最後の晩餐にはまだ早い


麻布十番「リストランテ・ジャニコロ・ジョウキ」(オープニングレセプション)

 中野新橋「タクティー」を出て向かったのは麻布十番で、過去数回利用させてもらった、ローマピッツァとイタリア料理の店「ピッツェリア ロマーナ ジャニコロ」が、第二店として本格的なリストランテを開業し、オープニングレセプションの招待をいただいたので伺う事にした、「今更遅い」と云われそうだが(笑)、簡単なレポートを挙げておきたいと思う。

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 店の場所は第一店と同じく麻布十番、商店街を上り切った辺りの9階建てのビルの9階で、店名は「リストランテ・ジャニコロ・ジョウキ(Ristrante Gianicolo giochi)」になる、イタリア語の‘giochi’は英語の「ゲーム」にあたり遊ぶ事を表す、つまりこの場所で、やって来た皆が心の底から楽しんで欲しいと云う、店側の気持ちの表れだ。
 料理長は前店でピッツェリアとは思えない位に、斬新で美味な料理を提供していた内野拓料理長が、そのまま異動して就任する事になった。
 9階なのでエレベーターがアクセス手段になるが、扉が開くともう其処がすぐ店内、いきなり遊びの空間にワープする感覚だ(笑)。
 オーナーの渡邉氏が居たので、挨拶して空いていた席に座らせてもらう、明るい店内は18席前後と、それ程広くはないが、レストランに来たと云うより、高級ペントハウスに招かれたみたいな感覚、残念ながらそんな金持ちの知人友人は一人も居ないので、店にいる間だけのセレブ気分に浸るしかない(笑)。

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 店内にはオーナーが収集した現代絵画が数点、一応ギャラリー勤務経験がある私に言わせてもらえば、お金を使って有名作家の絵を集めたのではなく、無名でも選んだ人のセンスの良さが感じられるいい絵、この空間に似合っていると思う。

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 高層ビルと違ってベランダがあり、外へ出て外気を感じられる、此処からは六本木ヒルズ、六本木ミッドタウン、虎ノ門ヒルズと云った東京の有名高層ビルが近くに見え、東京タワーも遠くない、これは夜景も素晴らしいだろうなと思う、「今日こそ決めてやる」みたいな勝負デートの場所を探しているなら、まさに最適だと思った(笑)。

 以下に当日提供された料理の一部を紹介するが、あくまでもレセプション向けの料理な事を理解した上で見て欲しいと思う、

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・とうもろこしのフリット

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・スパゲッティアマトリーチャ

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・プロシュート、レフォール?のエスプーマ

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・豚肩肉のロースト、ローズマリー風味

 オーナーの気前いい振る舞いで、各種アルコール類が提供されていたが、私は訳あって水ばかり飲んで居た(笑)。
 たまたま隣に座った、私より年配と思しき男性がとても粋な人で、高級そうなジャケットにボルサリーノのパナマ帽、オーナーとはサバティーニ青山時代からの旧知の間柄みたいで、グルメな会話の内容が濃い(笑)。私が若い頃はレストランでこうした振る舞いが出来る大人達に憧れたものだ、濃い客の相手をしていたのが、現「フルヤオーガストロノーム」非常勤支配人?の秋葉さんみたいな人だから、お互いに丁々発止の会話が続く、それは濃厚な時間だったと思う(笑)、最近高級店にあまり行かなくなったのもあるが、レストラン空間でこうした素敵な大人達を見かけなくなった、今は楽しむために来たのか批評をするために来たのか、判別不能な客が増えた、昔を知る人間には寂しい事でもある。
 ただ自分も年齢を重ねて、かつて憧れたこうした大人に成れたかと云うと、自己採点では残念な答えしか出ないが(笑)。

 次々と客がやってくる、料理雑誌やWEB上で見かけた顔もあって、それだけ新店への期待度が大きいと云う事だろう。個人的にも内野料理長の料理には以前から注目していたので、彼が料理に専任出来、本領を発揮する場が新たに出来たのは嬉しい事だ(笑)。
 なお、渡邉オーナーはピッツェリアの方に専任し、新店ではサバティーニ青山出身のサービス担当が就くとの事、スタッフは当面男性ばかりになるみたいだが、麻布十番の天空レストランで、内野料理長のリードによってどんなハーモニーを響かすか、期待したいと思う。

