最後の晩餐にはまだ早い


青山「フロリレージュ」(11月)

 この日は毎回楽しみな青山「フロリレージュ」でのランチ、2ヶ月前に休暇を取って予約の電話、2ヶ月後に再び休暇を貰って本番というパターンが定着した(笑)、でもそこまでして利用したいと思うのはこの店位であり、私は決して予約競争マニアではない(笑)、「予約の取れない店」は出来るだけ敬遠し、「まだ人に知られていない店」を発掘?する方が好きなので、他の人が行っている有名レストランは、あまり利用していないと思う、この店が例外なのは毎回料理に新鮮な驚きがあるのと、特にランチでのキャリテ・プリの高さに感心しているからだ。

 予約時間の12時丁度に入店、この日は珍しくかなり年配の女子会四人組が利用していて、若い人が多いこの店ではちょっと浮いていた、でもその次は多分私の席だろうから、女子会が奥の個室でその反対側の壁際が私達、真中を若い客にしたのは王道の席配置だと思う(笑)、私が店側の人間でもそうする。隣席の3人組は食業界の人だろうか、どう見ても「堅気」の雰囲気ではなかった(笑)。
 ランチは4,200円のプリフィクスで、隣席がそうだったがあらかじめお願いすれば、更に料理をプラスする事も可能みたいだが、この日も通常メニューから選ぶ事に、

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・アミューズ(オリーブのパン・これは毎回同じ)

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・和歌山産足長海老とセップのソテー

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・本日の内臓料理(アンドゥイエット、蕪と芽蕪)

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・同 二皿目(牛シビレ、ブーダンノワール)

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・パイナップル風味のリ・オ・レ、ショコラムース、ショコラの卵、コーヒーソース

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・卵の格納庫?(絵はスタッフが描いたそうだ)

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・ミニャルディーズ(ホオズキのパート・ド・フリュイ)

 前菜は四品、メインは三品からの選択、メインの肉料理はシャラン鴨か内臓料理かで迷ったが、シャラン鴨は美味しいのは認めるが、どうしても養殖のハマチみたいな「作り物」の印象があって、ここはあえて他の人が殆ど頼んでいないアンドゥイエットにしてみた(笑)、それにしても他店ならまず追加料金のシャラン鴨を同料金で提供するのは立派だ。
 足長海老の身はブリブリした新鮮な食感、そこへ泡状のソースが絡み、極薄に切ったセップ茸が良いアクセントになっている、頭がベニエになって付いていて、サービスが「お好きでしたら食べてください」と言ったが、勿論全部食べた(笑)。
 アンドゥイエットは内臓を荒挽きにして食感を残し、豚バラ肉で包んだもの、想像していたよりずっと繊細で食べ易く、これは日本人料理人ならではの料理だ、ガルニの蕪グラッセとの相性も抜群。肉料理二皿目は牛シビレ、シビレとは胸腺&膵臓で仔牛なら「リー・ド・ヴォー」になる部位、これを軽く焼いてブーダンノワールをソースにして食べる、こう書くとコテコテの料理になる気もするが、あくまでも軽く仕上げるのがこの料理人の優れたセンスだ。
 そしてこの店の特徴でもあるのがデセールの美味しさで、これは都内のレストランでも出色、専任のパティシェはおらず料理人が知恵を出し合って作るそうだが、この日選んだのは、「玉子かけご飯」をイメージしたと云う、米を使った「リ・オ・レ」、フランス流の作り方だと重くなるので、この店は色々試してみた結果、パイナップルのピュレを混ぜ酸味を加えているとの事、アイディアと遊び心満載でそれでいて食べて美味しいと云う、ありそうでなかなか無い美味しさだった。そして毎回思う事だが、駒場東大「ル・ルソール」のパンは料理との相乗効果が素晴らしい。

 この内容をランチとしても4,200円で提供されたら、周囲の店は大迷惑だろう、私がフランス料理の料理人ならこの店の近くでは営業したくない(笑)。サービスも過不足なく快適、欠点が見つからない店だが、あえて言えば和食器みたいなプレートが個人的にはあまり好きでは無い事と、店の責任ではないが「予約の取り難さ」か。
 この若い料理人には、ショパン本人の演奏を聴いたシューマンが言った有名な言葉、「諸君、脱帽したまえ、天才だ!」と降参するしかない(笑)。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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