最後の晩餐にはまだ早い


神田須田町「雲林坊 秋葉原店」(2016年7月)

 TVの影響か、サラリーマンの昼飯を略して「サラメシ」と呼ぶのがブームみたいだが、以前から食業界関係では、フレンチ、イタリアン、スパニッシュ、最近はノルディックも加え?これらを総称して俗に「ヨコメシ」と呼んでいた、これはメニューを横書きするのでそう呼ぶと聞いた、和食や中国料理は縦書きなので「タテメシ」になる。
 これは私だけではないと思うが、夏、特に8月前半の酷暑時期はヨコメシ指数がどうしても落ちる、外へ行く事自体も億劫になるが、もし外食となってもヨコメシ以外を選びがちだ、私の場合食べたくなるのが刺激味系(笑)、インド・ネパール系や中国四川系の料理で、日本、特に都市部の夏は、インドベンガル地方や四川省級の過酷な暑さなのかも知れない(笑)。

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 この日、ヨドバシアキバに用があり、ついでに何処かで簡単にランチを食べようと思ったが、秋葉原はマニア系とラーメンとカレーの聖地(笑)、店が多過ぎてかえって選ぶのに迷ってしまう。
 結局決めたのは、既訪問店である須田町の担担麺専門店「雲林坊」、此処も一年以上ご無沙汰していた。神田「やぶそば」の向かいにある四川料理「雲林」の支店で、九段、秋葉原に加え、昨年日本橋室町にも同名の系列店を開業した。

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 須田町界隈ではランチの人気店、昼休み前に入るつもりで開店直後に行ったのだが、既に先客が3名、私の後も次々と来客があり満席に、食べ終わる頃には席待ち客まで並んでいた、皆私同様に「酷暑を乗り切るには何より辛味」と考えているのかも?(笑)。
 食券方式なので先に食べる物を決めるが、この日は汁あり担担麺に、今迄食べていなかった麻婆豆腐丼(小)が付いたセット(1,150円)に決めた、刺激+炭水化物のダブル攻めだ(笑)、カウンター奥に座り食券を出して暫し待つ事に。

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 卓上には共有の洗い箸を納めた抽斗と上にレンゲを入れた同サイズの小籠、亀有の「炎真」も同じスタイルだが、省スペース仕様でいいやり方だと思う。

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 「スープへのこだわり」、こうした蘊蓄表示はやり過ぎると客が白けるが、頭上の目立たない場所なので、あまり気にならない(笑)。

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 そして登場したのが汁あり担担麺、スープを一口飲むと「そうそう、この味」と記憶が蘇る(笑)、唐辛子の辛味がキリッと効いた刺激系、スープのベースがしっかりしているので辛さだけが尖っていない、麺は中太のストレート系、全粒粉が入っているのか歯応えと香りが良く、唐辛子スープの強さに負けていない。他店でも刺激味系の担担麺を食べて来たが、スープに麺が負けている場合が多かった、この担担麺はいいバランスだ。

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 続いて小麻婆豆腐丼、店では「陳麻婆豆腐」を名乗っているが、陳健民の四川飯店系なのか、四川成都にある「陳麻婆豆腐店」の名から取ったのかは不明。

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 丼に付く和え物

 麻婆豆腐を食べると山椒の香りが鼻腔に抜け痺れ感が舌を刺激する、日本的に柔らかくしていない、片栗粉のトロミは殆ど付けずスープカレーみたいな緩さ、ご飯に対し汁が多い「つゆだく」状態で、もう少しご飯が欲しくなる(笑)。
 麻婆豆腐丼としては刺激があって美味しいが、担担麺と同時に食べると、辛さと痺れ感の質が違うので、味が打ち消し合う感じもした。あくまでも個人的感想だが、麻婆豆腐が食べたいなら単体で、担担麺にご飯が欲しかったら通常の白ご飯の方が合うと思った。
 辛さと痺れのダブルパンチは結構効いたが(笑)、暑く高湿度な夏に弱りがちな胃腸を鼓舞するには向いていると思う、気候と食べ物には関連性がある。

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 帰りはこの界隈に僅かに残る「看板建築」を見る事に、関東大震災後に建てられた、建物前面を銅板やモルタルで洋風に装飾し、中身は木造日本家屋の建築様式の事で、この「海老原商店」は1928年(昭和3年)の建築、戦時中も空襲被害に遭わなかったのでそのまま残った。昭和・平成を生きた建物は見るだけならとても味があるが、この古さではやがて消えゆく運命だろう、見ておくなら今のうちかも知れない。

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 暑い中歩いていたら辛味効果が効き冷たい物が欲しくなり、セブンイレブンに入って「まるでマンゴーを冷凍したような食感のアイスバー」(140円)を買ってしまった、これを舐めながら隣の御徒町まで歩いたが、すれ違った人にはきっと「変な親父だ」と思われた事だろう(笑)。


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北千住「鶴亀飯店」(2016年4月) 

 北千住ランチレポートの第2弾は、このブログでは3回目の登場になる中国料理の「鶴亀飯店」を。
 現在鶴亀飯店の道路を挟んだ向かい側が昔は足立区役所だった、1996年に庁舎が梅島へ移転した跡地に建ったのが22階建てのビルで、この中に劇場、ハローワーク、フィットネスクラブ、フランス料理店等が入居した、更にすぐ近くには東京芸術大学の千住キャンパスが誕生、昔とは周辺の雰囲気が大きく変わった。
 若い人達が増えた事で、彼・彼女達を対象にした飲食店が増えた、夜営業の澱が溜まったみたいな居酒屋だった店舗が、今風の小洒落たカフェになっていたりして、「北千住も変わった」と思わずにはいられない(笑)。2009年開業の「鶴亀飯店」の周辺にも、ここ数年で本格的な手打ち蕎麦、インド・ネパール料理、ブラッセリー等が続々と出現、ちょっとしたグルメスポットになりつつある、北千住には秋まで通うと思うので、これから探訪が楽しみだ(笑)。

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 さてその鶴亀飯店だが、過去2回共に担担麺を注文していたので、今度は違うものを食べてみたい、いや待てよ、この店の担担麺は気に入っているので、これを逃すと次はいつ食べられるか判らないと、カウンター席に座りメニューを見ながら暫し悩んだ。

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 そうしたらメニューの端に、「定食メニューに+200円で半量の麺が追加出来る」旨が書いてある、つまり定食に付くスープが麺に替わり、醤油&塩ラーメン、担担麺の三種から選べる、「そうだ、この手がある」と嬉しくなった(笑)。注文は日替SETの「豚肉とニラの黒こしょう炒め」(税込980円)にして、当然の如くに担担麺をお願いした。

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 セットにはドリンクバーが付いていて、オレンジジュースや冷ウーロン茶等飲み放題だが、食事前にそう飲めるものではない。

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 暫し待って運ばれて来たのが、「豚肉とニラの黒こしょう炒め」セット、中華鍋を縮小したみたいな容器に炒め物、その右には焼売2個、手前にはご飯とヒジキの煮物、そしてお待ちかねの担担麺、これで総額1,180円(税込)だから、現在失業中の私には豪華ランチだ(笑)。

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 まずは主食の豚肉炒めで、丁寧に下味を付けた豚肉は、柔らかいが柔らか過ぎずにいい食感、ニラ、玉葱、シメジの野菜もいい火入れ、黒胡椒のアクセントが効いていて美味、これはプロの火力と技術によるものだ、容器は見た目面白いが、底が丸いので少々食べ難い。

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 定番の担担麺はハーフサイズの筈だが、明らかにもっと入っている(笑)、刺激を抑えた穏やか系の味だが、個人的には過去東京で食べた担担麺では三指に入れたい位に好み。胡麻の甘味と唐辛子の辛味のバランスは少し胡麻寄りだが、万人に受け入れられる味だと思う、麺もスープに負けていないしっかりしたもので相性良し。

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 副菜の焼売が何処か懐かしい味、皮がフニャっとした昔の下町肉屋で売っていた、お惣菜風焼売みたい、これはこれで美味しかった(笑)。中国料理店ならここに搾菜漬物の薄切りでも付く筈だが、もう一つの副菜は何故か「ヒジキの煮物」(笑)、この存在が謎だったが、でもちゃんとした煮物でした。
 どの料理もキチンと作ってあり美味しかった、3月までよく利用していた春日の格安四川料理「川国志」に較べると値段は高めだが、あちらはスタッフ全員が中国系(だと思う)、日本人資本で店舗を借り、日本人を複数雇用して飲食店を展開しようとすると、この位の価格設定になってしまうのは、人件費が高騰する今の東京では致し方のない処か。

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 店内はまだ新しいため綺麗でトイレも広い、この洒落たメッセージが入った額はトイレ内にあったものだ。
 駅から少し歩くが、11時から深夜2時まで中休みなし、年中無休営業をしているので利用しやすい。北千住に行く事あればお勧め出来る店だと思う、まずはスペシャリテの担担麺から試してみて下さい(笑)。



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大阪・南森町 「香味」~「荒凡夫」(2016関西食べ続け⑦) 

 関西4日目は朝から雨、この降り方は「雨の御堂筋」の歌詞中にある「小ぬか雨」だと思う、やはり大阪にはこれが似合う(笑)。
 歌の中では傘をささず歩いて移動するが、私は市営地下鉄に乗りランチに向かう(笑)、店は南森町駅から近い「中国菜 香味」、店名は「シャンウェイ」と中国語読みする。ここの矢谷料理長とは前夜の「アニエルドール」藤田氏等と同じ食事会で同席、やはり「今度店に伺いますから」と約束していた(笑)、本当は夜に行きたかったのだが、今回はフランス料理で埋めてしまっていたので、ランチタイムに寄らせてもらう事にした。

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 予定より早く着いたので、駅近くにある天神橋筋商店街を通って、大阪人が「天神さん」と呼んで親しむ大阪天満宮を訪ねる、この商店街は黒門市場とは違って地元民が利用し、地域密着型の人間味が感じられる、入口にあるベンチが有名で、先日NHKのTV番組でこの場所が取り上げられていた。天満宮は何の御利益なのか判らぬままお参りし、取りあえず「脂肪肝と体重がこれ以上悪化(増加)しません様に」とお願いしたが、天神なので学問の神様だった(笑)。

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 「香味」がある場所は、京阪道路から大阪地方裁判所や法務局がある界隈へ向かう途中、法律事務所等が多い一角だ。ドアを開けるとすぐ矢谷料理長と目が合い気付いてくれた。以前はラーメン店だったと聞く店内はカウンターとテーブルで18席位、大きな店ではない、店内を担当する奥様の案内で一番奥のテーブル席に座らせてもらう。

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 ランチは3種類(税込850円)から選ぶが、この店を利用した友人からお勧めのあった、金・土曜限定の「四川麻婆豆腐定食」、これに即決した。この日は土曜日で裁判所は休みだが13時過ぎでも客は次々やって来る、殆どの人が麻婆豆腐を注文している。

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 その麻婆豆腐が来る前に、料理長の好意で提供してくれたのが前菜4種、ジャガ芋、カリフラワー、若牛蒡に人参だったと思うが、野菜の四川風和え物で、どれも優しくて穏やかな美味しさ、料理人の人柄が反映されていると思う、勉強家の矢谷氏は東京の有名店や中国本土へもよく食べ歩きに行くそうだ。

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 続いてやって来たのが麻婆豆腐定食、ずっと食べ続けなのでライスは小盛りにしてもらった(笑)、スープ、生野菜と茄子漬物?が付く。まずは麻婆豆腐を一口、前菜同様に刺激を抑え優しい味で、後で料理長が話してくれたが、裁判所の職員も来るので、昼間はニンニクも使わず辛味も控え目にしているとの事、それでもベースの調味料や湯がしっかりしているからだろう、十分美味しい。私がよく利用する春日「川国志」の麻婆豆腐は辛味と山椒の痺れ感を強調するが、それとは対照的な作り、どちらもありだなと思った。連日の食べ続けで胃の中は飽和状態になっているのに完食、美味でしたご馳走様、次は夜バージョンの物も食べてみたいと思った。
 ここで止めておけばよかったのだが、在阪の友人から「香味の近くには美味しい蕎麦屋があるよ」と聞いていたので、次回のため場所だけでも確認しておこうと、矢谷氏に店の場所を聞いて歩いて行く。

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 もう14時近くなので閉めているかなと思ったら暖簾が下がっている、それを見てついフラフラと?入店してしまった(笑)。
 店の名前は「荒凡夫」、「あらぼんふ」と読むが「自由で平凡な男」の意味だそうだ、実は此処の店主橋本氏とも以前に会った事があり、アポなし入店だったが私の顔を覚えていてくれた。店は2014年10月に現在地に移転開業、それまでは三重松坂で営業していたそうだ、席はカウンターだけの7席で、橋本氏一人だけで対応するワンオペ店。

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 麻婆豆腐を食べたばかりだが、「蕎麦は別腹」と自分で自分を鼓舞して(笑)、「できますもの」と書かれた品書きを見る、橋本氏に「何がおすすめ?」と訊いてみたら、「『そば三昧ざる』は、通常なら二八、十割、粗挽き十割の三種だが、十割が切れてしまったので、二八と二種類の粗挽き十割の計三種で出しますが、如何です?」と提案があり、それでお願いする事に。
 カウンターだけの店で、東京の趣味系高級蕎麦店みたいな堅苦しさは無い、昼だけの売り切り仕舞い営業なので、昼間でも蕎麦の前に酒を飲む客が居た。

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 まずは福井の二八からで、蕎麦粉8割小麦粉2割の江戸蕎麦の基本、私は子供の頃から馴染んでいるので、安心して美味しいと感じる、喉越しの良さが特徴。

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 続いて同じ福井の粗挽き十割、二八に比べると蕎麦の香りが増し、素朴な感じになる、これは温かい蕎麦でも美味しいのではないかと思う。

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 最後は徳島の粗挽き十割、前者に比べると急に鄙びた?感じになる、田舎のお婆さんが打ってくれた蕎麦、何かそんな印象を受けた。

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 最後は蕎麦湯で〆る、織部の器がいい。ツユもキレのある辛口でもちろん本山葵を使っている。
 正調本格派の香り高い蕎麦で美味しかったです、「蕎麦は東京」だと思っている人多いが、大阪でも江戸時代から蕎麦切りは提供され、有名店の「砂場」は大阪発祥だ。現在でも蕎麦専門店は多くあり、饂飩で有名な「今井」や「美々卯」でも蕎麦を提供している、大阪人も結構蕎麦好きだ。
 正直に言ってしまうと、ランチダブルはキツかった(笑)、時間の無い方以外お勧めしないが、もしどうしても両店行きたい場合は、私とは逆に「荒凡夫」⇒「香味」のルートが正解です。
 この日の夜はまたフランス料理、それに備えて「こぬか雨」の中を「南へ歩く」事にする(笑)。


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春日「四川料理・川国志」その3 

 勤め先近くの格安四川料理店、春日「川国志」の記事は、このブログで過去2回取り上げたが、不思議な位に反響が大きかった。約一年前に書いた2回目の記事ではfacebookと連動した「いいね!」の数が何と589もあり、この記録は未だに破られていない(笑)。このブログも中国にまで知られ、遂に国際的な知名度になったのか?と勝手に解釈したが、中国語のコメントも来ていないので、本当の理由は判らないが(笑)。
 この店と比較するため、我家の近くでも中華料理店の定食類を以前より食べる様になったが、やはりこの店は頭一つ抜けていると感じている。料理の味自体は「とんでもなく美味しい」と云うレベルではないが、内容・味・値段のバランスを考えると、何よりお得感が大きい。

 時間は一年前まで遡るが、前回の記事後に画像に残し、前2回で紹介していない料理を中心に載せる事に、値段はどれも税込800円前後だ。

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・冷やし中華と半炒飯

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・ゴーヤと卵、豚肉炒めと餃子

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・レバニラ炒め

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・青椒肉絲麺と餃子

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・鶏肉の甘酢炒めと焼売

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・四川風豚肉の土鍋煮込

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・定番の麻婆豆腐

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・この店で最初に注文するのは、まずこれでしょう(笑)。

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・ネギ豚肉中華味噌炒めと肉団子の唐揚

 冷やし中華だけが物足りなかったが、これは調理が中国の人なので仕方ない処だろう、中国には冷やし中華は無い(笑)。あとの定食類は概ね美味しかった、麺が少し弱い気がするので、どちらかと云えばこの店ではご飯系の方がお薦め出来る。

 2013年3月の黒田日銀総裁就任から始まる金融緩和は、円安と株高を生んだが、同時に食料品等の急激な高騰と云う副作用を起こしてしまった。原材料等の値上げは飲食店を直撃、メニューや献立価格を上げざるを得なくなった、そして昨年4月に消費税額が8%に引き上げられ、サラリーマンの財布を二重に痛める事になる。以前は5~600円で済ませていたランチも7~800円、店によっては千円超えも普通になり、それに消費税が加わる店も珍しくなくなった。職場内でも以前に比べると、弁当持参やコンビニ食の調達が増えていると感じている、外食自体が減っている現実がある。
 
 そんな中でこの川国志は値段をまったく上げていない、企業努力?で抑えている。その理由を考えているのだが、飲食店の経費は固定費(家賃、物件減価償却費、リース料等)と変動費(食材料原価、人件費、光熱水費等)に分けられる、固定費と変動費の合計が総売上げの90%以内、つまり経常利益が10%以上にするのが飲食店経営の基本だと云われる、このうち人件費以外は、経営が日本人でも中国人でも、同じ場所にあれば殆ど変わらない筈、そうすると人件費で抑制しているとしか思えない、全員中国人と見える従業員は見る限りは6~7名だが、彼・彼女達の賃金は一体幾ら位なのか、訊いてみたい気もする。
 背景には13億の人口を抱えている中国がある、日本と同じく若年人口は減っているがそれでも規模が違う、労働人口は幾らでも確保出来るのだろう。同様に都内ではインド料理店も値段を殆ど上げていない、これもパキスタン、ネパールやバングラディシュから安価な労働力が望めるからだと思う。
 こうして考えると、飲食店にとって最大の負担は人件費なのだろう、飲食店を繁盛させるのは人の力だが、衰退へ向かわせるのも人、最後はやはりワン・オペ店へ行き着くのかも知れない(笑)。

 話は川国志へ戻るが、元気のいい名物店員だった男性は神保町店開店に伴い移籍し、ちょっと寂しくなった。それでも年中無休で11時から23時半まで営業を続ける、彼・彼女達の姿を見ていると、まるで高度経済成長期の日本人の姿みたいだ、「ゆとり教育」のせいなのかは不明だが、日本人は昔ほど必死に働かなくなった気がしている。
 日本人経営の飲食店が、後継者や人出不足の理由で閉めた後に、中国人の経営する中国料理店と、インド&パキスタン人が経営するインド料理店が入るパターン、東京では暫く続きそうな気がしている(笑)。

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綾瀬「綾瀬飯店」

 今回記事にする「綾瀬飯店」は、私が悪い腰と頸の治療を受けている施術所の近くにあり、以前から存在は知っていた。でも場末感が濃く漂ってくるみたいな、あまりにも古びて冴えない外観から、入って食事をしようと云う気持ちになれず、ずっとスルーしていた(笑)。
 失礼ながら、やがて消えるだろうと思っていたのだが、意外にも続いている、やがてネット上でこの店の名前を知ることになる、「食べログ」にも掲載されているし、グルメライターとして知られる某氏もブログで取り上げていた、最初はその「綾瀬飯店」と私が知る店は別と思っていた(笑)、どうやら同一店だと気づいた時に、俄然この店に興味が沸いてきた。それに「消え行く昭和中華」を訪問して記憶に留めるのは、私のライフワークにしたいと思っている事だ(笑)。

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 腰の治療を受けたある日、意を決し?昼に訪れてみる事にした。店の場所は千代田線綾瀬駅東口を出て5分位、この界隈は夜だけ営業する飲食店が多いので、ランチタイム営業しているのは貴重な存在だ、あらためて見ると、サンプルケース内も凄いセンスだ(笑)

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 店内は想像していたとおり昔の中華料理店、カウンター席はなく赤いデコラテーブルの席が5つ、入店すると他の客は居たが、店側から誰も声をかけず不安になった、すると奥に座っていた高齢女性が立ち上がり、空いている席へ座る事を促した、この方が客席担当で、どうやら足が悪いみたいだ。
 席に座り、手元にあったメニューを見ると、ラーメン、餃子は勿論、ご飯物も数種類、今時珍しい手書きの菜単がいい(笑)、単品料理の欄には何と「アワビの醤油煮」(2,800円)などと云う本格料理もあり、店の外観とのギャップに驚いた(笑)、夜にしても此の店で誰か注文する人いるのだろうか?

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 初回なので、無難に「本日の定食」(税込700円)をお願いする事にした、意外にも?5テーブル全部埋まり、それも皆常連客と思われる人ばかり、やはり人間と同じく「見かけ」で判断してはいけないみたいだ(笑)。テレビはバラエティ番組を流し、本棚にはコミック本が並び、テーブル上にはスポーツ新聞と、お約束どおりの昭和中華スタイル、これは期待が高まる(笑)。
 少し長めの待ち時間で出てきたのが、

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・豚肉と長芋炒め

 
 まずは添えられたスープを一口啜ったが、「この味だ!」と脳が反応した、まるでプルーストにおける、紅茶に浸したマドレーヌみたいに、幸せだった?少年時代が蘇った(笑)、微かな酸味を感じる薄い醤油味の鶏出汁スープ、私が子供の頃は街場の中華料理は殆どこれだった、私は今昭和に還ることが出来た(笑)。
 続いて豚肉を口にするが、とても柔らかい、おそらく重曹や酒、砂糖などで下処理したものだと思うが丁寧な仕事、長芋はシャキっとした歯応えを残し、一緒に炒めたのは蕪の葉だと思うが、これが効いている。全体的に薄味で素材を生かしているのは好印象だ、ご飯もこの値段にしては納得できる質。これで700円ポッキリなら安い、職場の近くにあったら、毎週通うと思う。
 厨房内はよく見えなかったが、男性が一人で鍋を振っている、最初は店内の女性との夫婦だと思ったのだが、WEB情報には「親子ではないか?」とあった、そう言われれば男性は若そうだ、もしかしたら二代目なのかも知れない。

 すっかり気に入ってしまい、すぐに再訪する事に、つまり「裏を返した」(笑)。この時の定食が、

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・鶏と玉子と野菜の炒め

 鶏の唐揚げを玉子と野菜と炒めて、酢を効かせた味付け、初回のインパクト程ではないが、これもなかなか良かった。
 これまでで行っていなかった事を後悔した店、今東京の街中からは、こうした昔ながらの中華料理店は急速に姿を消している、代わりに登場したのがラーメン専門店と中国人経営による中国料理店、どちらもそれなりの味なのだが、私が知っている「中華料理」の味では無い。昭和中華はもう絶滅危惧種で、どの店も後継者難により現経営者の代で消える運命なのかも知れない。

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 同じ昭和を共有した人間としては寂しい事だが、何とか今のうちにこうした店を回っておきたいと思っている(笑)。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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