 9月以降少し落ち着いた頃に訪れ、また改めて記事にしたいと思っている、渡邊オーナー&内野料理長、ご招待ありがとうございました(笑)。

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中野新橋「タクティー(Tucktty)」※2017年4月で閉店しました。

 2011年に始めたFacebook、最近は色々な意味で面倒にもなっているが(笑)、続けていて良かったなと思う事は、現役料理人やパティシェと知り合える事で、彼・彼女達がどんな考えで仕事に取り組んでいるのか、幾らかでも判ると「この人の料理やスイーツを食べてみたい」と思う時がある。
 今回訪れる中野新橋のイタリア料理店「タクティー(Tucktty)」も、Facebookで知り合った松井昭憲氏が料理長を務める店だ。我家からは遠いので、なかなか行く機会がなかったが、この日夕方に麻布十番まで行く用事があり、「その前に松井さんの料理が食べたい」と直にお願いし、訪問が実現した(笑)。
 中野新橋は30年位前に仕事で一度来た事あるが、勿論当時とは駅も街も大きく変わっている、微かに駅の名前になった神田川に架かる「新橋」辺りの風景には記憶があった、街の看板的存在だった相撲部屋も移転し、真夏の白昼な事もあり、人通りは少なく感じてしまった。

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 店の場所は駅から続く道で新橋を渡ればすぐ左手、道路に面しているので判り易い、開業は2007年だが2014年にリニューアルしているそうで、見かけは新しい印象を受けた。店内に入ると年配の女性が居たので名前を告げるが、後でこの方が店のオーナーだと知った、昼の繁忙時間が過ぎてから訪れたのだが、先客が2組食事中だった。
 席に着くと、もう一人サービスを担当する綺麗な女性が、今日のランチメニューについて簡単に説明してくれる、通常のランチメニューは1,500円だが、今日はあらかじめ遠くから行くのでと、松井料理長に無理を言い、スペシャル内容にしてもらった(笑)。

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・鎌倉のメカブ、栃木県ココファームワイナリーのベルジュ、オリーブオイル

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・鎌倉のトマトが美味しいカプレーゼ

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・8月・鎌倉野菜のサラダ

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・佐島の真ダコ、鎌倉の万願寺唐辛子とピーマンのアラビアータ、ストロッツァプレーティ

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・山形豚、肩ロースのワラ焼き、鎌倉のナスとパブリカ、ハラペーニョ

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・急遽、追加で出してくれたカマス料理

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・焼いた鎌倉トマト、ズッキーニ、ミントのソルベ

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・ヘーゼルナッツの香るチョコ“ジャンドゥイヤ”のタルトと鎌倉のビーツ
・イタリア産コーヒー“オペラ・プリマ”

 まずは野菜の味が鮮烈だ、料理長は鎌倉在住で、地元の生産農家から無農薬野菜を直接購入、店までぶら下げて来るそうだが、それだけの価値はある、例えば北海道の野菜に比べると、力強さより味の奥行きや洗練度を感じる、苦味の中に甘味があり、辛味の中に旨味がある。勿論それを生かす調理技術があってこそだが、改めてイタリア料理は「始めに素材ありき、素材は料理なり」なのだなと理解した(笑)。
 パスタ料理の「ストロッツァプレーティ」とは、「坊さん(神父)の首を絞める」と云う物騒な意味の手打ちパスタ(笑)、麺を両掌で捻って成形するのでこの名が付いたそうだ、ソースと絡んで美味、やはりイタリア料理店では生パスタを食べたくなる。
 台風の影響で鮮魚が入らなかったと事前に説明あったが、「今、魚が届きました」と急遽出してくれたのがカマス料理、魚介も鎌倉の漁師と直接取引し、店まで車で運んでもらっているそうだ、生産者(漁師)⇒店⇒消費者(客)が最短ルートで構成されるので、これは美味しくない筈がない(笑)。
 野菜を使ったドルチェも良かったし、予想の上を行く上質なランチだった、そして支払いは、都心のスタイリッシュ系イタリアンと較べたら申し訳ない位に安い。

