最後の晩餐にはまだ早い


「北海道開拓の村」(2014札幌食べ続け・番外編)

 食レポートではないが、「札幌食べ続け」の最後に今回唯一観光的な事をした「北海道開拓の村」訪問記を書いておきたい、予想以上に面白い場所だったので、札幌グルメ旅の途中に寄ってみる価値はあると思う。此処がどう云う施設であるかは、当地で貰ったパンフレットの紹介文を一部以下に写させてもらう。
『北海道開拓の村は、明治から昭和初期にかけて建築された北海道各地の建造物を、54.2ヘクタールの敷地に移築復元・再現した野外博物館です。ここを訪れる人たちに開拓当時の生活を体験的に理解してもらうことと、文化の流れを示す建造物を保存し、後世に永く伝えることを目的に1983年4月に開村しました。』
 愛知県犬山の「明治村」、東京小金井の「江戸東京たてもの園」と同じく、建物をテーマにした屋外博物館だ。
 開拓の村へのアクセスは、公共交通機関だと地下鉄東西線「新さっぽろ」駅で下車、JRバス「開拓の村」行で15分程、絵画と違い建物を並べるとなると広い場所が必要になるので、どうしても郊外になってしまう、昨年訪れた野外美術を並べた「札幌芸術の森」は40ヘクタールだから、あれより更に一回り大きい。
 空いている時間を狙って、平日の開村(9時)直後に着くように行ったが、この日は雨が降ったり止んだりする天気で、結果早足で回ってしまった(笑)、天気が良ければゆっくり見る事をお勧めしたい。

 特に印象に残った建物の画像を紹介したい、

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・旧札幌停車場(明治41年/札幌)
 施設管理棟と入場受付(大人830円)がある、旧札幌駅舎を縮小復元した建物

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・旧開拓使札幌本庁舎(明治6年/札幌)
 村内で一番目立つ建物、白と緑の塗装によるコントラストが鮮やか、これも復元施設

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・旧三〼川本そば屋(明治42年/小樽)
 小樽では有名な蕎麦屋だったみたいだ、大きな料亭位の貫録がある、これ以降は移築施設。

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・旧山本理髪店(大正後期/札幌)
 大正モダンな和洋折衷の木造建築、中には理髪中の客(人形)がいた(笑)。

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・旧札幌警察署南一条巡査派出所(明治44年)
 小さいが個人的に好きな建物、東京にも残っている明治の赤色レンガ造り、何処か外国風だ。

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・旧島歌郵便局(明治35年/せたな)
 これも個人的にハマった建物(笑)、函館と札幌の中間位にある島歌の町にあった郵便局、局舎と云うより個人住宅みたいな雰囲気だ。

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・人形(妙にリアリティがある)
 建物の到る所にこうした当時の服装をした人形を配置している、これがちょっと横溝正史的で、急に現れるのでドキリとする(笑)。

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・旧信濃神社(明治30年/札幌)
 これも横溝正史に出て来そうな神社(笑)、長野県諏訪出身者が開拓した土地に建てられたのでこの名を付けたそうだ。

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・旧近藤染舗(大正2年/旭川)
 今は見なくなったが昔は染物商が町には必ずあった、この建物は旭川で一番古い染物店の店舗兼住宅。

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・旧有島武郎住宅(明治30年頃/札幌)
 作家有島武郎が札幌に住んで居た時代の住居、北海道は木材が豊富なので、こうした下見板張りの木造建築が殆どだった。

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・旧青山家漁家住宅(大正8年/小樽)
 小樽沿岸が鰊漁で栄えていた時代の通称「鰊御殿」、この豪壮な建物外観は立派だが中は空間が多いので、相当寒かっただろうなと想像してしまう(笑)。

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・馬車鉄道
 お疲れ様です(笑)、積雪する冬場は橇曳きになるそうだ。

 以上の建物を含めて全52棟が展示されている、建築好きには興味が尽きない場所だし、建築に興味が無くても緑の中で建物を見ながら歩くのは、心身へのリフレッシュ効果があると思う(笑)。
 伝えられる処によると、この施設は財政難から存続が危惧されているそうだが、こうした歴史的文化施設は是非続けてもらいたいものだ、これから増える外国人観光客にもアピールする要素は充分あると思った。
 「2014札幌食べ続け」は今回で終了します。


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LCC初搭乗記(2013札幌食べ続け⑤)

 食べる事を目的にして、フランス料理のレベルが高い札幌を訪れるのは今度で4回目、過去の航空会社はJALとエア・ドゥだった、今回も当初はエア・ドゥで行くつもりでいたが、札幌在住の友人から「LCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)を利用すれば、もっと安く来られるのでは?」との助言を受けた、そこでWEB上で色々調べてみたのだが、それで判った事は、

