最後の晩餐にはまだ早い


2019年「今年印象に残った店」(デザート・スイーツ編)

 料理編に続いてデザート&スイーツ編だが、例年どおり私の好みを反映して、フルーツ系や白色系は少なく、茶色いものが多くなってしまった(笑)。まずはレストランデザートからで、
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・稲荷町「キエチュード」の「栗とホワイトチョコレートのフォンダン」
 去年も此の店のフォンダンを選んでいるが、結局これが好きだからと云うしかない(笑)、その場でないと食べる事が出来ないレストランデセールならではの皿。

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・大阪・上本町「レストラン・コーイン」の「エチオピア産カカオ70%のビターショコラをモンブラン仕立で」
 『「今年印象に残ったデザート」に選ばれるのを狙って作りました』と、料理人が自ら話したデセール(笑)、自信作だけあり手が込んでいる、個人的には甘さもう少し控えめが好みだが、選ばない訳にはいかない秀作。

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・六本木「ル・スプートニク」の「オレンジとショコラオレ(ジヴァラ ラクテ)のパルフェグラッセ、ショコラのキャレのチュイール、カモミールの泡」
 パティスリー勤務歴のある料理人はやはり違うと、あらためて思ったデセール、見映えの良さと味の構築に、他のレストランデセールとの違いを見せつけた。

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・東麻布「ローブ(L'aube)」の「キャラメル ショコラ」
 パティシェ界の女王は健在(笑)、デザインの良さと味の積層、甘味に複雑さを持たせる点では「ル・スプートニク」と双璧だった、年明け1月には平日ランチもあるので、レストランデセールを勉強したい人は行くべきと思う。

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・赤坂「ライラ(Lyla)」の「カヌレ 紅茶(カヌレ味のアイス、紅茶のジュレ)」
 「成程、こうしたやり方もあったのか」と感心したのは、赤坂の隠れ家的フレンチで出たプレデセール、何も云われずにカヌレの味を指摘出来たら、「神の舌」の持ち主です(笑)。

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・札幌・西17丁目「プロヴァンサル キムラ」の「ピスタチオクリームのパリ-ブレスト、グラスバニーユ」
 パリ-ブレストは、私がフランスで体験した中で最も印象深い品、なかなか日本で満足できるものに出会えなかったが、これは光っていた、シュー皮の軽やかさとクリームの味わいのバランス良好、画像を見ているだけでも、また食べたいと思う(笑)。

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・赤坂「古屋オーガストロノーム」の「マロンのガトークーラン、マロングラッセとマロンのグラスウイスキー風味」
 料理人は一つの食材を多種の調理で一皿料理にするのが得意だが、それをデセールに応用したと思った逸品、元々ファンダンやクーラン系の熱い甘味は好みで、それを冷たいグラス(アイスクリーム)と合わせるのは、レストランのアシェットデセールならではの、王道にして至福(笑)。

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・小川町「ZeCT(ゼクト)byLm(バイエルム)」の「炙りチーズケーキ」
 これはアイディアの勝利、カットした自店製レアチーズケーキを客の前でバーナーを使って炙る、ケーキが溶けていく様は諸行無常やホラー映画を連想する(笑)、インパクトある一品。

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・麻布十番「リストランテ・ジャニコロ・ジョウキ」の「そば粉のクレープとヘーゼルナッツのムース(ヘーゼルナッツのパウダー、食用パンジー)」
 以前から料理とドルチェに注目している料理人で、一見ジャクソン・ポロックみたいなカオス状態の皿ながら(笑)、味わいはバランスが取れている。9階からの眺めも良好、もっと評価されていい店だと思う。

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・神戸・三宮「ラ・カスエラ」の「クレマカタルナとペドロヒメネス」
 フランスの高級店に行くと、シャンパーニュやリキュール飲みながら、時間をかけてデセール味わう客を見かけるが、アルコールに弱い私でも、このクレームブリュレの原型とされるポストレと甘口シェリーの相性の良さは判った、駅直結の商業ビル内に在るエスパーニャ。

 店売りスイーツでは、地元応援の意味も含めて、葛飾お花茶屋の2店を挙げておきたい、
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・お花茶屋「タルトレット ドウゼン」の「焼きレアチーズタルト」
 2018年11月開業、祖父の理髪店を改装して始めた小さなパティスリー、店主は上野の有名店出身で、看板商品のタルトは一度味わう価値あり。

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・お花茶屋「おやつ屋マムマル」の「ほうじ茶とチョコレートマフィン」
 2018年10月開業した自宅併設型の狭小店舗だが、レストランパティシェール出身店主の焼き菓子類は個性的で美味しい、なお夫君は乃木坂のビストロ「TABLE MOTOH(ターブルモトオ)」店主で、此処もこれから楽しみな店(笑)。

 一年間このブログにお付き合いいただき、ありがとうございました。
 飲食店では慢性的な労働力不足と後継者不在に加え、今秋以降には増税、台風到来、ラグビー熱と、特に個人経営店に厳しい年になってしまったと思う。私の地元周辺でも町中華、蕎麦、喫茶、ラーメン店等が次々閉店している、街中を歩いてシャッターの閉まった店舗を見ると、寂しさと暗澹とした気持ちに捉われてしまう。
 そんな中でも、1980年代生まれの若い才能が出て来ているのを知ると、暗闇に差す一条の光にも思えてくる(笑)、君達が次代を輝かせて欲しいと願う。そして若い人達へは将来の不安から消費を抑え貯蓄する事は反対しないが、週一いや月一でもいいので、個人店で外食してみては如何だろう?其処にはコンビニ弁当とは違う美味しさがある。
 食を提供する人、提供される人、全ての人にとって2020年が良い年である事を願っています。


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  2. 今年印象に残った店
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  2. 2019/12/31(火) 22:18:09 |
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  4. K
こんばんは。
今年も沢山のお店をご紹介していただきありがとうございました。
三ノ輪のルミエルや乃木坂のターブルモトオは記事を読んで伺ってみましたが、どちらも素敵なお店でとても気に入りました。
来年もブログ更新楽しみにしております!
それではよいお年をお迎えください。

Re: タイトルなし

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  2. 2020/01/01(水) 07:23:36 |
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  4. オンクレ・トシ
「孤独のグルメ」を見て寝てしまい、コメントに気づきませんでした(笑)。
嬉しいお言葉ありがとうございます、私が行く店は世間一般的な人気店とは違うと思うので、
行って確認していただけるのはありがたく、そして気に入ってもらえたら、ブログをやっていてよかったと思います。
何時まで続けられるかは、自分の体力と財布の中身次第ですが、今年も時間のある時にこのブログにお付き合いください。
良い一年でありますように。

初めてコメントいたします

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  2. 2020/01/27(月) 11:19:26 |
  3. URL |
  4. M
はじめまして。
いつも楽しく興味深く拝読しております。

私は大阪在住の会社員で、美味しいもの、特にフランス料理が大好きです。
最初はコーインさんの記事でこちらのブログを知りました。

年に一度、大阪にもいらっしゃっているので、いつか遭遇できないかなと思っておりますが、なかなかそんなタイミングよくお目にかかれるわけもなく、数年過ぎました。
自宅はぽたじぇから数分のところにあります。

昔よりも美味しいお店が減っているうえに、クラシックなフランス料理となるとさらに難しく、年々美味しいと思えるお店が少なくなっているなか、貴方様のブログを読むと、誠実な美味しさやお店に出会えるようでホッとします。
私も細々とブログをしておりますが、ついつい書き過ぎてしまうところ、控えめでなおかつ的確に書いておられるところも大好きです。

これからも楽しみにしております。
今回来阪されるときに偶然お目にかかれることを祈っております。

突然のコメント失礼いたしました。

Re: 初めてコメントいたします

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  2. 2020/01/27(月) 14:40:18 |
  3. URL |
  4. オンクレ・トシ
M様 コメントありがとうございます。
以前はフリーコメントにしていましたが、嫌がらせや中傷としか思えない書き込みがあり、承認制に変えました。拙ブログを多大に評価していただき、続けていてよかったとありがたく思います。
M様のブログも拝見させていただきました、此処までコーイン愛に溢れている記事は初めて見ました、同志を得た想いです(笑)。
私もM様と同じく、最近流行のモダン料理には殆ど不感症で、心に刺さって来ないです。自分が理想としているのは1990年代のフランスのフランス料理ですが、それを想起させてくれるのは、東京でも関西でもそれぞれ3~4店位ですか、こうした店はこれからも通い続けたいと思います。
ブログをリンクさせていただきます、これからも宜しくお願いします。

お返事ありがとうございます

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  2. 2020/01/28(火) 15:59:41 |
  3. URL |
  4. M
1990年代のフランス料理!
私が大学生から20代の頃になります…遠い昔ですね、自分では実感がありませんが。

そのころ食べていたお料理を思い出すと、今となってはもう夢のようです(笑)

トシ様が書かれていた増井和子さんの「パリの味」、中古本で購入して読みましたが、あまりのうらやましさに、時々本を閉じて気持ちを落ち着けなければならないほどです。
東京にもお食事に行きたいとずっと思っておりますがなかなか叶いません。
もし行くことがありましたら、トシ様のブログを参考にさせていただこうと思っています。

ありがとうございました(^-^)

Re: お返事ありがとうございます

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  2. 2020/01/28(火) 17:56:23 |
  3. URL |
  4. オンクレ・トシ
Mさんは私よりかなりお若いと思いますが、その方が古典料理に興味を持っているのは頼もしくなり、日本の食将来に希望を持てます(笑)。
古典料理は作る側は手間がかかり歩留まり悪く儲からないですが、食べる側も地味でSNSやブログで人気が出ない(笑)。それでも好きだと思い続けて書いていられるのは、かなり孤独な作業かも知れません。
これからもお気軽にコメントください。

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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
人はそれぞれに「見方、感じ方、考え方」が違います。私が美味と思ってもそう思わない人が居て当然です、味覚とはそれだけ不安定で不完全なもの、あくまでも筆者個人の嗜好による感じ方である事を承知の上で読まれてください。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに赤坂、麻布十番等。
混雑電車が苦手で加齢による朝型人間化のため、ランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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