最後の晩餐にはまだ早い


和歌山「オテル・ド・ヨシノ」(2020関西食べ続け-4)

 早くも膨満感と食疲れが出て来て、胃薬必服の関西3日目は、恒例の和歌山詣でを敢行する事に。前2日と違って天候も回復、暖かい日になったのはありがたい、これなら毎回と同じく駅から歩いて行けそうだ(笑)。
 天王寺駅から乗車したJR紀州路快速は、日根野駅で関空行と和歌山行の半分に別れるので要注意、大阪人でも間違える人は居ると聞く、日根野から先は急にローカル線の雰囲気になる。
 和歌山駅からは南に向って線路沿いをテクテクと歩く、カロリー消費と健康維持には歩くのが一番、「高齢者は歩かない」なんて云わせない(笑)。途中にある「ビッグホエール」でイベントが無い日は人通り少なく静かな界隈で、この辺りの住人は学生以外殆ど車で移動する様子だ。店が入っている「ビッグ愛」には12時過ぎに到着、いつもより人の出入りが少なく感じた。
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 12階のレストランエントランス、右に進むとレセプションがあり、メートレスの細川さんが待っていた。彼女の案内で用意してくれた円卓に座る。
 手前にあるカフェ「ステラマリス」は割と空いていたが、メインダイニングはこの後大体満席になった、コロナ騒動の中、平日昼でも変わらない集客力は凄いなと感心する。厨房スタッフとサービス陣が前回とは少し変わっていた。
 料理の内容は全て手島料理長にお願いしていた、2月の‘Menu Spécial’は以下のとおり、

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・グジェール

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・ジビエのコンソメ

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・自家製バゲット

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・生ハムのジュレ フヌイユのムース

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・山鴫のビスク

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・和歌山の真鯛

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・和歌山の猪 バロティーヌ

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・細川ソムリエールセレクションのワイン
 白:PATZ&HALL2016 DUTTON RANCH
 赤:VACQUEYRAS Beaumirail2016

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・牛乳のソルベ

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・いちごミルク2020 梅の香り

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・和歌山産アンフィ―ジョン

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・ミニャルディーズ

 まずは変わったカップに入ったコンソメからで、味の深さと奥行きは抜群、去年10月に札幌で入った、ラーメン店のスープと似ていると書くと手島料理長に怒られるか?(笑)、でもこうしたコンソメ系は突き詰めると似てくる気がする。
 続くフヌイユのムースに合わせた生ハムジュレは、国産の生ハムを使い、見て美しく食べて印象に残る一品。続くベキャスのビスクはたしか3回目だが、前回より酸味が増し、味わいが少し軽くなった印象を受けた、個人的には今回の方が好みだ。
 鯛を使った皿は古典の教科書的料理、表面の均等な焦げ目を見ただけで旨いのが分かった(笑)。伝説的レストラン、ヴィエンヌ「ピラミッド」のスペシャリテだった、「平目の蒸し煮 シャンパン風味」を連想してしまうが、古典そのままではなく現代人に合わせて仕上げている。
 肉料理の猪バロティーヌも2回目だが、これを出したのは素材と調理に自信があるからと思う、「野兎のロワイヤル」に似た印象だが、やはり猪の食感は野兎とは違い、より獣的と云うか、野生の香りと複雑な味わいを感じさせる、仕上げの精度も以前より増していると思った。
 パティシェが替わったそうで、味わいも違って来た、特に苺を使ったデセールは、見た目も味も今迄に無かった感覚、なかなか記憶に残る一品だと思った。

 全体の印象を云うと、王道で瑕疵のない安定した料理、大相撲を観に行って横綱が四つに組んで相手を寄り切り、盤石な横綱相撲で勝ったと云う感じだ。かつて手島料理長が在籍したPARISの ‘TAILLEVENT’、それもジャン=クロード・ヴリナ氏が健在だった時代の料理を思い出すものがあった。
 ただあえて云ってしまうと、私はこれが11回目の訪問になるので、横綱相撲もいいがこの料理人の別の面も知りたいと、欲張りな願望を抱いてしまう。例えば翌日に行く事になる大阪上本町「コーイン」や、東京赤坂「古屋オーガストロノーム」は、料理人一人が最初から最後まで殆ど全ての料理を作るが、そうした店なら、彼はどんな構成で料理を出すのか、本人は以前「自分はチームで料理を作るのが好きなので、小さい店でのやり方は興味がない」と話していたから、実現は難しいかも知れないが、つい妄想をしてしまう(笑)。
 その話には触れなかったが、食後テーブルにやって来た手島氏と色々と話をした、主に東京のフランス料理店の話だったが、業界話で此処に書けない事を含め、煮詰まってしまい、日本版「ゴ・エ・ミヨ2020」の「明日のグランシェフ賞」に選ばれたお祝いを云うのを忘れてしまった(笑)、失礼しました。これは「将来のグランシェフへの可能性を認められた料理人」を選ぶ賞で、今回3名のうちの一人、選考理由が「卓越した技術を用いて、フランス料理を日本人の感性で表現している点」だそうだが、「将来のグランシェフ云々」については、既に十分要件を達成しているから、何を今更と云う気もしないでもないが(笑)。
 食時後はまたテクテクと線路近くを和歌山駅まで歩いて行く、夜はまた別の店で5食目が待っている(笑)。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
人はそれぞれに「見方、感じ方、考え方」が違います。私が美味と思ってもそう思わない人が居て当然です、味覚とはそれだけ不安定で不完全なもの、あくまでも筆者個人の嗜好による感じ方である事を承知の上で読まれてください。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに赤坂、麻布十番等。
混雑電車が苦手で加齢による朝型人間化のため、ランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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