• 2020_07
  • <<
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • >>
  • 2020_09

最後の晩餐にはまだ早い


麻布十番「ビストロ コティディアン」(2020年7月)

 友人の食仲間から「今度、コティディアンへ行くので、ご一緒に如何ですか?」とランチ訪問の誘いを受けた、財布は何時も薄いが時間だけはあるので、喜んで同行する事に。
 前回行ったのは何時だったかとブログを調べたら、去年の7月で一年経っていた、忘れていた訳ではなく一年が早過ぎる。たぶん今中学一年生位の一年間が、私の世代の三ヶ月くらいの間隔ではないかと思う、日々の中身が充実しているか否かの違いで、これを難しく云えば「老人相対性理論」(笑)。
 それは兎も角として、「ビストロ コティディアン」の須藤料理長には今年お子さんが生まれた、今迄サービスを担当していたマダムが産休&育休のため、替わって他店での経験豊富な旧知の大津氏が就任、料理や提供の仕方が変わったのかも気になっていた。
 麻布十番駅は今年3月に「リネディ」へ行って以来で、この間は他者との接触を出来るだけ少なくしようと、乗換え不要な千代田線沿線の店ばかり利用していた気がする。
        200715-1.jpg
 12時半の予約時間に到着、大津氏と須藤料理長に挨拶し窓際席に座る。友人も来て何を食べるか選ぶが、何時の間にかシャンパーニュが用意されていた(笑)。
        200715-2.jpg
 ランチメニュー、昔は当たり前だった「カルトから其の日自分が食べたい料理を選ぶ」行為が少なくなった、今は店が決めた「おまかせメニュー」が主流、シャッターを押せば均一で高画質な写真が撮れる昨今のカメラいやスマホと似ている、でもたまに「選ぶ」をしないと食脳が退化していくばかりの気がする。
 此処へ来ると決まって注文するのが「カスレ」か「シュークルート」だが、今日は少しヒネってみようと、日本ではまず注文しない「牛ハラミのステーキ オニオンビネガーソース」つまり‘Bavette Steak’をメインに、前菜2種を加えて、そしてデセールは定番中の定番をお願いする事にした。
 料理は以下のとおり、

     200715-3.jpg
・ゴールドラッシュの冷製ポタージュ

     200715-4.jpg
・大阪湾 炙りサワラのカルパチョ サラダ仕立て

        200715-5.jpg
・田舎風お肉のパテ

     200715-6.jpg
・牛ハラミのステーキ オニオンビネガーソース

     200715-7.jpg
・その断面

        200715-8.jpg
・ラム酒風味のクレーム・キャラメル

        200715-9.jpg
・エスプレッソ

     200715-10.jpg
・ロッシュ(メレンゲ)

 ゴールドラッシュのポタージュはこの季節の定番、玉蜀黍の甘さだけに頼っていない、食べるスープとして完結した味、食事の最初にこれが出るのは後の料理に期待を持たせる。
 鰆は関西の料理人がよく使う、和歌山の魚商から来たもので安定の美味しさ。トレビスとの相性がいいのを知った、周りのソースの置き方がPARISの高級店でも働いていた須藤流。
 パテ・ド・カンパーニュも定番料理、味わいは以前よりソフトになった気がする、これが父親の優しさか?(笑)。
 メインの「バベットステーキ」を簡単に説明すると、Bavetteとは仏語で「よだれ掛け」で、あれに似た形の牛肉部位を指す、日本では「カイノミ」とも呼ばれるが、フランスではもっと大まかで、カイノミ周辺のバラ肉部分も含めそう呼ぶようだ、日本人が牛肉に求める柔らかさより歯応えがあり、「肉噛んだ、肉汁旨い」が感じられる。フランス人の国民食と云ってよく、日本なら「鯖の塩焼き」みたいなもの、酸味あるソースは醤油の役割。現地では当たり外れがあり、時にこれ靴革ではないか?と思えるものに出会う事もある(笑)。
 今回のバベットは勿論靴ではないが、噛む事で味わいが増し、ソースとの混合により旨さが相乗する、食べるのは何年かぶりだが、東京に居てPARISへの望郷?の想いが募る。
 デザートは「此処へ来たらこれを喰え」的存在、ラムを効かせているのでお子様には無理だが、人生の甘味と苦味を知った大人に味わって欲しい逸品。

 此の店は「PARISの街角にあるようなビストロ」がコンセプトだが、私の知る限りではPARISのビストロで、アルザス地方の郷土料理「シュークルート」と南西地方の「カスレ」が同じカルトに載る店はなかったと思う、在るとしても外国人観光客向けの店だろう、建物2階に在るビストロも珍しい。
 あくまでも「日本人の目で見たPARISのビストロ」だと思う、これは決して悪い意味ではなく、東京で営業する限りは日本人に旨いと思わせないと続かない、その意味で狙いは成功していると思う。そして料理は慈悲深く優しい「お父さん(Mon père)」の味だった。
 若い大津氏のサービスは安心して料理が楽しめる、料理人には彼みたいなスタッフが居てくれれば調理に専念出来るので有難い、マダムと違い相応の給料は払わないといけないが(笑)。
     200715-11.jpg
 調理を終え我々の席に来た須藤氏と色々と話をするが、2011年東日本大震災の直前にオープンした此の店、十年目を迎える年にまたコロナ禍と云う、想像もしていない事態に巻き込まれてしまった。
 店名は仏語の「日常」で、今の時代に上質な日常を提供するのは一番難しい事かも知れないが、厄災を経ても入口のドアノブ同様、此の店はずっと変わらず輝いている、そう思った。

EATPIAの店紹介


  1. [ edit ]
  2. フランス料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0


 管理者にだけ表示を許可する
 


プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
人はそれぞれに「見方、感じ方、考え方」が違います。私が美味と思ってもそう思わない人が居て当然です、味覚とはそれだけ不安定で不完全なもの、あくまでも筆者個人の嗜好による感じ方である事を承知の上で読まれてください。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに赤坂、麻布十番等。
混雑電車が苦手で加齢による朝型人間化のため、ランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

最新トラックバック

訪問者

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2020 08  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -