最後の晩餐にはまだ早い


南青山「MAMA」(2016年5月)

 昨年9月に或る食事会で利用したのが、南青山のレストラン「MAMA」、フレンチ高級店出身の料理人とワインに精通したオーナー2人が作った、箸を使い日本茶も出す新しいタイプのレストランだが、今年からランチ営業を始めたと知って、行きたいと思いながら、我家から遠方な事もあってなかなか伺えないでいた。
 4月から昼の自由時間が大幅に増え(笑)、やっと訪れる事が出来た、前回利用からもう半年以上経っている。東京は行ってみたい店が多過ぎで、一度訪れた店に「また行きたい」と思いながらも、再訪出来ないでいる店が増えて行くばかりだ(笑)。
 前回は夜暗くなってから行き、表参道駅周辺の賑わいから10分歩いただけで、随分寂しい場所にあるなと思ったが、今回は昼で車の往来も多く界隈の雰囲気もかなり違う、そのため店を何時の間にか通り過ぎていた、「こんな下り坂の道だったかな?」と後ろを振り向いたら、店らしき入口が見えた(笑)。

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 エントランスには特設のベンチ、そこにはランチメニューの案内と、一周年を迎えた店からの挨拶があった。
 入店後、オーナーの平垣内氏に挨拶しカウンターに座る、前回この場所は左右から座れる大テーブルだったが、通常はカウンター席として使用している。奥では年配の男性二人が食事中、偶然かも知れないがこの日のランチ客は私も含めて全員男性だった。

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 本山 賢司氏のイラストみたいな絵心あるメニュー、ランチはカレーライス(税込800円)からあり、1,200円の「日替わり定食」は「そぼろ丼」との事、迷ったが事前に調べて「今日はこれ食べたい」と思っていた、「イベリコ豚のとんかつ定食」(2,200円)、これをお願いする事にした。店のWEBページでは「スペシャリテのイベリコ豚の天使の羽根を使用 、肩甲骨のあたりの部位で一頭から約500グラムほどしか取れない希少部位。 やわらかくて味のある部位は、豚肉の域を超えてます。」と説明がある。

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まずは小鉢が出て来るのだが、これはどう見ても通常のバージョンより品数が増えている(笑)、平垣内氏が私の退職を知り配慮してくれたみたいだ、内訳は右上より時計回りで、 
・グリーンサラダ
・アスパラと蕪のマリネ
・キャロットラペ、クルミ
・富士宮サーモンのマリネ
・マカロニサラダ
・白アスパラのヴルーテ
 料理人の市村氏はフランス料理出身ながら、バターやクリーム類を殆ど使わず、店名のとおりに素材の持ち味を「そのまま」出す事を心がけているそうだ、それは食べて理解出来るし、何気ないグリーンサラダやマカロニサラダでも、「これはプロが作った味だ」と納得させる。

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・イベリコ豚のとんかつ定食
 一周年記念で、この他にカダイフによるエビフライが付いたが画像撮り忘れ(笑)。

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・イベリコ出汁の豚汁

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・ご飯(栃木米)

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・ファーブルトンを使ったパフェ
 実はもう一品あったが、個人的事情により割愛させてもらう(笑)。

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・素敵なカップに入ったコーヒー

 コーヒーは記念日サービス、デザートも本来品よりバージョンUPしている、もし同じ物が食べたかったら、事前に要相談です(笑)。
 イベリコ豚は別名「プルマ」、日本だと「かぶり」と呼ぶ部位で、前回はローストだったが、揚げるとまた違った味わいになる、個人的にはこちらの方が好み。ロース部分に比べて肉自体に味と香りがあり、噛むと肉汁が湧いて舌を刺激する。
 そして「定食」の基本であるご飯と豚汁が美味しい、料理長の出身地である栃木米だそうで、多めに炊いて炊き加減のいい部分を提供している、イベリコ豚風味の豚汁は絶品、これとご飯だけでも充分満足出来ると思う(笑)。
 デザートも良かった、平垣内&市村両氏共に甘い物好きみたいなので、「何か出せばいいだろう」で作ったものでは決してない(笑)。

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 この店の近くに引っ越して来たくなった(笑)、料理だけでなく店のインテリアや食器類も洗練され、とても居心地がよく落ち着く、二人が以前働いていた店は何度か利用したが、銀行のロビーで食事しているみたいで、料理はともかく雰囲気はどうも好きになれなかった。
 稲荷町の「キエチュード」が「女性が来たくなる店」なら、此処は「男性が来たくなる店」だと思った(笑)。私もリタイア世代になって、街中に高齢男性の居場所が本当に少ないと感じている、パチンコ店しかない(笑)。これから超高齢化社会を迎えるこの国において、カレーライス一杯でも落ち着いて食事出来る場所があるのは嬉しいし、これからもっと増えて欲しいと願う。

 平垣内&市村さん、美味しく心温まる午後になりました、我家から往復560円かかりますが(笑)、それでもまた伺いたいと思います、ありがとうございました。


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御徒町「山家 御徒町店」

 ここ十年位の傾向だと思うが、街中から単一品提供の専門店が次々と姿を消したと感じている、蕎麦屋、鰻屋、天麩羅屋、とんかつ屋等だが、昔なら町内には必ずそれぞれ一軒はあったものだ。ずっと下町住まいだった我家は、こうした店へ食べに行くだけでなく、出前を頼む事が多かった、今では見る事もなくなった「おかもち」を下げた店のお兄さんがやって来るのを、子供の私は今か今かと待っていたものだ(笑)。
 店が消えていく理由は、店主の高齢化、後継者や従業員不足、ファミレスやコンビニの台頭等が考えられるが、単身世帯が増えてライフスタイルや好みが多様化しているのも大きい、コンビニへ行けば自分の好きな弁当とデザート、飲料を買っても千円前後だ、それが24時間何時でも可能となると、個人飲食店がまともに対抗するのは難しい、ラーメン専門店だけは昔より増えているが、これは一人でも利用しやすいのが大きいと思う。

 上野に「御三家」と呼ばれるとんかつ専門店があったが、そのうち「双葉」が2012年に閉店してしまった、それと入れ替わる様に出来たのが、これから紹介する「山家(やまべ)」だ。
 上野近辺には2店「山家」があり、先に出来たのが御徒町店で、翌年上野・御徒町駅間に上野店が開業している、更に言うと先行して両国に「いちかつ」が開業していて、この3店が姉妹店との事だ。
 この店がすぐ人気店になったのは価格で、ロースかつ定食が700円(税込)と云う「価格破壊的」な品書で有名になった。因みに前述の「御三家」ではとんかつ一人前が2,000~4,000円、「山家」グループはフランス料理なら「俺のフレンチ」的存在かも知れない(笑)。

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 私は勤め帰りに御徒町店の前を何度も通っていたが、いつも満席で席待ちの客が並んでいた事もあり、利用を見送っていた。
 この日近くのアメ横にコーヒーを買いに行き、何処かでランチを食べようと思った時に思い付いたのが山家だった、時間は開店時刻の11時少し前、店の前まで行ったら既に数人が並んで開店を待っている、でも今なら一回転目なので席待ちしないと、彼等の後ろに並ぶ事に、店前の看板には「ロースかつ定食 七五〇円」と書かれてあり、開店時より50円上がったが、それでも安い。
(画像は食事後に撮ったもので、店内には席待ち客が居る)
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 11時になり店のシャッターが開き入店、客は奥の席から詰めて座るよう指示される、カウンターだけの18席だが、次々と来客があり11時15分には全席埋まり、その後に来た客はカウンター後ろの椅子で待つ事になる。

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 メニューは木札に書かれた6種類、通常のロースか上ロースにするかで迷うが、次は何時来られるか判らないので、「上ロースかつ定食」(税込1,200円)をお願いした。

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 まずは冷たいお茶とお新香、揚げ手は中年男性が1人で担当、あとは女性2人と後から加わった若い男性が1人、計4人で対応する。
 とんかつは大体3~4人前ずつ揚げている、油から上げても油切れが終わるまでは包丁を入れないのはさすがだ。

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 箸は共有の洗い箸、これは個人的に賛成(笑)。

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 入店後20分位で私のとんかつが出来上がって来た、まずはご飯からだが量が多い(笑)、他店なら十分「大盛り」になる筈。

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 具が見えないが、これは「しじみ汁」。

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 そしてお待ちかねの上ロースかつ、皿に載るのは山盛りのキャベツと辛子だけ。

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 断面、微かにピンク色で見ただけで「これは旨いだろう」と脳が反応し、唾液が湧いてくる(笑)。
 
 まずは何も付けずに味わってみる、上ロースは国産豚使用とWEB情報にあったが、肉汁が逃げずジューシーさがある、歯応えも堅過ぎず柔らか過ぎずで、肉の質も良いが揚げの技術が絶妙、揚げ油も新しいからか酸化臭を一切感じさせない。
 続いてソースをかけて味わう、あえて言えばこのソースが少々濃すぎで私好みではなかったか、でもご飯と食べる時はソース必須だと思う、そのご飯やしじみ汁も文句なく上質だった。
 あっと言う間に完食しました(笑)、美味しいし何よりこのクオリティで税込1,200円は安い、他店なら1,600~2,500円は黙って取るだろう。
 後ろに席待ちの客がいるので、食後は代金払ってすぐ出て行く雰囲気なのは仕方のない処、これを忙しないと感じる客は別の店へ行った方がいい。
 此処はまた来たいが、行列に並ぶのは苦手なので、この日みたいに開店直後が狙い目、次もその時間に合わせて来るつもりだ(笑)。



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水道橋「菩提樹」

 JR水道橋駅から歩いて5分の場所にある「菩提樹」は、以前ブログ記事にした、近くの「水道橋かつ吉」の姉妹店にあたる、開業は1882年10月なので、今年で34年目になる老舗だ。
 元々「かつ吉」はとんかつ中心、「菩提樹」はステーキ・ハンバーグ等洋食的なメニューを提供するのがコンセプトで、内装などもそうした雰囲気を出しているが、最近は共通するメニューも多く、あまり違いは感じなくなっている。
 私は長年勤めた職場が近いので、この店には数多く通った、昼時が多かったが職場の宴会も此処で開いた事がある。エリア的には他店だと800円前後でランチが食べられるが、この店では1,000~2,000円位の支払いになるので、給料日後や誰かの誕生日を祝う等のランチ会での利用が多かった。
 その店だが、数年前にランチ時に利用した時に、食べてみて「?」と思う程に、雑な料理が出てきた事があって、以降は足が遠のいていたのだが、FBでこの店を褒める書き込みを読んだ事もあり、久しぶりに訪れてみた。

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 店の場所は水道橋駅から白山通りを北上、左手に東京ドームラクーアの遊戯施設がある道を挟んで向かい側、都営地下鉄三田線水槽橋駅の出入口近くの地下にある。

 階段を降りると裸婦の大理石像が置いてあり、ちょっとドキリとする(笑)、右手にある入口ドアを開けると、想像以上の広い店内、座敷も含めると104席もあるそうだ。随所に骨董品が並ぶのは「かつ吉」同様で、これらは先代社長の収集品と聞く。
 入口で人数を告げると、席の準備が出来るまで待合?で座って待つのも「かつ吉」と同じやり方、暫くして案内されたのは、店内中央にある大きな円卓。13時頃の入店だったが、ほぼ満席で座敷では妙齢の女性グループが、古の女子会ランチを開催中(笑)、この店を普段使い出来るのは、それなりに高収入な人達だと思う。

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 席に着くと、眼の前には巨大なメニューが置かれている、これもグループ共通だ。

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 あらかじめ漬物が置かれているのも同じ、この日は蕪の漬物、沢庵、キムチだった、これはお替わり自由だそうだ。
 何を注文するか迷うが、「和牛ハンバーグ」は売切れとの事で、「ロースかつ定食」(税込1,630円)に決めた、「かつ吉」のランチメニューにはロースかつがなく、昼夜共通のメニューから注文になるので、少しお得値段になる(笑)。

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 木の器に入ったサラダ、料理が来るまではこれと漬物で間を繋ぐ、キャベツ&レタス中心だが、ドレッシングが美味しいのでお替わりしてしまった。

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 そして運ばれて来たのがロースかつ、120g位だろうか?小さ目なのはランチメニューのため、見た目は白っぽい衣で、低温で時間をかけて揚げるタイプ、このグループに共通するし、秋葉原「丸五」や金町「喝」みたいに、かつ吉を経て独立した店のとんかつも同じだ、肉の中心は僅かにピンク色が残る。
 まず何も付けずに食べてみるが、肉汁と肉の旨味と甘味がやってくる、堅過ぎず柔らか過ぎない歯応えがいい、通常平田牧場の三元豚を使っていると聞いたが、おそらく熟成も少しかけていると思う。とんかつフリークは「とんかつは塩だ」説が多いが、たしかに肉の味だけ感じるには塩がいいが、ご飯と食べるにはちょっとストイック過ぎるかも(笑)、この店のソースは甘口だが、とんかつとの相性はいい。

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 グループ共通の青紫蘇ごはん、白御飯も選べるが、このグループならではの物なので、紫蘇が嫌いでなければこのご飯を注文したい、米の質、炊き方は申し分ない。

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 赤出汁味噌汁が美味しいのもこの店の特徴、昔はこれに伊勢海老の頭が入っていた時期もあったが、食材料高騰の現在は普通の赤出汁(笑)、それでも八丁味噌の渋み酸味を生かして充分美味しい、飯と赤出汁はお替わり自由だ。

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 さすがに看板メニューのとんかつだけあって美味しかった、「老舗の貫録」を知らされた気がする、食べ終わり14時近くになっても店内は満員、これがこの店の評価を何より物語っている、例えネットサイトの点数が高くても、客が来なければ如何し様もない。サービスの女性陣は皆感じが良く、これなら「また来てみたい」と思わせる。
 「名店」とは名声に奢れる事無く、常に軌道修正しながら高いレベルを維持出来るから名店であり続けるのだろう、以前の美味しさが確認出来て安心した。
  


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西片「レストラン・ツムラ」

 この洋食店を知ったのは偶然で、言問通りに並んでいて、ブログにも取り上げた「石井いり豆店」で買い物をした時、隣にある洒落た店舗に気付いて、最初は「喫茶店かな?」と思ったのだが、気になって後で店名をWEBで調べたら、「食べログ」にも掲載され、洋食特にオムライスが有名な店だと云うのを知った。2011年に開店し、店主は銀座にあった老舗洋食店「キャンドル」で働いていたとの情報だ。
 行ってみたかったのだが、昼休みに職場から往復するのは微妙な距離で、しばらく見送っていた、ある日上手い具合にこの近くに仕事の用事が出来たので、寄ってみる事にした。
 今は昔と違いWEB上で店の様子やメニュー等を、ある程度知る事が出来るからありがたい、長く経験を積んでも、初めての店へ入るのは結構緊張するものだ(笑)。

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 扉を開けると右側に椅子が8席、左には手前と奥に別れて8席の合計16席、右手奥に厨房がありカウンター席はない様子、店内は女性が一人で担当しているが、店主の奥さんだろうか?右側手前の席に座ってメニューを拝見する。

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 ランチメニューは三種でハンバーグが二種類でポークジンジャーは売切れ、別にスペシャリテのオムライスが二種類で、他はマカロニグラタンだった。この日はオムライスを食べようと決めていたので、他メニューは割愛(笑)、「とろとろ卵のオムライス(ケチャップ)」(1,080円)か「特製オムライス(特製デミグラソース)」(1,300円)のどちらにしようか悩む(笑)。有名なのは後者の方みたいだが、結局「平日ランチ限定」の言葉と値段の安さに惹かれ(笑)、前者を注文する事にした。

 13時過ぎだったが店内は8割の入り、利用客は殆どリピーターみたいで、隣席は話の内容から近くの東大の教授と助手?だろうか、ミニスカート姿の若い女性はなかなか美人だったので、ついSTAP細胞騒動を連想してしまったが、発想が週刊誌的だ(笑)。

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 まず運ばれて来たのが、サラダかスープかの選択で頼んだ「人参スープ」、キャセロールみたいな器に入っているが、熱々にしている訳では無い、味はポタージュみたいには濃くなくサラっとしていて、人参の香りと味が感じられ美味しかった、スタートには最適。

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 暫くして登場したのが「とろとろ卵のオムライス」、上にかかったケチャップの飾りを見て丁寧な作業が判る、それ故に多少時間がかかるのは仕方ない事か。俗に言う「逆さオムライス」の作り方だ、一口食べると卵の柔らかさと、中のチチンライスの旨味、甘味、酸味が一体となる、これはプロの作ったオムライスだ(笑)、私自身も残りご飯で作る事あるが、当然の事ながらレベルが違いすぎる(笑)。
 メニューの説明欄に「ブイヨンで炊き上げたチキンライスをとろとろ卵で~」とあったが、このチキンライスが何より美味しい、中の具は鶏肉と玉ねぎだけだと思うが、鶏肉が大きく切ってありゴロンと入っている、これが効いていると感じた、たしか吉兆主人の故湯木貞一が「材料は包丁を入れる程、味が悪くなります」と、料理人としては逆説的な事を書いていたが、この鶏肉は大きく切った事で鶏本来の旨味が逃げていない。オムライスは卵の焼き方や包み方が話題になるが、大事なのは中身だと云うのを認識させてくれる。

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 久しぶりに美味しいオムライスを食べる事が出来た、この次はデミグラソースのオムライスも試してみたいと思う。セットに付いたコーヒーも、味は薄めながらキチンと淹れたもので、決して「おまけ」ではなかった(笑)。
 店内を見渡すと内装などは結構お金をかけている、器もそれ程高級品ではないが、上質で好感の持てる物だった。

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 この店がある西片は高級住宅地が控えているので、店構えもそれなりにしないとお客を呼べないかも知れない、ただ以前民家を改築した高級フランス料理店があったが、長続きしなかった、難しい地域だと思うが何とかこの地で続いて欲しいものだ。
 店を出たら店前には「材料がなくなったので、ランチは終了します」の貼り紙があった、自分達の出来る範囲の仕事をして、キャパシティを超えたくないのだろう、これにはかえって好感を持った(笑)。
 注文毎に丁寧に作っているみたいで、料理を待たされる事はありそうだが、それを承知の上でまた訪れてみたい店だと思う。


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竹ノ塚「洋食かちゃくり」※閉店されました

 たまたまWEB情報で知ったのが、昨年2月にオープンした、足立区内竹ノ塚駅近くの「洋食かちゃくり」、料理画像を見ていて「良さそうじゃないか?」と訴えるものを感じたので、天気も良く風もなかったこの日の昼に、我家から自転車を飛ばして行ってみる事にした。
 変わった店名は、厨房でコックさん達が使う言葉だそうで、フライパン等の中にある肉等をひっくり返す作業の事、「おい、それをかちゃくってくれ」みたいに使うらしい。WEB情報では、店主は何処かのホテル内厨房でフランス料理を作っていて、独立に際し地元の足立区で洋食店を選んだとある。
 店の場所は、東武伊勢崎線(スカイツリーライン)竹ノ塚駅東口を出て北へ向かい、都営アパートの並ぶ住宅地にある、ちょっと判り難いが、店の裏側には塩ラーメンで有名な店や、近くには「シロノワール」で有名な「コメダ珈琲店」もある。

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 店の外装に木をデッキ状に縦に並べ、フライパンに「か」の字を入れたシンボルマークが面白い(笑)。

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 入口は中が見えず、ちょっと入り難い雰囲気だったが、思い切って中に入ってみた、11時半の開店直後ながら、既に2組着席していて、店主の奥様と思しき女性に、一人である事を告げると、「こちらでどうぞ」と、入口側の2人掛け席に案内された。店内は思っていたより小さい、カウンター席はなく椅子席だけで10席、一部ベンチシートなので詰めてもあと1席位か、奥が厨房で店主らしき中年男性が一人で料理を作っている、開店してまだ1年なので店内は綺麗だが、内装等はわりと簡素な造りだ。

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 卓上にあったランチメニューには「本日のランチ」が2種類、他に単品料理が数種あった。見ていて気になったのが「スペシアル」(1,500円)の文字、フランス語風発音表記だ(笑)。サービス担当の奥さんに「これは、どんな料理ですか?」と訊いてみたら、「海老フライ、唐揚、コロッケ等を一皿に盛ってあり、『大人のお子様ランチ』みたいなものです。」との答えだった、「大人のお子様ランチ」の言葉に反応してしまい、思わず「それ、お願いします」と云ってしまった(笑)。

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 まず運ばれて来たのが、温かいトマトのスープ、少し白っぽいので牛乳を加えてある?油脂分や塩気が強くなく優しい味でホッとする美味しさだった。
 このあと少し待つ事になるが、やがて登場したのが、この「大人のお子様ランチ」、ちゃんと店名を書いた旗が立っていた(笑)。

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 旗を外した皿は、右からハンバーグ&ドミグラスソース、鶏の唐揚、シラスのコロッケ、海老フライ、ハラミステーキ、付合せはレタスと人参、大麦のサラダだった。

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 まずは洋食店の基本とも言えるハンバーグから食べてみるが、小さ目ながら練り肉の美味しさと丁寧に作ったドミグラスソースは好印象、洋食店はこのドミグラスソースと、魚介フライに添えるタルタルが駄目だったら如何し様もない、その点ではこの店は合格だ(笑)。
 鶏唐揚、珍しいシラスを使ったコロッケ、海老フライもキチンとした下仕事が感じられるいい出来、ハラミステーキも悪くはないが、他とのバランスでこれはなくても良かったか(笑)、付け合せの麦サラダが秀逸だった。洋食店はご飯も大事だが、この店のご飯は質も炊き方もいい。

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 これで終わりかと思ったら、コーヒーカップに入ったミニデザートとコーヒーが付いてきた、低廉なランチでもこれを付けるのは、フレンチ出身料理人の意地みたいに感じた(笑)、客にとっては嬉しいサービスだ、この日は練乳と苺を使ったものだった。

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 この内容で1,500円、値段を考えればそんなにいい食材は使えない筈だが、十分満足できる内容で、料理人の確かな技術と経験を感じさせてくれた。店内は何時の間にか満席になり、その後も客がやって来たのだが、食事を終えた先客が自発的に席を空けた、こうした処が下町ならではと思う(笑)、私以外はリピート客みたいに見えた。
 実はこの日、店を探すのに道を迷ってしまい、入店時に奥さんに「道に迷いました」と告げていたのだが、退店する時に「この次は迷わないで来られますよ」と云われてしまった、でもこうした親しみを感じさせる一言はいいなと思う(笑)。

 独立するに際し、都心ではなく自らの地元を選び、これから地域に密着して続けて行こうとするのは、同じ区民として嬉しいし、夫婦二人だけで回せる小規模な店にしたのは、今の時代を考えると賛成だ、我家からだとちょっと距離はあるが、また来てみたい店だと思った(笑)。 


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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