最後の晩餐にはまだ早い


銀座「ラール・エ・ラ・マニエール」

(2011年11月訪問) 
 銀座のフランス料理店「ラール・エ・ラ・マニエール」を初めて訪れた。
 日本人が発音の苦手な「R」と「L」が多いこの店名(^^;)、英語なら「アートのマニュアル」、店のWEBページでは「正しい導き方」という意味だと説明がある。

 銀座での食事は久しぶりだ、去年銀座三越内の「ブール・ノワゼット」に行ったが、あそこは「銀座」というより、デパート内で食事したとの印象の方が強い、本格的なレストランは数年ぶりだと思う。私の様な下町人間には、銀座は憧れていたいけれど、実際には近付くのが怖い「深窓の令嬢」みたいな存在。
 この店に惹かれたのは店のWEBページで紹介されている料理人の経歴、フランスでは「マルク・ヴェイラ」「アルページュ」などで7年間働き帰国、そして他店を経験せずにこの店の料理長に就任したと聞く、後で36歳と聞いたがまさに「伸び盛り」、あまり日本色に染まっていないなら、期待が持てそうだと思った。

 場所はプランタン銀座の裏手、「アルジェント・ASO」が入っているビルの近くで、一階には有名なドーナツ?店が入っている建物の地下だ、家賃の高い銀座では、厨房を含めると広さが必要な本格レストランは、階上に上がるか地下に潜るケースが多い、「レカン」「アピシウス(正確に言うと有楽町だが)」も地下だ。メインダイニングは20席で他に個室が1つある、地下なので自然採光は無いが、白を基調にした店内の居心地は悪くない。
 あらかじめお願いしていたのが、昼の5,000円のメニュー、その内容は、

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・アミューズ(長野産マスカット、モンサンミシェルのムール貝、銀杏、ベーコン)

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・南瓜のポタージュ、牛乳のエスプーマ

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・和歌山産モンゴウイカ、フランス産プルロット茸、長野産キャベツ、セルバチコ

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・和歌山産赤海老、長野産ホウレンソウ、金時人参のピュレ

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・熊本産香草豚フィレのロースト、淡路産玉葱のピュレ、蒸野菜ゴボウのソース

・「栗尽くし」のデセール[栗のピュレ、マロングラッセ、クリームチーズ(これは洒落(^^;))のムース、赤ワインソース]
・フレッシュアンフュージョン

 「銀座」の連想から、もっと普遍的で平明なものを予想していたが、意外に玄人受けしそうな料理だ、特徴は食材の選択がいいのと調理が的確な点、感心したのは若い料理人にありがちな、理解不能な食材の組合せやビジュアル優先な不思議な盛付けが無い事、皿の上には余計な物が無く、真っ直ぐで美味しい。
 この若い料理人はフランスの「いい部分」を吸収して帰って来ていると思った。中でも良かったのが野菜の扱い、さすがマルク・ヴェイラとアラン・パッサールの店に居ただけの事はある。どの料理も良かったが中から一品を選ぶとするとモンゴウイカの皿、イカ料理でこれだけ美味しいと思ったのは、三田「コートドール」での「ムギイカのソテー」以来、一見地味ながらしみじみと美味しい一品だった。

 場所を考えたら、この内容で5,000円は立派だと思う、これならまた近い内に再訪してみたい。サービスも吉岡支配人を含め男性ばかり3人、東京的な「一歩引いた」サービスながら物足りなさは感じない。 
 最後に厨房から出て来た清水料理長は若く、そして目の輝きがいい、この点では今年出会った料理人の中では、「フロリレージュ」の川手料理長と双璧と思った。

 この店はまだまだ伸びそうだ、銀座で素敵な食事をしたかったら、今一番お薦め出来そう、いい店でした。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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