最後の晩餐にはまだ早い


外苑前「フロリレージュ」(2017年6月)  

 殆どが平日のランチ訪問だが、今回は諸事情、簡単に云えば同行者の都合で日曜日、場所はお馴染みの外苑前「フロリレージュ」へ。
 川手料理長は海外の有名料理人とも親交厚く、フェア等を開催するので、現在は特にランチ営業する日が減っている。自分が不在時は二番手に任せてしまう料理人も居るが、彼は店を閉めてしまうか、あるいはスーシェフに任せる時は別名「ウラリレージュ」で営業する(笑)、これは潔い姿勢だと思うが、営業日が少ないと客は更に予約が難しくなる、ましてや日曜昼となるとプラチナシート的だ、それを何とか強運?で入手する事が出来た。
 東京メトロ外苑前駅を出ると、神宮球場へ向かう野球観戦客で混雑していた、それを掻き分け熊野神社前に到着、地下へ続く階段を降りると、いつものレセプション担当女性が迎えてくれる、担当者が一人増え二人になっていた、海外からの予約電話も多いと聞くので、体制強化したみたいだ。

 案内されたのはキッチン正面の席、調理スタッフも女性が一人加わっている、今迄パティシェールを除いては男性ばかりだったので、体育会系的雰囲気があったが、女性が入ると全体が柔らかくなり文化祭的?になる(笑)、いい事だと思う。
 川手料理長に挨拶し、始まったのが以下のメニュー、まずは料理を紹介したい、

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・「投影、とうきび」

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・中はコーンクリームポタージュを固めたみたいなもの(笑)。

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・「雅鮎のフリット」

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・「鳩のワンタン」

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・「鮑 米」(上に重湯、牡蠣のムース)

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・「サスティナビリティー、牛」(宮崎産経産牛のカルパッチョ)

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・「分かち合う」(三河産ウズラにフォアグラを入れたバロティーヌ)

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・ドレッセ後、ガルニには空豆と空豆のクロケット

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・「ブランマンジェ(ココナツ)、マンゴー」

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・「贈り物、アマゾンカカオ」(チョコレートのオムレツ)

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・さくらんぼのパートフィロ
・エスプレッソ

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・この日のドリンクペアリング(一部)

 まずはトウモロコシ売り娘(笑)が、トウモロコシが数本入った籠を持って登場、そこから各自1本ずつ取るのだが、中身はコーンクリームグラタン、何処か懐かしい味で記憶を呼び覚ます。
 香ばしい雅鮎の後は、中国料理みたいな鳩肉を使ったワンタンスープ、鳩のコンソメと冬瓜を合わせて食べると何故かフランス料理になっている(笑)。
 次の鮑料理はフロリレージュでは夏の定番、今回は柔らかくした鮑身に、重湯と牡蠣のムースを合わせた発想が大胆、見かけは地味だが今回この料理が最も印象に残った。新店舗ではスペシャリテになった経産牛のカルパッチョも安定の美味しさ、下に敷いたポムピュレとコンソメが半乾燥の肉と絶妙にマッチしている。
 「分かち合う」肉料理はウズラ、中にフォアグラを入れローストすると云う、フランス料理では古典的な手法だが、少し酸味と苦みのある鶉の肉味(それを更に強くしたのが雷鳥)を矯めるのではなく生かす方向で調理している、材料各自の特徴を殺さず、上手くマッチングさせ新しい味を創出するのが川手料理の特徴だと思う、ガルニの空豆の扱いもいい。
 パティシェールも経験を重ねたからか、デセールに硬さが取れてこなれて来た、特にチョコレートのオムレツは旧店舗からのスペシャリテだが、南米ペルーから直送されるカカオを使う事によって、味わいが深くなっている。
 廣田氏が考案するドリンクも毎回面白く楽しみ、今回は「夏」をイメージさせるものが多かった。

 今回の料理印象は、少し「古典回帰」しているのかなと感じた、旧店舗時代の料理を想起させるものがあり、今迄「前衛」を走っていた川手氏、一時は「このままだと、日本料理になってしまうのでは?」と思う時もあったが、此処で一度立ち止まり原点を見つめ直しているのかもと勝手に想像した。
 デビュー時は容姿で売った役者や歌手が、経験を積み実力を身に着けてからは、見かけより中身(技術)で勝負する、以前よりモテなくなったかも知れないが(笑)、違いの分かる人(客)には訴える、川手料理は今其処へ来ているのかも知れない。インスタグラム映えするビジュアル性は減ったが、美味しいのか不味いのか判別不能でそれ以前では?と感じる料理ではなく、食べて本当に美味しい料理を志向していると思った。

 さすがは日曜日昼だけあって、カウンター&個室共に早い時間に満席になった、来客が集中しても料理が停滞しないのは、新店舗の形態で2年が経過した経験によるものだろう、若いスタッフ達の動きもスムーズに見える。
 薄い財布を持ちながらブログを続けるには、訪問が一店に集中しない様にはしているのだが、料理が少し変化した印象を持ったフロリレージュ、一過性なのかそうでないかを確かめるためにも、次の予約を入れてしまった(笑)。やはり此処は来る毎にあらたな刺激を貰える店だ。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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