最後の晩餐にはまだ早い


神楽坂「ビズ‘bisous’」(2017年7月)

 勤め先から近く、現役時代は訪れる事が多かった神楽坂だが、最近はすっかり足が遠くなっていた、サラリーマンの行動範囲はまず勤務先中心で次が自宅周辺、それぞれの半径1km位な気がする(笑)。
 前回訪問時から一年以上過ぎていた、神楽坂のフランス料理「ビズ‘bisous’」をランチタイムに訪れる事にした。「元気兄さん」と云う言葉がピッタリする村田料理長に会うと、こちらも元気がもらえそうな気がする。
 家を出た時は降っていなかったが神楽坂駅を出たら雨、鞄から折り畳み傘を出し歩くが、この週末は神楽坂の祭りがあり商店街は準備が進んでいた、坂上の交差点を飯田橋方向へ左折、交番前の細い道を坂下へ進むと、小さな公園の奥に「ROJI神楽坂」の建物が見える、その2階に店がある。
 階段を上るとガラス張りなので店内がよく見える、ドアを開けてサービス担当の若い男性と村田料理長に挨拶、予約時に「カウンターで構わない」と云ったが、窓際席に案内してくれた、外の公園緑が眺められるいい場所だ。
 ランチメニューを見るが、前菜5種、メイン9種類からと、プリフィクスの選択肢が増えていた、これはサービスの男性が料理人なので、仕込みに時間をかけられる様になったからとの事、客としては嬉しい反面、何を選ぶか暫し悩んでしまう。
 決めたのは前菜+メイン2皿のコースで、別料金のデザートもお願いした、平日ランチタイムでは時間がかかる事もあり、デザートは注文しない客が多いみたいだ。
 当日の料理は以下のとおり、
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・何故かテーブルに置かれる有田焼の三重膳(笑)

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・一の重は本来の注文である「鳥取県産大山ハーブ鶏のモンブラン仕立て」

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・二の重はローストビーフ、ビーツの和え物、湯葉巻みたいな冷菜

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・三の重は下に茄子の煮物、上には鱧の湯引きに蛸のカルパッチョ

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・奥尻ワイナリー、珍しいメルロー種を使った白ワイン

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・自家製パン(美味しい)、右に見えるのは洒落た金属製の水飲みグラス

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・山梨県産白桃の冷製スープ、茗荷風味

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・金目鯛のウロコ焼き、サフランソース

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・オーストラリア産仔羊とひよこ豆のスパイシー煮込み

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・ヌガーグラッセ・アラ・トラディショナル

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・静岡産緑茶、ブランマンジェの上に赤紫蘇のグラニテ

 いきなり磁器製の玉が登場、「何これ?」と驚いていたら、サービスの男性が「どうぞ中を開けてください」との事、そうしたら三段仕込みの前菜だった、一番上の「鶏のモンブラン仕立て」は予想以上に手の込んだ一品、真中のローストビーフとビーツもいい組合せ、和食みたいな蛸カルパッチョと鱧も、下に敷いたブイヨン炊きの茄子がいいアクセントになっている。ブログにUPするのはどうかと思ったが、一の重以外は料理長からの大盤振る舞いだった。この球形の器は料理長が見つけて来たそうだが面白い、色違いで数種あり金色の物もあった、そう「金の球」だ(笑)、カップル席で盛り上がる事間違いない。
 桃のスープは茗荷の風味が効いている、ブイヨン等は使わず桃だけとの事だが、この旨味を出すのは素材の良さとプロの技術だ。魚料理は三種から選べるが、一番手間がかかりそうな金目鯛を注文、高級店の厨房にも居た村田氏、さすがと云うべき火入れが抜群、ソースとの相性もいい。
 石焼き鍋に入れた肉料理は「カレー」をイメージしたそうで、下に羊挽肉を敷き、トマト&スパイスで煮込んで、上にロマネスコやコーン等の良質野菜を乗せる、食べて「ご飯欲しい」と云いたくなる位にカレー的(笑)、レストラン料理と云うより、美味しい賄いの料理みたいだと思った。三田「コートドール」の斉須料理長が、名著「十皿の料理」の中で、「世の中で本当に旨いものはなにかと問われたら」と述べ、「フランスでの賄料理」を挙げていたが、「旨いが一番」と云う印象。
 デセールは文字通り伝統的な物だが、ドレッセで見せてくれる、果物に載せた「目」は、過去厨房で睨まれたシェフ達の目付きをイメージしたのかも知れない(笑)。最後は村田料理長の父親が作ると聞く緑茶で締める。

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 2014年12月に開業したビズ、私は3回目だが料理が進化していると思った、随所に「和」を感じさせるが、オリジンはフランスなのが十分理解出来る、学んだものだけを出すのではなく個性も表現している。
 1982年生れの村田料理長、半年前に築地市場からの帰りに自転車で車と接触転倒、靱帯断裂の重傷を負いながら、それでもキッチンに立って居たと聞く、つくづく料理人は不死身でないと出来ないと思う(笑)。現在婚活中だそうで、若く優秀で元気があり、車に惹かれても壊れない?丈夫な料理人に興味ある女性は、まずはランチタイムにでも訪れてみてください(笑)。
 札幌出身の若いサービス担当の男性も料理人のため説明が的確、優秀な人材なので長く居て欲しいと思う。
 久し振りのビズだったが料理良かった、もっと頻繁に来るべきだったと反省、次はこんなに間を開けないで来たい(笑)。
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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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