 また「古い」と云われそうだが、松井料理長は「ヒデとロザンナ」のヒデさんに少し似ている(笑)、「グラナダ」「サバティーニ青山」等の名門イタリアン出身で、サバティーニ時代は、現「ジャニコロ・ジョウキ」の内野料理長と同じ厨房で働いたそうだ、喋り方は穏やかだが、生産者を盛り上げようとする熱い気持ちに満ちている。
 この料理長を信頼して、全て任せている女性オーナーも立派だと思った、採算や利益追求以上に、何とか地元を盛り上げたい気持ちがあるからだと思う。
 そしてサービスを担当する女性が優秀、私がレストランオーナーならスカウトしたい位(笑)、接客、喋り、間の取り方等、高級店でも通用しそうな対応で、「この人のサービスなら、もう一度来てみたい」と思ってしまう、「最近、女性ばかり褒めていないか?」と勘繰られそうだが、慢性人材不足のこの業界で、一生懸命働いている彼女達はとても素敵だと思う(笑)。

 正直に言うと、訪れた後に「一回行っておけば十分」と思う店はある、料理だけでなくサービスも含めて「これ以上は進歩しないな」と感じた店、片付けコンサルタントの近藤麻理恵さんが言う「ときめかない」店がそれで、この店はもっと進歩しそうだし「ときめく」店だった、また何か用事を作って、いや他に用事が無くても行きたいなと思った(笑)。
 爽やかで美味しい午後になりました、スタッフの皆さんありがとうございました、気分の良くなった私はこのまま麻布十番へ向かう事に。


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麻布十番「ピッツェリア・ロマーナ・ジャニコロ」(2016年5月)

 3月まで同じ職場だった仲間から連絡があり、「退職の慰労会をやりたい、ついては何処か場所(店)を探してくれ」との依頼だった、「普通はそちらで手配するのではないの?」とブツブツ言いながら、それでも店を探してしまうのは、これ一種の「業」みたいなものだ(笑)。
 でも連絡があったのは開催予定日の10日前で、しかも金曜夜で人数は5名との事、これは厳しいぞと思いながら候補店を考えた。旧職場から一番行き易いのは飯田橋・神楽坂だが、予算幾らでもいいと云う訳ではなく、何とか一人福澤諭吉さん1枚には納めたい、でも安いだけでは駄目で料理も良く、それなりに雰囲気いい店となると難しい。一店心当りの店へ電話したが、案の定満席で「さて困ったぞ」と暫し悩んだ。
 こうした時に役立つのが自分のブログで(笑)、過去行った中で条件の合いそうな店を見ていたら、麻布十番の「ピッツェリア・ロマーナ・ジャニコロ」に気づいた、「無理かも知れないが」と電話してみたら、幸運にも席が取れて一安心、旧職場からは少し離れるが、この店なら満足してもらえるだろうとの確信あった(笑)。

 予約時に予算とメンバー構成を伝え、料理内容は内野料理長に全ておまかせにした、過去2回の利用はランチタイムなので夜利用は初めて、どんな料理が出るのか私も楽しみだった。
 店到着後、渡邉オーナーと内野料理長に挨拶、始まったお任せメニューの内容は以下のとおり、

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・アサリとパンの詰め物をした花ズッキーニのフリット

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・皮付きヤングコーンのロースト

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・マグロの頬肉のコンフィ・ローマ風アーティチョーク・グリンピース

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・ジャニコロ風ピッツァ・マルゲリータ

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・千葉県産、豚のロースト、ういきょうとアメリカンチェリー

