最後の晩餐にはまだ早い


西新井「香府山」

 足立区内の西新井大師近くに秀逸な中国料理店があるとの噂は、足立区特集のムック本やWEB情報で知っていた。何でも元々此の地で40年続いた街場の中華料理店を、銀座の有名中華店で修行した二代目がリニューアルし、本格的な中国料理を出す店として、2014年に店名も変え再スタートしたとの事だ。
 以前から行ってみたいと思っていたが、調べてみるとアクセスがよくない、一番近い駅は東武スカイツリーラインの「大師前」駅だが、そこからでも10分は歩く、我家から自転車だと30分以上はかかりそうなので、寒い日が続いていた事もあり見送っていた。
 この日、1月ながら春を思わせる暖かな陽気で自転車の大敵である強風もない、「よし、今日こそ行ってみよう」と店へ向かう事にした。

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 亀有方面から自転車で行く時は環七を西に向かい、4号線(日光街道)を過ぎ、西新井大師前の交差点を右折し、4つ目の信号を左折してすぐ、角に「十勝甘納豆本舗西新井大師店」の立派な建物があるので目印になる。
 店の名前は「香府山」で「シャン・フ・ザン」と読む、WEB情報では二代目が修行した2店から一字ずつ取ったとある、一つは「過門香」だが「府」はどの店だろう?
 外観は改装後2年なので新しい、「中華麺DINING」との表記があり、ランチタイムは麺が中心になるが、夜はコース料理も提供しているみたいだ。

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 11時半の開店直後に入店する、ドアを開けると店主の奥様だろうか女性が案内してくれて、カウンター席に座らせてもらう。

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 ランチタイムの麺、飯、点心類のメニュー、結構種類豊富だが、この他にも点心2種とプチデザートが付くお得なサービスランチが5種類あり、その中から一番先に目に入った「担々麺」(税込1,000円)をお願いする事にした、これ食べれば店の実力は大体判る筈(笑)。

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 目の前には厨房、店主はまだ若い40歳前ではないか?客から見えるオープンキッチンは整理整頓掃除が必須だが、問題なく行き届いている。平日の正午前ながら次々と客が入店して来た、見た感じでは地元客だと思う。

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 卓上の味変アイテム、醤油以外は自家製の薬膳酢、特製ラー油、オリジナル辣粉と説明があった。

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・担々麺(中国語では「々」は使わないが、店表記どおりに)サービスランチセット。

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・麺のアップ

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・点心(小籠包、焼売)、これにライスがサービスされる。

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・杏仁豆腐

 まずはいつもどおりにスープを一口、いきなり辛さを感じるのではなく、香辛料が混ざった香りの後に奥深い辛さ、最後に胡麻の甘味がやって来る、ベースのスープもしっかりしていて味が立体的、これは「おぬし出来るな」と云う味だ(笑)。続いて麺だが中細で縮れは殆ど無い、モチモチとした食感でいい小麦を使っているのは判った、上に乗せた挽肉も上質だ。他店の担担麺では唐辛子の辛さと胡麻の甘味しか感じない物に出会う事もあるが、これは一つの丼の中に複雑な滋味が重なって感じられ、最後まで飽きないで食べられる。
 小籠包&焼売も自家製だろう何より皮が違う、足立区内では北千住の「鶴亀飯店」に同種のランチセットがあるが、麺自体は別にしても、点心類はこちらに分がありそう。
 こうした店ではオマケ的に付いている杏仁豆腐だが、これも自家製だと思った、キチンと作っていて美味、甘味好きにはポイント高くなる(笑)。

 ネット上の噂はあてにならない時もあるが、この店に関しては評判以上の実力を感じさせる満足度の高いランチだった、隣席の女性が食べていた「五目あんかけ麺」も旨そうだったし、これは近い内に再訪したい店だと思った。夜のコース料理も体験したいが、電車だと大回りして行く事になるし、自転車は飲酒運転ご法度だ(笑)、当面はランチタイム訪問になるが、次何を食べるか考えるのも今から楽しみ、久々にいい中華を見つけた(笑)。

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 気分が良くなったので、帰りはすぐ近くにある「十勝甘納豆本舗西新井大師店」に入って甘納豆を見ていたら、作務衣を着た渋味あるオバサマが「こちらお得ですよ」と、賞味期限が迫り半額になった物を勧めるので買ってしまった(笑)、これも美味でした。
 地元には自分が知らない「いい店」がまだありそうだ、自転車での美味巡礼はこれからも続く(笑)。


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綾瀬「たまき」

 地元店の記事はアクセス数が減る傾向があるが(笑)、この店はどうしても書いておきたかったのが、千代田線綾瀬駅前にある中華料理「たまき」だ。
 店の存在はだいぶ前から知っていたが、どこか寂れたみたいな佇まいから、入いってみようと云う気にならなかった、ところが何人かがブログで取り上げているのを知り、その中には「名店」と書いている人も居たので、これは一度行ってみる必要があると、近くの整体治療院に行った帰りに昼間寄ってみる事にした。

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 店の場所は綾瀬駅の東口を出て南側へ歩いてすぐ、高架下に青果店があり、その前に凸の形になった小さな袋小路があるがその右奥、左側には朝4時から夜11時まで営業する定食・居酒屋、奥にもランチ営業している居酒屋があって、ちょっとディープな雰囲気のグルメスポット?になっている。

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 赤いテント、白地に赤い字で「中華そば」の暖簾、時代を経た料理サンプルと、お約束通りの「昭和中華」そのまま(笑)、入口の傍らには出前に使ったのか出前機(バイクの後ろに付ける大きなバネが付いた物)の残骸が置いてあり、以前は出前もしていたみたいだ。WEB情報では開業から30年以上過ぎているらしい。

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 店内も外観同様に古びている、「汚れている」と云うより「古びている」と云った方がいいと思うが、経年で変色した壁紙、破れた表面をガムテープで補修した椅子、赤いデコラのカウンターには井之頭五郎が座っていそうな雰囲気、大きな招き猫の置物が妙に艶めかしい(笑)、テーブルが1卓4席、カウンターが7席。

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 メニューは赤い紙に黒字で手書きしたものが下がっている、チャーハン(「炒飯」ではない)がスペシャリテみたいで、麺との組合せメニューも多い。何にしようか迷ったが「モヤシソバ」が好きなので、「チャーハン・モヤシソバ」のセット(750円)に決めた。
 店は高齢夫婦が二人でやっている、水を運んで来た奥さんに注文を入れたら、厨房まで回ってご主人の耳元でそれを通している、「耳が遠いのかな?」と思ったのだが、そうではないみたいで、店内で大きい声を出さない主義なのかも知れない、そう云えばWEB上でも「ご主人は大人しくて草食系」みたいに書かれていたが物静かな印象、奥さんも調理に関わり、麺を茹でたりしている、この奥さん品のいい人で、若い頃は「~小町」位に云われたのでは?(笑)。

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 目の前には調味料等、割箸入れと辣油入れは相当の年期物、変色して辣油入れの表面には油が張り付いている、潔癖な人にはNGだろうが、私はかえって懐かしく感じてしまう(笑)、テレビが点けっ放しなのも最近のストイック系ラーメン専門店とは違う。

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 そして出来上がってきたのが「モヤシソバ」、見かけはストライクだ(笑)、まずスープを一口啜るが、脳が「ああ、昭和だ」と反応する(笑)、鶏ガラと野菜で採った薄めのダシ、微かに酸味を感じる醤油味、おそらく化学調味料も使っているだろうが気にならない量、餡かけも優しくご主人の印象そのまま、麺は細目でこれも昭和風で私好み。

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 続いてチャーハンが来たが「半炒飯」ではなく充分一人前ある、見ただけで旨そう(笑)。具は玉子とチャーシューと長葱だけ、口中に入れると香油を纏った米粒がハラハラと崩れ、その後に芳しい香りと食感が広がる、「シンプル・イズ・ベスト」な感じで、これが家庭では作れない。

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 井之頭五郎は「お新香の旨い店は、料理も旨い店だ」と云っているが、それが正しい事を証明する、自家製だと思う漬物(笑)。

 美味でした、文字どおり「昭和中華」と云う感じで、昭和世代の琴線に触れる味だった、この店の近くにはブログ記事にした「綾瀬飯店」があるが、あちらも店の雰囲気は昭和だが、料理人は二代目みたいで若く、若干「平成」が入っている、正調さではこちらの店かも知れない。

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 昭和味がすっかり気に入ってしまい続けて行ったのだが、再訪問時が「チャーハン・タンメン」(750円)、このタンメンも期待どおり薄味の昭和タンメンでした(笑)。

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 そして再々訪問時の注文が「肉野菜イタメ・ライス」(730円)、何故か「肉野菜炒めライス」ではない(笑)。これも昭和中華の定番メニューで、この店では肉は別に炒め、最後に野菜の上に乗せている、全体的に優しく薄味なのも私好み。

 最近の東京では、大陸系の人達が開く中国料理店ばかりになり、昭和から続いた街場中華は後継者不在から絶滅危惧種になりつつある。大陸系の店は何処も安くてそれなりに美味しいが、私が子供時代に馴染んだ中華味では無い、何か違うのだ、その何かを求めて、またこの店に行くと思う(笑)。


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神田須田町「雲林坊 秋葉原店」(2016年7月)

 TVの影響か、サラリーマンの昼飯を略して「サラメシ」と呼ぶのがブームみたいだが、以前から食業界関係では、フレンチ、イタリアン、スパニッシュ、最近はノルディックも加え?これらを総称して俗に「ヨコメシ」と呼んでいた、これはメニューを横書きするのでそう呼ぶと聞いた、和食や中国料理は縦書きなので「タテメシ」になる。
 これは私だけではないと思うが、夏、特に8月前半の酷暑時期はヨコメシ指数がどうしても落ちる、外へ行く事自体も億劫になるが、もし外食となってもヨコメシ以外を選びがちだ、私の場合食べたくなるのが刺激味系(笑)、インド・ネパール系や中国四川系の料理で、日本、特に都市部の夏は、インドベンガル地方や四川省級の過酷な暑さなのかも知れない(笑)。

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 この日、ヨドバシアキバに用があり、ついでに何処かで簡単にランチを食べようと思ったが、秋葉原はマニア系とラーメンとカレーの聖地(笑)、店が多過ぎてかえって選ぶのに迷ってしまう。
 結局決めたのは、既訪問店である須田町の担担麺専門店「雲林坊」、此処も一年以上ご無沙汰していた。神田「やぶそば」の向かいにある四川料理「雲林」の支店で、九段、秋葉原に加え、昨年日本橋室町にも同名の系列店を開業した。

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 須田町界隈ではランチの人気店、昼休み前に入るつもりで開店直後に行ったのだが、既に先客が3名、私の後も次々と来客があり満席に、食べ終わる頃には席待ち客まで並んでいた、皆私同様に「酷暑を乗り切るには何より辛味」と考えているのかも?(笑)。
 食券方式なので先に食べる物を決めるが、この日は汁あり担担麺に、今迄食べていなかった麻婆豆腐丼(小)が付いたセット(1,150円)に決めた、刺激+炭水化物のダブル攻めだ(笑)、カウンター奥に座り食券を出して暫し待つ事に。

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 卓上には共有の洗い箸を納めた抽斗と上にレンゲを入れた同サイズの小籠、亀有の「炎真」も同じスタイルだが、省スペース仕様でいいやり方だと思う。

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 「スープへのこだわり」、こうした蘊蓄表示はやり過ぎると客が白けるが、頭上の目立たない場所なので、あまり気にならない(笑)。

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 そして登場したのが汁あり担担麺、スープを一口飲むと「そうそう、この味」と記憶が蘇る(笑)、唐辛子の辛味がキリッと効いた刺激系、スープのベースがしっかりしているので辛さだけが尖っていない、麺は中太のストレート系、全粒粉が入っているのか歯応えと香りが良く、唐辛子スープの強さに負けていない。他店でも刺激味系の担担麺を食べて来たが、スープに麺が負けている場合が多かった、この担担麺はいいバランスだ。

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 続いて小麻婆豆腐丼、店では「陳麻婆豆腐」を名乗っているが、陳健民の四川飯店系なのか、四川成都にある「陳麻婆豆腐店」の名から取ったのかは不明。

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 丼に付く和え物

 麻婆豆腐を食べると山椒の香りが鼻腔に抜け痺れ感が舌を刺激する、日本的に柔らかくしていない、片栗粉のトロミは殆ど付けずスープカレーみたいな緩さ、ご飯に対し汁が多い「つゆだく」状態で、もう少しご飯が欲しくなる(笑)。
 麻婆豆腐丼としては刺激があって美味しいが、担担麺と同時に食べると、辛さと痺れ感の質が違うので、味が打ち消し合う感じもした。あくまでも個人的感想だが、麻婆豆腐が食べたいなら単体で、担担麺にご飯が欲しかったら通常の白ご飯の方が合うと思った。
 辛さと痺れのダブルパンチは結構効いたが(笑)、暑く高湿度な夏に弱りがちな胃腸を鼓舞するには向いていると思う、気候と食べ物には関連性がある。

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 帰りはこの界隈に僅かに残る「看板建築」を見る事に、関東大震災後に建てられた、建物前面を銅板やモルタルで洋風に装飾し、中身は木造日本家屋の建築様式の事で、この「海老原商店」は1928年(昭和3年)の建築、戦時中も空襲被害に遭わなかったのでそのまま残った。昭和・平成を生きた建物は見るだけならとても味があるが、この古さではやがて消えゆく運命だろう、見ておくなら今のうちかも知れない。

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 暑い中歩いていたら辛味効果が効き冷たい物が欲しくなり、セブンイレブンに入って「まるでマンゴーを冷凍したような食感のアイスバー」(140円)を買ってしまった、これを舐めながら隣の御徒町まで歩いたが、すれ違った人にはきっと「変な親父だ」と思われた事だろう(笑)。


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北千住「鶴亀飯店」(2016年4月) 

 北千住ランチレポートの第2弾は、このブログでは3回目の登場になる中国料理の「鶴亀飯店」を。
 現在鶴亀飯店の道路を挟んだ向かい側が昔は足立区役所だった、1996年に庁舎が梅島へ移転した跡地に建ったのが22階建てのビルで、この中に劇場、ハローワーク、フィットネスクラブ、フランス料理店等が入居した、更にすぐ近くには東京芸術大学の千住キャンパスが誕生、昔とは周辺の雰囲気が大きく変わった。
 若い人達が増えた事で、彼・彼女達を対象にした飲食店が増えた、夜営業の澱が溜まったみたいな居酒屋だった店舗が、今風の小洒落たカフェになっていたりして、「北千住も変わった」と思わずにはいられない(笑)。2009年開業の「鶴亀飯店」の周辺にも、ここ数年で本格的な手打ち蕎麦、インド・ネパール料理、ブラッセリー等が続々と出現、ちょっとしたグルメスポットになりつつある、北千住には秋まで通うと思うので、これから探訪が楽しみだ(笑)。

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 さてその鶴亀飯店だが、過去2回共に担担麺を注文していたので、今度は違うものを食べてみたい、いや待てよ、この店の担担麺は気に入っているので、これを逃すと次はいつ食べられるか判らないと、カウンター席に座りメニューを見ながら暫し悩んだ。

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 そうしたらメニューの端に、「定食メニューに+200円で半量の麺が追加出来る」旨が書いてある、つまり定食に付くスープが麺に替わり、醤油&塩ラーメン、担担麺の三種から選べる、「そうだ、この手がある」と嬉しくなった(笑)。注文は日替SETの「豚肉とニラの黒こしょう炒め」(税込980円)にして、当然の如くに担担麺をお願いした。

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 セットにはドリンクバーが付いていて、オレンジジュースや冷ウーロン茶等飲み放題だが、食事前にそう飲めるものではない。

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 暫し待って運ばれて来たのが、「豚肉とニラの黒こしょう炒め」セット、中華鍋を縮小したみたいな容器に炒め物、その右には焼売2個、手前にはご飯とヒジキの煮物、そしてお待ちかねの担担麺、これで総額1,180円(税込)だから、現在失業中の私には豪華ランチだ(笑)。

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 まずは主食の豚肉炒めで、丁寧に下味を付けた豚肉は、柔らかいが柔らか過ぎずにいい食感、ニラ、玉葱、シメジの野菜もいい火入れ、黒胡椒のアクセントが効いていて美味、これはプロの火力と技術によるものだ、容器は見た目面白いが、底が丸いので少々食べ難い。

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 定番の担担麺はハーフサイズの筈だが、明らかにもっと入っている(笑)、刺激を抑えた穏やか系の味だが、個人的には過去東京で食べた担担麺では三指に入れたい位に好み。胡麻の甘味と唐辛子の辛味のバランスは少し胡麻寄りだが、万人に受け入れられる味だと思う、麺もスープに負けていないしっかりしたもので相性良し。

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 副菜の焼売が何処か懐かしい味、皮がフニャっとした昔の下町肉屋で売っていた、お惣菜風焼売みたい、これはこれで美味しかった(笑)。中国料理店ならここに搾菜漬物の薄切りでも付く筈だが、もう一つの副菜は何故か「ヒジキの煮物」(笑)、この存在が謎だったが、でもちゃんとした煮物でした。
 どの料理もキチンと作ってあり美味しかった、3月までよく利用していた春日の格安四川料理「川国志」に較べると値段は高めだが、あちらはスタッフ全員が中国系(だと思う)、日本人資本で店舗を借り、日本人を複数雇用して飲食店を展開しようとすると、この位の価格設定になってしまうのは、人件費が高騰する今の東京では致し方のない処か。

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 店内はまだ新しいため綺麗でトイレも広い、この洒落たメッセージが入った額はトイレ内にあったものだ。
 駅から少し歩くが、11時から深夜2時まで中休みなし、年中無休営業をしているので利用しやすい。北千住に行く事あればお勧め出来る店だと思う、まずはスペシャリテの担担麺から試してみて下さい(笑)。



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大阪・南森町 「香味」~「荒凡夫」(2016関西食べ続け⑦) 

 関西4日目は朝から雨、この降り方は「雨の御堂筋」の歌詞中にある「小ぬか雨」だと思う、やはり大阪にはこれが似合う(笑)。
 歌の中では傘をささず歩いて移動するが、私は市営地下鉄に乗りランチに向かう(笑)、店は南森町駅から近い「中国菜 香味」、店名は「シャンウェイ」と中国語読みする。ここの矢谷料理長とは前夜の「アニエルドール」藤田氏等と同じ食事会で同席、やはり「今度店に伺いますから」と約束していた(笑)、本当は夜に行きたかったのだが、今回はフランス料理で埋めてしまっていたので、ランチタイムに寄らせてもらう事にした。

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 予定より早く着いたので、駅近くにある天神橋筋商店街を通って、大阪人が「天神さん」と呼んで親しむ大阪天満宮を訪ねる、この商店街は黒門市場とは違って地元民が利用し、地域密着型の人間味が感じられる、入口にあるベンチが有名で、先日NHKのTV番組でこの場所が取り上げられていた。天満宮は何の御利益なのか判らぬままお参りし、取りあえず「脂肪肝と体重がこれ以上悪化(増加)しません様に」とお願いしたが、天神なので学問の神様だった(笑)。

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 「香味」がある場所は、京阪道路から大阪地方裁判所や法務局がある界隈へ向かう途中、法律事務所等が多い一角だ。ドアを開けるとすぐ矢谷料理長と目が合い気付いてくれた。以前はラーメン店だったと聞く店内はカウンターとテーブルで18席位、大きな店ではない、店内を担当する奥様の案内で一番奥のテーブル席に座らせてもらう。

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 ランチは3種類(税込850円)から選ぶが、この店を利用した友人からお勧めのあった、金・土曜限定の「四川麻婆豆腐定食」、これに即決した。この日は土曜日で裁判所は休みだが13時過ぎでも客は次々やって来る、殆どの人が麻婆豆腐を注文している。

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 その麻婆豆腐が来る前に、料理長の好意で提供してくれたのが前菜4種、ジャガ芋、カリフラワー、若牛蒡に人参だったと思うが、野菜の四川風和え物で、どれも優しくて穏やかな美味しさ、料理人の人柄が反映されていると思う、勉強家の矢谷氏は東京の有名店や中国本土へもよく食べ歩きに行くそうだ。

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 続いてやって来たのが麻婆豆腐定食、ずっと食べ続けなのでライスは小盛りにしてもらった(笑)、スープ、生野菜と茄子漬物?が付く。まずは麻婆豆腐を一口、前菜同様に刺激を抑え優しい味で、後で料理長が話してくれたが、裁判所の職員も来るので、昼間はニンニクも使わず辛味も控え目にしているとの事、それでもベースの調味料や湯がしっかりしているからだろう、十分美味しい。私がよく利用する春日「川国志」の麻婆豆腐は辛味と山椒の痺れ感を強調するが、それとは対照的な作り、どちらもありだなと思った。連日の食べ続けで胃の中は飽和状態になっているのに完食、美味でしたご馳走様、次は夜バージョンの物も食べてみたいと思った。
 ここで止めておけばよかったのだが、在阪の友人から「香味の近くには美味しい蕎麦屋があるよ」と聞いていたので、次回のため場所だけでも確認しておこうと、矢谷氏に店の場所を聞いて歩いて行く。

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 もう14時近くなので閉めているかなと思ったら暖簾が下がっている、それを見てついフラフラと?入店してしまった(笑)。
 店の名前は「荒凡夫」、「あらぼんふ」と読むが「自由で平凡な男」の意味だそうだ、実は此処の店主橋本氏とも以前に会った事があり、アポなし入店だったが私の顔を覚えていてくれた。店は2014年10月に現在地に移転開業、それまでは三重松坂で営業していたそうだ、席はカウンターだけの7席で、橋本氏一人だけで対応するワンオペ店。

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 麻婆豆腐を食べたばかりだが、「蕎麦は別腹」と自分で自分を鼓舞して(笑)、「できますもの」と書かれた品書きを見る、橋本氏に「何がおすすめ?」と訊いてみたら、「『そば三昧ざる』は、通常なら二八、十割、粗挽き十割の三種だが、十割が切れてしまったので、二八と二種類の粗挽き十割の計三種で出しますが、如何です?」と提案があり、それでお願いする事に。
 カウンターだけの店で、東京の趣味系高級蕎麦店みたいな堅苦しさは無い、昼だけの売り切り仕舞い営業なので、昼間でも蕎麦の前に酒を飲む客が居た。

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 まずは福井の二八からで、蕎麦粉8割小麦粉2割の江戸蕎麦の基本、私は子供の頃から馴染んでいるので、安心して美味しいと感じる、喉越しの良さが特徴。

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 続いて同じ福井の粗挽き十割、二八に比べると蕎麦の香りが増し、素朴な感じになる、これは温かい蕎麦でも美味しいのではないかと思う。

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 最後は徳島の粗挽き十割、前者に比べると急に鄙びた?感じになる、田舎のお婆さんが打ってくれた蕎麦、何かそんな印象を受けた。

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 最後は蕎麦湯で〆る、織部の器がいい。ツユもキレのある辛口でもちろん本山葵を使っている。
 正調本格派の香り高い蕎麦で美味しかったです、「蕎麦は東京」だと思っている人多いが、大阪でも江戸時代から蕎麦切りは提供され、有名店の「砂場」は大阪発祥だ。現在でも蕎麦専門店は多くあり、饂飩で有名な「今井」や「美々卯」でも蕎麦を提供している、大阪人も結構蕎麦好きだ。
 正直に言ってしまうと、ランチダブルはキツかった(笑)、時間の無い方以外お勧めしないが、もしどうしても両店行きたい場合は、私とは逆に「荒凡夫」⇒「香味」のルートが正解です。
 この日の夜はまたフランス料理、それに備えて「こぬか雨」の中を「南へ歩く」事にする(笑)。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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