・LCCのカテゴリーに入る航空会社のうち、現在東京⇔札幌間の路線があるのは、ジェットスターとエアアジア(12月より「バニラエア」に改名)の2社、スカイマークをLCCに入れるのは値段が高いと思う。
・2社共に、東京発着は成田空港である。
・2社の路線価格、発着時間は大差ない。
・サービスや空港での対応等の評判も大差無さそう。
・申込みをするWEBページの判り易さ(判り難さ)も同じ位(笑)。
・機内持ち込み荷物は1個、預け荷物・機内飲食が有料なのも同じ。

 結局、この2社の違いはあまり無さそうで、「CA(客室乗務員)の質が高い」と書いてあった記事を見つけ、それだけでジェットスターで申込みをしてみる事にした(笑)。
 購入は全てWEB上で行う、決済はクレジットカードなので、感覚的にはネットショッピングで物を買う時と同じだ、ジェットスター社のWEBページは、お世辞にも判り易いと云えないが、約2ヶ月前の手続きで9月の平日出発で土曜日帰着、これで手数料込往復一人11,900円、JALやANAの約半額だ、この差は大きい、1万円あれば客単価の安い札幌、それもフレンチ個人店ならディナー1回、ランチ2回分になる(笑)。それなので何とか入力に苦しみながらも予約を完了した。
 予約と支払さえ済ませば、あとは搭乗日を待てばいいのだが、出発時間の48時間前から「WEBチェックイン」が可能になる、プリンターでの搭乗券印刷が必須だが、結果を言うとこれはやっておいて良かった、当日の空港カウンターや機械を使ってのチェックインはそれなりに混んでいたからだ。

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 問題は我家から成田空港までのアクセスだが、一番早いのは京成電鉄のスカイライナーを利用する方法、これなら接続が上手く行けば1時間15分位で着ける、だが問題は値段が高い事、片道計で2,700円位かかってしまう、航空運賃を節約した意味があまりなくなるので、今回は時間に余裕があった事もあり、京成の無料特急で行く事にした、これだと所要時間は1時間40分位で片道1,300円。この他には東京駅発着の直行バスがある、京成が900円で平和交通が1,000円、東京駅までのアクセスが良ければ、これを利用すべきだろう。

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 成田空港でのジェットスターの搭乗手続きは第2ターミナルビルの2階、その端っこに出来た盲腸みたいな場所にある(笑)、延々と歩いて手荷物検査を受け、そこから更に歩いて1階に降り、そのまた先に搭乗口がある。

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 出発30分前になると係員が何処からか現れて搭乗手続きが始まる、ここでプリントアウトした搭乗券のバーコードを読んでもらって完了、当初の案内では「要身分証提示」とあったが、これは何も言われなかった。ここまでで相当歩いたが(笑)この先はバスだ、飛行機は俗に云う「沖止め」なので、そこまでバスに乗って約5分、昔懐かしいタラップを歩いて昇って、ようやく機内へ入れた。ここまでのイメージは何処かで体験したと思ったら、4年前にエールフランスでフランス・リヨンへ行った時と同じだった、あの時もCDG空港でバスに乗って沖止めのフランス国内便に乗った、機種も塗装の色こそ違うが同じエアバスA-320、そのため懐かしくて既視感があった(笑)。

 機内の座席間隔は狭いと聞いていたが、実際に座ってみると窮屈と云う程ではなかった、これでフランスまで13時間乗るのは辛いかも知れないが、新千歳空港までなら1時間半だ、普通の日本人体型の人なら特に問題無いと思う、乗客はやはり若い人が多い、平日だったがほぼ満席だ、別の見方をすると満席にしないと採算が取れないと云う事だろう。「LCCは遅れるのは覚悟しろ」と云われていたが、ジェットスターはJALとの共同運航をしているためか、「定時離発着」をモットーにしていて、この日もほぼ定刻に出発陸した。
 期待していたCAさんについては、なかなか評判どおりで、期待は裏切らなかった(笑)、離陸上昇後安全ベルト装着解除が出ればすぐに機内販売が始まる、何か買っている人は全体の1~2割位だろうか。
 ほぼ定刻通りに新千歳空港に到着、此処はボールディングブリッジ使用だった、やはりゲートは端なので、JRの空港駅までは結構歩いた。

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 長くなったので、復路便は省略するが、これも出発&到着は定刻どおりだった。