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・ボローニャ風スパゲッティ

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・マンゴーとオリーブオイルのジェラート

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・キャラメルナッツを纏ったジャニコロ風ティラミス

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・米と梅
・コーヒー

 料理自体の印象はランチ時とそう大きく変わらない、私以外の参加者は初利用だったので、それを考え店のスペシャリテである、マルゲリータとパスタを両方入れたと思う。
 先ずはイカ墨を使った大胆なデザインのズッキーニ料理で、皆のハートをひと掴み(笑)。次のコーンの上に載るのは上質なラルド(豚脂)で、これを使う事によりコーンの味が一段UPしている。
 マグロ頬肉はこれから本番の夏料理、頬肉の脂分にイタリア産グリーンピースの風味が加わると、鮮烈な印象になる。
 ローマピッツァは安定の美味しさで、それに続くのが本日主役の豚ロースト、今回は低温長時間調理バージョンで、まるで「フロリレージュ」の「分かち合う」塊肉みたいだ(笑)、各皿に盛りつけた肉は餅の様な食感が見事、ういきょう&アメリカンチェリーと合わせたセンスもいい。
 締め?のパスタの後は、内野料理長の得意分野でもあるドルチェ2品、味構成・デザイン共に秀逸で親しみ易く何処か懐かしい味、甘党女子&男子は「やられたな」と思う(笑)。ミニャルディーズ代わりの「米と梅」は、お粥の上澄みと青梅のコンポートを合わせ「オニギリ」をイメージしたそうだ、このセンスに座布団一枚(笑)。

 内野氏が作る料理は皿から飛躍している。以前に読んだ或る料理人夫妻をモデルにした小説で、主役料理人の作る料理を「皿からはみ出している」、そう見える位に力強いと表現していたが、それに近い感じがした。最近日本のフランス料理店では、皿の片隅で蹲っている様な、チマチマとした料理に出会う事もあるが、それとは一線を画している(笑)。予算からそう高い食材は使えないが、優れた感覚と技術によって完成度の高い料理になっていた。
 今の東京でも最も乗っている若手料理人の一人だと思う、これは店側が公表しているので、ブログに書いても大丈夫だと思うが、今夏には同じ麻布十番に第2店を開く予定との事、現在の店はピッツェリアとして残し、今度は本格的なリストランテになるらしい、内野氏はそちらに行く予定との事で、どんな店になるのか今から楽しみだ。
 店内は何時の間にか満席に、渡邉オーナーが勧めてくれたイタリアワインも料理に合って美味しく、この日の参加者は充分満足していたと思う、ありがとうございました。

 今年になって東京で訪れた店は、神楽坂「bisous」(1982)、御茶ノ水「ビストロ・ヌー」(1981)、新橋「スブリム」(1982)、稲荷町「キエチュード」(1981)、カッコ内は料理人の生年で「ジャニコロ」内野氏は1980年。
 私が東京で本格的なレストランに初めて行ったのが1978年頃なので、それ以降に生まれた世代が東京食舞台の主役になりつつある、どうやら「君たちの時代がやって来た」みたいだ(笑)。


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麻布十番「ピッツェリア・ロマーナ・ジャニコロ」(2016年3月)

 去年新規訪問した店の中では、料理とデザートが鮮烈だった点で三指に入れたいのが、麻布十番のイタリア料理「ピッツェリア・ロマーナ・ジャニコロ」、ようやく2回目の訪問が出来た。
 今の東京は次々と新店が登場するので、定期的に訪れていた店に「行ってみたい店」を加えると、次の訪問が前回から1年以上経っていたと云う事もありがちだ、更には「今度行こう」と思っていたら、何時の間に閉店していたと云うケースもある(笑)。それだけ店の数に客の数が足りていなくて、熾烈な競争状態になっている。これからは決まった数の客を取り合うのではなく、今までレストランに来なかった客層を開拓する必要がありそうだ、少ないながら「子連れ客OK」の店も現れているのは、店側がそうした点を考慮して来たのだと思う。

 前回は予約しないでフリの訪問だったが、今回は前日に予約して行く事に。花粉症が酷くてマスクをしていたが、ガラス入りドアの前に立っただけで、オーナー兼サービスの渡邉氏が気付いてくれた、さすがは高級店の青山「サバティーニ」出身だけあって、一度でも来た客を忘れていない(笑)、プロは顔だけでなく身体全体の雰囲気で覚えるらしい。
 厨房に近い席に案内されて内野料理長に挨拶する、今回も前回同様に通常のランチメニューではなく「おまかせ」で事前にお願いをしていた、その内容は以下のとおり、

