最後の晩餐にはまだ早い


札幌・西28丁目「ラ・ブランシュール」(2012札幌食べ続け④)

 札幌在住の友人と地下鉄の出口で待ち合せ、この夜に伺ったのは、円山公園近くアメリカ領事館向いのビル内に一昨年開店したフランス料理「ラ・ブランシュール」、初訪問になるが今回の札幌旅行では一番楽しみにしていた店だ。
 料理長は中本泰弘氏、「シェ・イノ」で井上旭氏の下で学んだ後渡仏、吉野建氏の「ステラマリス」、「エレーヌ・ダローズ」等で働いた後に札幌「コートドール」の料理長に就任、この店が三田「コートドール」と姉妹店だった事から、斉須政雄氏とも一緒に仕事をしている、つまり井上、吉野、斉須と日本のフランス料理を語る上で外す事の出来ない重鎮3人と仕事をした経歴を持つ料理人だ。
 私は今から5年前、彼が札幌コートドールの料理長だった時代に料理を体験している、その時の印象では、中庸で尖った処はないが、確かな技術を持っていて安定して美味しかった記憶があった、ただムニュ全体的には、何でも「詰め込み過ぎ」な気もしたので、この辺りが年齢と共にオーナーシェフとなり、どう変わっているのか知りたかった。

 店がある場所はひらまつグループの「ル・バルエンタル」からも近いが、夜になると人通りは少なく寂しい感じがする、札幌は殆ど車で移動するからだろうか、街中を歩いている人はススキノ界隈を除くと少ない。店は新しいビルの3階にあるが、ビル自体も店も名前のとおり「白」が基調色になっている、最近の東京では黒色の店内装飾が流行しているが、個人的には白い方が好みだ(笑)。

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 我々を迎えてくれたのが接客を担当する美しいマダム、この人肌がすごく綺麗(笑)、北国美人の典型で色が抜ける程に白く「羽二重餅」みたいに艶やか、おっとりとした口調で話すので、十二単の着物を着せたら「王朝絵巻」になりそうな雰囲気(笑)、元フラワーデザイナーと聞くが店内装飾は彼女のセンスなのだろう見事なものだった。
 シャンパーニュを飲みながら説明を聞いた8,400円のムニュは、

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・イカとコリンキー(南瓜の一種)のマリネ

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・フォアグラのテリーヌ、フランボワーズのピュレ

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・キタアカリのヴルーテ

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・ノドグロのポワレ、春菊のソース

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・栃木産仔猪のロティ、ジロールとトランペット茸、ニンニクのピュレ

・プレデセール(グラスに入れたブランマンジェ?)

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・タルトタタン、バニラのアイスクリーム

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・ミニャルディーズ

・ルイボスティー

 美味しかったが要素を盛り込み過ぎだった5年前のコートドール時代より、皿の上から余計な物が減り、全体的にシンプルで且つピュアな料理になったと感じた。この「皿から物を減らす」というのは、料理人にとっては勇気が要る事らしい、若い時は気力も体力も充実しているので、ガルニやソース類を必要以上に皿に載せがちだ、年齢を重ねて「引き算」を覚えるとそれが少なくなっていく、そして行き着く先は全ての贅肉を削ぎ落した料理、例えば現在の斉須政雄氏の料理はこの領域に入っていると思う。
 中でも特に感心したのはキタアカリのヴルーテとノドグロのポワレ、少ない要素から美味しさを抽出するテクニックは、前述の三大巨匠?の中では、特に斉須氏の手法を受け継いでいると感じた。
 食後、我々の席に挨拶に出て来た中本料理長と話をしたが、年齢を重ねたのもあるが(そう言っても、まだ40歳位の筈)、顔付きはコートドール時代に比べると穏やかになり、肩の力が抜けて自然体になったと感じた、先日来札して札幌コートドールでフェアを開催した斉須氏の話題等で盛り上がってしまった(笑)。

 ここはバランスの取れたいい店だ、インテリアも素敵だし、ちょっと「隠れ家」的な雰囲気もあるので、大切な人と二人で来る時などに是非お薦めしたい、勿論この日みたいに男同士でも充分楽しめますが(笑)。
 札幌の若手料理人の層の厚さと実力は凄いと思う、あえて言えばそれに客の方がまだ追い付いていないかも知れない(笑)。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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