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最後の晩餐にはまだ早い


南千住「パスティチェリア・バール・アルテ」(9月)

 明歴2年(1656)、江戸幕府はそれまで日本橋にあった吉原遊郭を、江戸城から鬼門の方角(北東)にあたる浅草郊外の日本堤へ移した、江戸の人口増加により市中での遊郭営業に支障が生じたためで、以降この場所が江戸を代表する「歓楽地」となる。吉原近くには遊郭の送迎車夫など関係者が定住、また東照宮開山により、日光へ向かう旅行者向けの木賃宿が増加した、この一帯が「山谷(さんや)」になる。第二次大戦後この地は、建設作業に従事する日雇労働者を集める場に変貌し、日本の高度経済成長期を陰から支えた、その後バブル経済崩壊により建設労働需要は減少、山谷は元日雇労働者や路上生活者が定住する場所となって街の活気は失われていた、ところが労働者達が利用していた簡易宿泊所の安さに目を付けたのが、バックパッカーなどの外国人旅行者、1泊2~3千円で泊まれるため、皆この地を目指すようになった、今は山谷と云う地名は無くなったが、現在ここで目立つのはその外国人と高齢化した元日雇労働者達である。
 以上私がまとめた「1分で読む山谷の歴史」だ(笑)。

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 前置きが長くなったのは、この日3回目の訪問になるイタリア料理店「パスティチェリア・バール・アルテ」がある山谷という土地を知ってもらいたいからで、失礼ながら東京でも一番横文字レストランが似合わないディープな場所だと思う(笑)、それでいてこの店で提供されるのは極めて真っ当な直球料理、イタリアの街中のリストランテやトラットリアを連想させる骨太な料理が体験出来るので、初めて訪れる人はそのギャップに驚くと思う。
 雨上がりの蒸し暑さの中、南千住駅から歩いて店に到着、この日も前2回と同じく2,100円のランチメニューを注文する事にした。

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・アンティパストミスト(上から時計回りに、茸のスフォルマート、鰻の薫製、鶏肉の冷製、カポナータ、バカラオのクロスティーニ)

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・茸のリゾット

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・もち豚のボルペットーネ

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・ドルチェ盛合せ(ティラミス、カッサータ、エスプレッソのアイス)
・エスプレッソ

 この内容で2,100円は価格破壊的、家賃の高い都心ではこの値段では絶対無理(笑)。最初のアンティパストだけでも結構な手間を掛けている、茸のリゾットは日本米を使用しているとの事だが、火入れはジャストで味わいも穏やか、メインのボルペットーネとはイタリア版ハンバーグで、練肉の旨味と下に敷いた白インゲン豆のトマト煮込との相性も抜群、ドルチェはどれも奇をてらわず正攻法で美味しい、この料理人は菓子職人出身なのでドルチェはお手の物だ。
 食後、料理長と話をさせてもらったが、この店は元々洋菓子店で現料理人の父親が始め、その後2005年にイタリア料理店を併設し現在に至っているそうだ、不躾ながら単刀直入に、「料理長位の実力があれば、都心で勝負する事は考えなかったのですか?」と訊いてみた処、「考えないでもなかったが、父親が飲食店は家賃を払ってまで儲かる商売ではないと常々言っていたので、この地でこの自店舗で続けて行くつもりだった」との答えだった。

 この店はもっと知られていいと思う、デパートの中に出店している様な「イタリア料理風」なイタリア料理店とは一線を画す、正調な料理が体験出来る店だ、併設のショップで販売しているスイーツ類も、華やかさは控え目だが実質的で美味しい。
 この日も美味しくて安くてお腹一杯になった、浅草やスカイツリー見物の際には、この店まで足を延ばす価値ありです(笑)。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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