jpg
・本日のドリンクペアリング(廣田氏作)
 
 まずは空豆の香りを生かしたコロッケとスープで春の息吹を体験する、続く白アスパラも緑のソースが印象的、verte(緑)は某知事がイメージカラーにしているが、若さと春の象徴色でもある(笑)。
 次の宮崎経産牛は前半のヤマ場、移転後に経産牛を使い始めたが、この料理は特徴を一番生かしているのではないかと思った、成牛の肉味が枯れた部分を出汁が補い、単に1+1=2ではない、複雑な旨味を出している。
 鶏インフルのため、最後の輸入分と聞く仏産フォアグラ冷製は上質、ロゼワインを使ったソースが引き立てる。続く稚鮎は、根気よく開きにしたスタッフ達に拍手(笑)。
 そしてこの日最も印象に残ったのが仔羊、春から仏産仔羊が輸入解禁されたが、この北海道産も質では決して劣っていないと思う、勿論素材を引き立てる的確な調理があってこそだが、ガルニの新玉葱の扱いもいい。
 デセール2品も以前より洗練度が増したと感じる、パティシェール1人で作っているが、川手料理とイメージが合って来た。
 料理&デセールも秀逸だったが、この店で特筆すべきは若いスタッフ達だ、川手料理長以下は、北海道出身で香川真司似(笑)のスーシェフ田原君、彼は川手氏が出張時には二毛作店?「ウラリレージュ」でシェフに就く。大阪出身で「オテル・ド・ヨシノ」スーシェフを経て、去年から此の店で働いている少し強面の角田君。更にはNYから来たスキンヘッドが特徴の彼に、小さな身体をフルに駆使してキッチン内を飛び回るパティシェール。
 サービス陣は旧店舗時代からの生き残り(笑)で、フラワーデザイナーでもある長身で知的な廣田氏、眼鏡と髭に白い靴下がトレードマークの明るいソムリエ中村氏、他にも若いスタッフ数人が皆個性的でキャラがある(笑)。他店なら黒子役で埋没してしまうが、この店では客と会話する事で全員が主役に見える、これは日本のレストランでは稀有な事、料理を作るのは機械ではなく人間、料理人である前にまず社会に通用する人であるためにも、このやり方はいいと思う。やがて彼・彼女達は旅立って行くのだろうが、此の店で得た経験はきっと生涯役立つ筈だ。
 ヴィエンヌ「ピラミッド」出身の料理人達が現代フランス料理の歴史を築いた様に、何時の日か「フロリレージュ」出身者の時代が来る、そう思いたい(笑)。

     170505-13.jpg
 充実した午後になりました、このあと気分が良くなって、そのまま表参道「グラッシェル」まで歩いて、念願の「プリンパフェ」(税込1,620円)を食べに行く事に、本物のバニラを贅沢に使い、吟味したフルーツと共にまた食べたい逸品でした(笑)。この店のスタッフ達も皆笑顔の接客がいい、「悪いオーケストラはいない、悪い指揮者がいるだけだ」の名言は、どうやら飲食業界にも通用するみたいだ(笑)。
スポンサーサイト

  1. [ edit ]
  2. フランス料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0


 管理者にだけ表示を許可する
 


プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

訪問者

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 06  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -