最後の晩餐にはまだ早い


つけ麺は嫌い?

 私は若い頃「ラーメンフリーク」、今の呼び方なら「ラーメンオタク」だった(笑)、1980年代の第一次ラーメンブームの頃で、荻窪「丸福」、渋谷「喜楽」、池袋「大勝軒」あたりが「東京御三家」と呼ばれていて、どの店も長蛇の列が出来ていた、ただ今になって振り返ると何処も肝心の味はあまり覚えておらず(笑)、長時間並んで食べた事に意義を見出していただけかも知れない(笑)。その中で「大勝軒」だけは麺とスープを分け、蕎麦屋の「もり蕎麦」みたいに冷たい麺を温かいツユに付けて食べる形態のラーメンがあり、私の記憶では「もりそば」と呼んでいたと思う。
 今回ウィキペディアで調べてみたが、それによると現在主に「つけ麺」と呼ばれる物は、その大勝軒の店主が賄い食を転用し、商品化したのが発祥とされている。2000年代になってこの店主の下で働いていた若い人達が独立開業し、東京につけ麺ブームを起こしたと記してある、それが現在も続いていて、今では「大つけ麺博」なるイベントまで開催されている。

 私は長い間この「つけ麺」が好きではなかった、スープ麺と両方メニューに置いてある店ではまず注文しなかった、東京下町で育った人間にとって、子供の頃から「ラーメンはスープに浸かった麺を丼で食べる物」と云う刷り込みが出来てしまっていたからで、どうも冷たい中華麺には抵抗があった、その大勝軒で食べてみても何やら魚臭いスープが気になり、あまり馴染めなかった。
 その私が最近よく「つけ麺」を食べる様になった、理由は年齢を重ねスープ麺の脂の強さが苦手になって来たのと、年々酷暑が続く東京の夏には、スープ麺よりつけ麺の方が断然食べ易いからだ。
 ただ、もう昔みたいに電車に乗ってまでは食べに行かない、よく行くのは我家から歩いて行ける距離にある「わた井」という小さな店、つけ麺好きには知られていて、結構遠くからの客も来ている、若い店主夫婦二人で切り盛りしていて、国産小麦による自家製麺が特徴だ、確かにつけ麺の命である麺は美味しい、ノーマルなつけ麺(この店では「つけそば」と呼んでいるが)は650円、夜ならまず並ばずに食べられるのも有難い。

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 専門店では無いが、最近食べてみて感心したのが、日清食品で製造販売している冷凍麺の「日清太麺堂々つけ麺」シリーズ。

 醤油味の黒ラベル「濃厚魚介豚骨醤油」味
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 辛味噌味の赤ラベル「辛味噌坦々」味
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 最初は「冷凍麺?」と馬鹿にしていたが、たまたま安売りしていたのを買って半信半疑で試してみた処、意外な程に美味しかった(笑)、特に麺の仕上げはいい出来で、買ったのは一人前約150円だが、この値段でこれが売られていたら、街場のラーメン店の脅威になるレベルだと思った。
 業界に詳しい人に聞いた話だが、今は調理師学校や製菓学校を卒業しても、不安定な街場の個人店には勤めず、企業の商品開発部門等に就職する学生が増えているとの事だ、長引く不況はこんな現象を生んでしまっている。専門教育を積んだ優秀な人材が企業の潤沢な資金を使い商品開発に取り組んだら、街場の個人店はなかなか対抗出来ない、ユーザーとしては安価で美味しい物が食べられるのなら嬉しいが、その背後にあるものを考えると喜んでばかりもいられない。
 日本のラーメン&つけ麺を称賛する外国人は多い、年々経済が閉塞し輸出が先細りするこの国で、少なくなった「誇れる物」の一つと言えるかも知れない(笑)。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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