最後の晩餐にはまだ早い


湯島「ベッケライ テューリンガー ヴァルト」

 時間は前後するが、今回紹介するのは「ビストロ・ヌー」へ行く前に寄った店、家のパンが切れてしまったので、秋葉原・神田界隈で良さそうなパン屋はないか?とネット上で検索していて見つけた。
 WEB情報では「ドイツ人職人が作る、本場ドイツのパンを売る店」とある、PARISにあるブランジェリーの名を付けた店には、期待外れな思いばかりしていたので、「ドイツパン、それも個人店なら面白そう」と好奇心が沸き、店まで行ってみる事にした。
 店の名前は「ベッケライ テューリンガー ヴァルト(Bäckerei Thüringer Wald)」、独語のベッケライは英語のベーカリー、ヴァルトは森の事だから、直訳すれば「チューリンゲンの森のパン屋」、なかなかロマンチックな店名だ(笑)。開業は2015年10月で、店主は製パン技術指導のために来日し、そのまま日本に滞在を続け独立したそうだ、「ビゴ」や「ルコント」みたいなケース。

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 食べログの地図を印刷して行ったのだが、これが予想以上に凄い場所だった、地下鉄千代田線湯島駅の御茶ノ水寄りの出口を出て、神田明神下へ向かい三組坂下の交差点を右折、本郷三丁目方面へ向かうと左側にラブホテルが並んでいるがその裏手、近くには東都文京病院(旧:日立病院)がある。湯島天神と神田明神の中間地、ラブホと病院に囲まれ、少し先には霊雲寺と云う大きな寺社もある、まさに愛(エロス)と死(タナトス)が交錯している(笑)。

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 前の店舗は何だったのだろう?小さな店舗だ、店前には「ドイツパン マイスターの店」と店のサイズに合わない大きな看板が掲げてある(笑)。

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 ガラス戸を開けるとそこはすぐパンが並ぶ棚、欧州式の対面販売で、客側に近い列は「~クーヘン」(ドイツ語でケーキの事)と書かれた、デニッシュ系みたいなパンが並ぶ、「スマイリークーヘン」と云う人の笑顔を表したパンがちょっと笑える。個々の値段は場所柄を考えたら結構高めだ。
 その後ろにはプレッツェルみたいな甘くないパン、後方の棚には食事用のパンを並べてあった。このキチッとスキのない陳列の仕方はドイツ的だなと感じた。
 販売担当は若い日本人女性、奥が作業場になっていて、大柄でお腹の出た外国人男性が手作業でパン種を練っていた、この男性と目が合い「グーテンモルゲン」と挨拶される、何と返すべきか一瞬迷うが、「おはようございます」と無難?に日本語で(笑)。あとでショップカードを貰ったが、この人がマイスターのフランク・ウィンターベルク氏。あまり日本語が得意でないのか、それとも元々無口な職人タイプなのか、あと喋ったのは退店する時に「ダンケ」と云っただけだった(笑)。

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 壁には額装されたレストランメニューみたいなものがあったが、これがマイスターの称号なのか?ドイツ語は全然判らないが。
 同様にドイツパンはよく判らず、店の女性の説明を受けながら選んだ、初回なので無難に食事用のパンを2種買う事に、以下はその紹介と食べた感想を。なおパンの撮影場所は「ビストロ・ヌー」のカウンターを借りました(笑)。

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・ヴァイツェンミッシュブロート(税別650円)
 一辺約11.5cm、ライ麦約20%混入との事で、フランスなら「パン・ド・ミ」みたいなパンか。スタンダードな食事パンと云う印象、粉の美味しさが伝わって来る、薄く切ってトーストにすると特に美味しい、バター&ジャムでも、ハムやチーズ等と合わせてもいい、この店へ来たら最初に買うパンとしてお勧め出来る。

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・バウエンブロート(750円)
 直径約12.5cm、ライ麦比率はたしか50%だと思った、ズシリとした重量感がある。個性的な味わいなので一般向けではないが、個人的には好みのタイプ(笑)。これと野菜と肉を入れたスープがドイツの伝統的な家庭の食事なのだろう、噛むほどに旨味が増すパン。

 ドイツパンと聞くと、広尾の「東京フロインドリーブ」を連想するが、1970年創業のあちらのパンと比べると、伝統的な作りは同じだが、より現代的な味わいになっていると思った。

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 WEB上では「値段が高い」とも書かれていたが、今、街場のベーカリーの食パンが一斤250~300円位なので、確かに高いとは思う、でも厳選した材料を使い、機械に頼らずに伝統的な時間と手間をかけるパン作りをすると、こうした値段になってしまうのだろう、この辺りをどう考えるかによって、この店の評価は変わる。
 個人的にはリピートしたいと思った、それだけの魅力はある、地味だが本物を提供しようとする、この店が継続できるなら、東京も本当の「食の街」になったと云えるのでは?(笑)。

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Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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