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・アーティチョークの世界

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・ローマ近郊の白、ソーヴィニヨン種

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・マテ貝と白いんげん豆

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・香草を巻いた豚のロースト、ポルケッタ

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・オーナーが見せてくれた、一本焼き上がった状態

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・桜海老と蕗の薹、ドライトマトのスパゲッティ

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・苺のスープに溺れた水牛のモッツァレラ・

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・チョコレートのヴァリエーション

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・エスプレッソとキャラメル(もう一品あったが画像撮り忘れ)

 アーティチョークは伊語で「カルチョーフィ(Carciofi)」、ウィキペディアによると15世紀のナポリ近辺で本格的に栽培が開始され、その後ヨーロッパ全土に広がったとあるので、イタリアが本家本元になる、アスパラガスと同じく春を告げる野菜、フリットがまるで筍の天ぷらみたいで「春が来た」と思った(笑)。続くマテ貝と白いんげんの料理は野菜の扱いが秀逸。
 肉料理は豚の三枚肉をロール状に巻き、蜂蜜と白ビネガーで調味しながらローストしたと聞く、あとで夜用に焼いたものを見せてくれたが、この艶は頬ずりしたい程(笑)。古代ローマ時代には蜂蜜をよく料理に使ったと文献で読んだが、この料理も古代にルーツを辿れるのかも知れない。味は酢豚みたいに甘味と酸味のバランスで豚脂身の旨さを引き立たせる料理、添えられた野菜も美味だし、何を食べさせたいのか明確で「こんな料理が食べたかった」と思わず膝を打ちたくなる(笑)。
 これで終わりかな?と思っていたら、通常のイタリア料理の順番をあえて外して出たのが桜海老と蕗の薹のパスタ、海老の出汁が細いスパゲッティーに絡まり病み付きになりそうに旨い、乾麺でこれだけ感嘆したのは初めてかも知れない(笑)。
 ドルチェが美味しいのも特筆すべきで、この日の2品は客単価2万位の高級店で出しても通用しそうと思った、内野料理長が全て作るそうだが、優れた料理人脳とパティシェ脳を両方持てる人は意外に少ないものだ。

 内野拓料理長は1980年生れ、調理師学校は出ておらずイタリアでの修行歴もない、学生時代にアルバイトで飲食に関わった事から料理に興味を持ち、青山「サバティーニ」で料理人歴をスタート、そこでサービスをしていた渡邉氏と出会い、この店をオープンして5年になる。
 マンガが大好きで尊敬する人は鳥山明と公言するこの料理人、ポロシャツを着て料理する姿は現在でもアルバイト学生に見えなくもない(笑)、決して広いとは言えない厨房で作るのは、人真似でなく皿の上で小さくチマチマとしない料理とドルチェ、何か突き抜けているものを感じさせる、これは新世代の新感覚料理人が現れたなと思う (笑)。
 独立するにあたって、内野氏をパートナーに選んだオーナーの渡邉氏の眼力も凄い、前回来た時はこの料理人の実力ならピッツェリアではなく、十分リストランテで通用する筈だが?と思ったのだが、今回少し考えを改めた、1,000円のピッツァランチも出すし、客の要望次第ではこうした本格的なメニューも同時進行で対応できる柔軟性、これから東京で生き残るのは、こうした店なのかも知れないと思った。

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 レストランでは初回の訪問で良くても、再訪問では「前回の方が良かったな」と思う事は多い、これはファーストインプレッションの新鮮さを超える事が難しいからではと思うのだが、今回再訪問して前回の料理印象を更に上回った、それだけこの料理人には将来性がありそう、現在第二店も計画中との事で、今後ますます楽しみな店になると思う、「グリグリ」「コティディアン」もあるし、やはり麻布十番に住みたい(笑)。


