最後の晩餐にはまだ早い


西麻布「ル・セヴェロ・ジャポン」(2017年8月)

 この日、乃木坂の「国立新美術館」(毎回思うけど、この名前もう少し何とかならないのか?(笑))で開催していた「ジャコメッティ展」を観に行った、針金を繋ぎ合わせたみたいに、余計な物を全て削ぎ落した細い人物彫刻で知られる、20世紀を代表するイタリア系スイス人の彫刻家、第二次大戦後主にパリで活躍した。日本人哲学者矢内原伊作との交流で知られ、彼をモデルにした多くの彫刻や絵画が残されている。
 彫刻は三次元芸術なので、写真ではなく実物を見ないと本当の良さは理解できない、彼の孤独や哲学が伝わって来るいい企画展だった。(9月4日で会期終了)
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 せっかく都心へ出るのだからと、適当なランチ場所を事前に探したが、一番便利なのは美術館内のレストラン、2007年の開業当時には行列が凄かったのを覚えている。WEB上でメニューが公開されているが、値段と料理内容を見ても正直気乗りしない、私みたいに遠路?を辿り着いて、メインに「鶏のコンフィ」は正直ないだろうと思ってしまう。
 近くでもっといい場所は無いか?と探していたら、地図を見ると西麻布が意外に近い、「そうだ『ル・セヴェロ』へ行ってみよう」と閃いた。去年9月にやはりランチで訪問して以来で、店には旧知のサービス担当宮脇氏が居るので、昔話になりそうだが(笑)、彼とも約1年ぶりに会える。

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 予約どおり昼の開店時間12時に合わせ入店、店内の様子は去年と変わらないが、開業以来の料理長が独立?のため抜けたので、キッチンは若いスタッフで回しているみたいだ。2階の客席に上がり、宮脇氏に挨拶し眺めのいい窓際席に座る。

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 ランチメニューは前回と殆ど変わっていない、ランチプレートは基本2,500円で前菜+メインと食後の飲物込、料理によってはプラス料金の皿もあり、デセールは別料金、ランチタイム限定のグラスワイン、ビール等は一杯500円とリーズナブルだ。
 前回は前菜にスペシャリテの「パテ・ド・カンパーニュ」、メインに「熟成ランプ(ステーキ)」だったので、今回は前菜に「夏野菜のビスマルク仕立て」(+500円)、メインに「北海道産 熟成短角牛サーロイン 200g」(+1,000円)をお願いした。
 昔より人出は少なくなったとは云え、夜はそれなりに賑わう西麻布も昼間は人通りが少ない、飲食店も夜だけ営業の店が多く、ランチ営業している店はありがたい、周りが静かなので外国人で賑わう銀座より落ち着いて過ごせる(笑)。

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・夏野菜のビスマルク仕立て
 ビスマルクとは元Jリーグ選手ではなく(笑)、「鉄血宰相」と呼ばれた19世紀のドイツ人だが、大の玉子好きだったので、目玉焼きを乗せた料理をこう呼ぶ事が多くなったと伝えられる、今回はラタトゥイユの上に卵を落としてオーブンで焼いた料理、ごくシンプルだがこれが妙に美味しい(笑)、レストラン料理と云うより家庭料理みたいで、フランス人が云う「おばあちゃんの味‘goût de grand-mère’」だと思う。

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・北海道産 熟成短角牛サーロイン
 北海道で飼育されている「八雲牛」との事、約一ヶ月熟成だそうだ。サーロインだけあって脂身が旨く、黒毛和牛とは味わいが違う、噛んで味が増すので「すき焼き」には向かないと思う(笑)。前回も感じた事だが塩&胡椒の味付けで十分、約200gだが食べ終わる頃には結構お腹一杯になる。
 前回以上にガルニのポムフリットが美味しい、「北海こがね」と云うジャガイモを2年間貯蔵して使うそうだが、甘味が強くてまるで大学芋かと思う位、初めて食べる人に「これサツマイモだよ」と云っても殆どの人が信じると思う(笑)。

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・デセールメニュー
 フランス料理はやはりデザートが食べたくなるもの、前回は「ブランマンジェ」だったので、今回は「ゆずのタルト」にした。

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・徳島 有機栽培“木頭ゆず”のタルト
 「木頭ゆず」は徳島県那賀郡木頭地区の山間地で生産される有機柚子、この酸味を生かしたタルト、見かけはいかにもフランスのビストロデザートだが、味わいは甘さを抑え日本的な繊細さを感じる、柚子の酸味が尖っているがいいアクセントになって、これはブランマンジェより気に入った(笑)。

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・コーヒー
 宮脇氏によるとコーヒーも有機栽培豆使用との事、美味しかった。

 約一年ぶりの訪問だったが料理良かった、特にランチはお得だと思う、ステーキチェーン店で美味しくない輸入肉食べるなら、此処のランチプレートが断然お勧めだ(笑)、ただ日曜休みなのがサラリーマンには辛い処だが。
 宮脇氏とはやはり業界の昔話になってしまう、今年初めにPARISの本店「Severo」で研修して来たそうで、色々と得る処多かったそうだ。

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 あまり詳しくは書けないが、この店も新たな展開を計画していると聞く、今後も楽しみだ。特に新美術館からの散歩コースはいいと思う、まずはランチからでも訪れてみる事をお勧めしたい。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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