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最後の晩餐にはまだ早い


神楽坂「オー・トレーズ・ジュイエ」(10月)

 料理人がピークの状態でいられるのは一体何年位なのだろう、料理人育成の世界で長年活躍され、尊敬している方にこの疑問をぶつけてみた事があった、私は「十年位ですか?」と訊いたのだが、その時は「五年位では」とのかなりシビアな答えだった。でもこれは当っているかも知れない、料理以外の他の分野、例えば美術、音楽、スポーツの世界を見渡しても、本当に良い仕事をしたと言えるのはせいぜい5年から10年位がいい処で、それ以上活躍する人は勿論いるが、例えば美術の世界では自分で過去の自分を模倣する様になり、名声を得るのと反比例して作品はつまらなくなりがちだ、葛飾北斎みたいな変な爺さんは特異な例だ(笑)。
 「ピーク5年説」を聞いて以来は、現在ピーク中またはこれからピークを迎えようとする料理人を探し、上り坂を登る事に立ち会いたいと思う様になった。そしてその料理人が見込みどおりに有名になれば、「あの店に客が入らず、連日貸切り状態だった頃を知っているぞ」と嫌な自慢話が出来そうだ(笑)。

 その私が今注目している店の一つが、神楽坂に去年10月に開店したフランス料理店「オー・トレーズ・ジュイエ」だ、オーナーシェフの佐藤氏は今年40歳なので「アンファン・テリブル」なデビューではない、雇われ料理長で実績はあったが、活躍の場が横浜だった事もあり、東京では殆ど知られていない料理人だった(と思う)。その店を知ったのは偶然で、勤め先から近くて良さそうな店は無いかとWEB検索している時にたまたま見つけたもの、今年7月の初訪問以来この日が4回目の利用で私としては異例の頻度だ、楽しみにしていた月替わりの昼メニュー(2,300円)の10月分は、

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・ブーダンノワール、バターナッツカボチャのグラッセ(これはメニュー外)

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・鯖のアルザス風マリネ、ポワローとポテトのクリーム、リンゴのカシスウーロン煮

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・ボルドーだがブルゴーニュ型のボトルを使う変ったドメーヌ‘Launay’の白ワイン、品種はミュスカデル中心で味も個性的(グラス800円)

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・メヌケのロースト、根菜のオレキエッテ

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・仔牛のロールステーキ、玉ねぎのキャラメリゼ、赤ワインソース

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・マシュマロとガトーショコラのカダイフ包み

 佐藤料理長は毎回感じる事だが、特に魚料理が上手い、前菜は本来だと鰊を使うアルザス料理を鯖に替え日本人に合せて軽やか、次のメヌケは皮目を強く火入れして根菜で作ったスープ仕立で供する、それぞれの魚の質に合せた火入れは的確、肉料理は食べた時に強目の酸味を感じたので、「バルサミコですか?」と訊いたのだが、意外にもビネガー系は使わず赤ワインだけだそうで、これだけ酸味を尖らす手法はフランス的だ、デザートも良くなった、カダイフはやはり料理に使うよりデザートに向いた食材だと思う(笑)。

 この内容でこの値段は立派だと思うが、料理長から聞いた話では平日昼の客入りはあまり良くないそうだ、これはこの店だけでなく神楽坂全体の傾向で、ランチタイムで賑わうのは何処も客単価1,000円以下の店、昼食に2~3,000円払う人はごく一部の人気店を除き皆無の現状らしい。帰りに飯田橋駅まで歩いてみたのだが、ランチタイム後という事もあるが、客が入っていたのはパン店と甘味店位で、以前に平日の麻布十番を歩いた時と同じ印象だった。
 飲食店にとって「冬の時代」はまだ続きそうだ、それでも厳しい時代に船出し、将来性が感じられる才能は出来る限り応援したいと思う。
 街を歩いていても280円の牛丼店ばかりでは、「食文化」は決して生れない筈だ。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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