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亀有「イタリ家食堂マルショ」

 葛飾西亀有にある「イタリ家食堂マルショ」は、2013年の11月に開業した地域密着型のイタリア料理店、店主と奥様(たぶん)二人で営まれている。
 亀有のイタリア料理店は、このブログでも何回か取り上げた「ティア・ブランカ」があるが、名前が知られると共に人気が上昇、特にランチタイムは地元のママさん達の集会所みたいになっていたので、足が遠のいてしまった。ベビーカーが並ぶ中で、中年親父が独りでパスタを食べているのは、正直云うと落ち着かなかった(笑)。
 超少子化時代に外食機会が少ない子育てママは応援したいが、それでも自分がその中に入ると「部外者」になってしまうので、これは遠慮した方がいいのかなと云う気持ちになる、この辺がサラリーマン&OLが客対象でない下町地域の外食、特にヨコメシ系店の難しい処だ。
 更に言うと、千円ランチをやればそれなりに客は入る、ただ殆どの人は水しか飲まない、客単価千円で20人来客があっても2万円の収入、そこから原材料費と人を雇っているなら人件費引いたら、利益は何千円でしかない、それならランチ営業は止め、夜から深夜営業にシフトして、アルコール類を飲んでもらい、客単価を上げようとする店も増えている、経営者としては正しい判断だと思う。
 そんな背景もあり、ランチ営業しているフレンチ&イタリアンを見つけるのは、特に下町地区では難しいのだが、この「マルショ」はたまたまWEB上で知った店、我家から自転車で行ける距離なので、平日休みにフリで訪れてみた。

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 店の場所は常磐線亀有駅南口から綾瀬方面へ向かう途中、徒歩だと結構あるし、こう云っては失礼ながら、電車賃を払って来る客より地元客を想定していると思う、近くには意外な程に洒落たブランジェリーやカフェも開店しているので、亀有も昔と随分変わったと思う(笑)。
 店前にはチャイルドシートを取り付けた自転車が数台、「この店にも、やはりママさん集団?」と一瞬不安も覚えたがドアを開ける。
 店は手前にカウンター席とキッチン、奥は一段高くなっていてテーブル席がある、元は寿司屋か居酒屋だったのだろうか?

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 先客はカウンター席に女性3人、奥のテーブル席に2人で、後から2人やって来た、予想どおり全員女性、ただ皆さん割と静かに食事をしているので、この中なら男子一人でも何とか気後れしないで済みそうだ(笑)、カウンター席に座らせてもらう。
 ランチセット(税込1,000円)は、サラダ+前菜盛り合せ+4種類のパスタorドリアから1品+コーヒー、これにランチケーキ(200円)を追加注文した。

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・店の名前が入った特注カトラリーと、犬?の足跡をデザインしたレスト

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・サラダと前菜盛り合せ

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・スパゲッティボローニャ

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・ミルクレープ

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・コーヒー

 アンティパストミストは、この値段だから原価の高い物は使えないが、意外に盛り沢山で味も悪くない、いい加減に作ったものではない。
 続くボロネーゼは割と軽く仕上げてあり、日本の洋食屋で出る様なミートソースとは違う、残念ながら私はイタリアに行った事がないので、本場のボロネーゼがどんな物か知らないのだが、おそらくはこの店みたいな毎日でも食べられる、日常的な物ではないかと思う、最初は少し味が薄いかなと思ったが、食べ終わる頃には丁度いい塩梅だった(笑)。
 ドルチェまで作っているのかは不明だが、これはまあ普通でした、この値段なら文句は言えない(笑)、コーヒーは美味しかった。

 渋い雰囲気の漂う店主は40~50才位だろうか?前菜+パスタを食べただけだが、料理は真っ当で食べて美味しい、「なんちゃってイタリアン」では決してない(笑)。おそらくは何処かのイタリア料理店で働いていたのだと想像する、店のWEBページでは「"Marusho"(マルショ)とは店主の名前の一部からとったもので、全く深い意味はありません」とあるので、「丸」の字が付く名前みたいだ。
 客単価の望めないランチタイムも営業し、千円前後で提供しているのは、「食堂」を店名にしている事からも、地域に根付いて続けようとしているからではないか、こうした店はつい応援したくなってしまう(笑)、近くにあれば日常的に利用したい店だ。

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 以前にもブログに書いたが、駅一つ毎に良いビストロとトラットリア、そして良いパン屋があれば、東京はもっといい街になると思うし、これからそうなる事を期待したいものだ。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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