最後の晩餐にはまだ早い


北千住「ル・コントワール・ドゥ・レジオン」

 わずか13年しか建っていなかったが、上野池之端に不思議な形の高層ビルがあった、寛永寺の五重塔をイメージしたとの事だが、当時は不格好な印象でどうも好きなデザインではなかった。このビルは2006年に取り壊されてしまい、その後何の変哲もない高層マンションに建て替えられた、今思うとあれはあれで結構面白かったなと妙に懐かしくなる時がある(笑)、この建物に入っていたのがフランス資本の「ソフィテル東京」で、その2階にあったメインダイニングがフランス料理「プロヴァンス」だった、料理長はフランス人のクリストフ・ポコ氏、私は2回訪れたが料理は割と好きなタイプだった。ホテルの閉館に伴いレストランスタッフは各自の道を進む事になる、ポコ氏は神楽坂で「ルグドゥム・ブション・リヨネ」を開店、マネージャーの近藤氏は、ホテルがあった場所の近くに「コーダリー」を開いた、現在はどちらも人気店になっている。この「コーダリー」を近藤氏と一緒に立ち上げたのが料理人の濱崎氏で、ソフィテルではポコ氏の下で副料理長だった人物だ、その濱崎氏がコーダリーから独立し、下町北千住に開業したという情報を聞いたので、家から近い事もあり平日昼に訪問してみた。

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 店の名前は「ル・コントワール・ドゥ・レジオン」、場所は北千住駅から日光街道へ向かう途中、商店街から少し入った住宅地にある、民家の一階を改築した店の造りで、テーブルが10席と店名に因むカウンター5席、オープンキッチンの厨房は濱崎氏が1人、店内が若い男性1人というフランス料理店としては最小限の規模だ、この日は一人だったのでカウンターに通され、二種あるランチメニューから2,500円のものを選んだ。

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・アミューズ(テット・ド・フロマージュ、鹿肉の薫製マリネ・赤キャベツ)

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・蟹肉を詰めたトマトのファルシ

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・ウズラのグリエ、夏野菜

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・グラスに入れた「ピーチ・メルバ」
・コーヒー

 料理の印象はコーダリー時代と大きく変わらない、尖らず穏やかな料理人の印象そのままで、王道で安心して楽しめるもの。料理はすべて一人でやっているので、この日は3組5人の来客だったので大丈夫だったが、満席近くなると大変かも知れない、少し気になったのが「換気」で、カウンター席が少々暑かった、厨房の中はもっと暑そうで料理人も汗だく、オープンキッチンだと舞台裏が全て見えてしまうので、余計に気を使ってしまう(笑)。ウズラ料理の皿に見覚えがあって、「コーダリー」や「プロヴァンス」で使っていた物だった、それを話したら料理人とサービス担当が喜んでくれて、当時の話題で盛り上がった(笑)。

 食後にフレンチ不毛の地(失礼!)に出店した理由を濱崎氏に尋ねたら、「此処に住んでいる訳ではないが、友人が居たので何回か訪ねるうちに街の雰囲気が気に入り、これから発展が期待出来そうなので独立の地に選んだ」との事だった、正直言って青山、恵比寿、六本木、広尾、中目黒と云った辺りは、もう洋食系店舗が飽和状態だと思う、限られた客を奪い合うより、現在は関心度が低くても、これから発展しそうな場所を選んだのは賛成できる。
 数少ない下町の正統フランス料理店として、今後の健闘を期待したい店だ。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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