最後の晩餐にはまだ早い


六本木「ル・スプートニク」(2017年8月)

 5月の連休時以来の「友、遠方より来たる」で、今回は六本木のフランス料理「ル・スプートニク」のランチへ同行する事になった。
  2020年の東京五輪を控え都内ではホテル建設ラッシュで、既に竣工し営業を始めたホテルもあり、国内外へ向け宿泊客を受け入れている、特に旧盆期間中は都内人口が減るので、そこへ客を呼び込もうと、旅行会社も各種パッケージ旅行を企画している。今回同行する友人夫妻も、六本木交差点近くに最近出来た高層ホテルに宿泊、そこへ迎えに行ったのだが、エレベーターを出入りするのは外国人特にアジア系の人が大半、昔から六本木は外国人が多かったが、今は街から「溢れ出している」感じだ(笑)。
 歩いて5分もかからず店に到着、綺麗でハイソ風なマダムのグループと重なったので、彼女達に先を譲って続けて入店、田村支配人に挨拶し入口近くの4人卓へ案内された。
 私は先月に同じくランチで利用しているので、料理が変わっているのかいないのか、その辺りも楽しみだった、まずは料理全品をお見せしたい。

        170825-1.jpg
・一週間熟成の甘鯛、チェンマイレッド、青林檎とホワイトセロリ

     170825-2.jpg
・枝豆のチュロス

        170825-3.jpg
・鮎のヴルーテ、パン・ドミーで挟んで焼いた鮎、メロンと胡瓜

     170825-4.jpg
・スパイスのチュイル、フォアグラ、マンゴーパッション、ビスキュイショコラの土

        170825-5.jpg
・ハモのクネル とうもろこし“ミライ”のソース

     170825-6.jpg
・オマールと埼玉県産鶉のバロティーヌ、自家製セミドライトマト 、合わせたジュ、シェリーヴィネガー

     170825-7.jpg
・マハタのポワレ、キャベツ、ブラックオリーブのソース

        170825-8.jpg
・エゾ鹿のシヴェ、自家製セミドライピオーネとロックフォール、ジェニパーベリー

     170825-9.jpg
・桃のコンポート、紫バジルの液体窒素

        170825-10.jpg
・今は貴重なダージリンファーストフラッシュ

     170825-11.jpg
・抹茶と和三盆のシューアラクレーム、焙じ茶のブランマンジェ

 甘鯛は前回とほぼ同じで、これは自信があるのだろう、次の枝豆チュロスも夏のスペシャリテ、鮎は前回とは違いフィレ身をパン・ドミーで挟んで焼く手のかかったもの、ヴルーテが後を引く旨さ、これ以降の料理は先月とは全て違った。ファアグラ&マンゴーは特に惹かれた皿、フォアグラテリーヌをマンゴーと合わせチュイルで挟み、下にショコラのパウダーと手の込んだものだが、有機的繋がりがあって、この組合せの必然性が理解出来た、ビジュアルも抜群。
 鱧料理はミライコーンの甘さが印象に残る、次のウズラはオマールを加える事により味が立体的になった、魚料理のマハタは西日本でよく使われる高級魚、肉質を生かしシンプルに調理、イカスミか?と思わせる黒オリーブのソースが合っている。
 そしてこの日一番印象に残ったのが夏鹿のシヴェ、シヴェと云っても煮込んではいない。まるで出来立ての餅かと思うような、舌に絡みつく鹿肉の食感に驚く、この火入れは一世を風靡したロブション「仔羊のパストラル」の真空調理を彷彿させる。食後高橋氏に調理について質問したのだが、さすがに詳しくは教えてくれなかったが(笑)、「超アナログな調理法です、おそらく僕だけしかやっていないでしょう」との答えだった。
 デセール&ミニャルディーズは安定の美味しさ、これはビストロではないガストロノミーレストランの、お金を取れるデセールだ。

 さすがは高橋料理長、今回は事情があり時間的制約があったのだが、その中でもこれだけ起承転結があり、各料理に手間をかけ、時間を開けないで出せるのは実力だろう、そして料理を食べていて、彼の本質はやはりフランス料理だと理解出来た。
 モダンスパニッシュや北欧の料理流行後、フランス料理店でも国籍不明で不思議な料理に出会う機会も増えた、作ったご本人は「最先端の料理です」と云いたいのかも知れないが、「あなたのオリジンはフランス、スペイン、北欧、日本、どれなのですか?」と、思わず訊いてみたくなってしまう、「どれでもありません、『私の料理』です」との答えが返って来そうなので訊かないが(笑)。
 高橋氏の料理はそうした場当たりを狙ったものではない、まずは食べて美味しいし、デザインも洗練され、食べ終わった後に「今日はいいフランス料理だった」と思う。

        170825-12.jpg
 前回は平日だったので男性客が多かったが、この日は土曜日のためか女性客が多かった、あくまでも一般論だが、男性は料理を量やインパクトのある味で評価し、女性はビジュアルの良さや繊細さを感じる味で評価する傾向があると考えている、どちらも満足させる料理は難しいのだが、この店は上手く両立していると思った。
 「今、東京フレンチでお勧めは?」と訊かれたら、ロケーション、料理、女性二人の柔らかなサービス、値段、比較的予約が取り易い事を含め、まず名前を挙げたい一店。
 高橋料理長、田村支配人、お気遣いありがとうございました、遠路?からの客人達も喜んで帰ったと思います(笑)。

スポンサーサイト

  1. [ edit ]
  2. フランス料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0


 管理者にだけ表示を許可する
 


プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

訪問者

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 09  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30