 私なりの結論だが、
・くれぐれも時間には余裕を持って行く事。
・空港内でかなり歩くので、キャスター付きのバゲージが楽だ。
・荷物が多い場合は、到着日に合わせ一部を宿泊先へ宅配便で送る(私はこれをやった)。
・早朝出発の場合空港近くで宿泊するのも一考、遅便で帰る時は遅れる事も考慮し、翌日は出来れば休みにしたい、あとはバスで東京駅まで行き、電車が無ければカプセルホテルを探すかネットカフェ(笑)、場合によっては空港泊も覚悟。
・航空運賃を節約出来た事で、かえって無駄な支出をしなくなった(笑)、特に空港で売っている土産品類は高いので買う気が起きなかった、空港内飲食店も同じ、ホッケ(本物ではない)の干物焼いただけの定食が1,500円とはどう考えても高いと思う(笑)。

 帰って来た直後は、「経験で一回乗ればいいか」と思っていたが、時間が経ってみると、「次行く時もLCCかな」と考え直した(笑)、それだけ価格面での魅力は大きい。一度経験すると、LCC利用はもうベテランユーザーになった気もしている(笑)。


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ロイヤルホスト「ハンバーグ&シーフードフェア」

 テレビ東京で放映している日本経済がテーマのTV番組「ガイアの夜明け」、4月末の「人気外食チェーン価格攻防の裏側」と題された特集の中で、大手ファミリーレストランチェーンの「ロイヤルホスト」が、従来の格安メニューから脱却し、商品の付加価値を高め他社との差別化を図るため「高級路線」へメニューを変更する戦略を取り上げていた。その一環としてハンバーグ、メンチカツと云った定番メニューの材料を厳選化し価格も上げ、更にはフランス料理店と同じ前菜を用意する、それも「赤ピーマンのムース」や「野菜のテリーヌ」と云った本格派の物だと番組では紹介していた。
 これは面白そう、本当に「本格派」ならフレンチ&イタリアンを含めて、街場の洋食店の脅威になる筈と思い、とにかく行って体験してみようと思った(笑)。

 WEBで調べて我家から一番近いロイヤルホストを探し、平日休みに自転車で行く事に(笑)、このメニューが提供されるのは午前11時からなので、それに合わせて到着した、前回ファミレスに入ってからは十年以上経っている(笑)。この日は平日昼なので店は空いていた、お客はママ友達の集まりと高齢者夫婦と思しきカップル、一人客は少ない、女性店員に奥まった良い席に案内され、すぐ持ってきたメニューを眺める。

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 TVで紹介していたのは「ハンバーグ&シーフードフェア」と云うフェアメニューになり、メインはハンバーグ、メンチカツ、カニピラフ、海老&帆立フライ、海老と帆立のグリル、シーフードドリアの6種から選ぶのだが、「国産黒毛和牛と黒豚粗挽き手ごねハンバーグ」(1,134円)に決め、「選べる前菜セット+ライス」(609円)を加える、これに期待していた「赤ピーマンのムース」と「11種野菜の自家製テリーヌ」が含まれる(笑)。
 注文後すぐに運ばれて来たのが、その「赤ピーマンのムース」と「11種野菜の自家製テリーヌ」、いつもフランス料理店での時間の進み方に慣れているせいか、この早さはかえって戸惑う(笑)。

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・「赤ピーマンのムース」
 小さなガラスの容器に入っていて、見かけは店売りのスイーツみたいだ、スプーンですくって食べると、ピーマンの香りは微かにするが、脂肪分(クリーム?)が勝ってしまい本当にスイーツみたいな印象。

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・「11種野菜の自家製テリーヌ」
 TVで見たのよりちょっと「ユルイ」感じ(笑)、食べてみると見かけとは反対にゼラチンが固く、テリーヌと云うより「ゼリー寄せ」みたいな食感だった、野菜の味は悪くないがテリーヌにする必然性があまり感じられない、これなら全部温野菜にして「ガルグイユ」とでもした方が良かった(笑)、でもファミレスに来る人で「ガルグイユ」知っている人はまずいないだろうけど(笑)。

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・「国産黒毛和牛と黒豚粗挽き手ごねハンバーグ」
 これは普通に美味しかった、ステーキ専門店で出してもおかしくないレベル、ソースはポン酢とブラウンバターの2種、結論を言ってしまうと、これにライスと「ツナとタマゴのサラダ」(302円)でも付けた方が良かったかも知れない(笑)。

 全部食べての印象は、これで1,743円なら、私なら同価格帯のビストロランチに行くなと思う(笑)、少々期待が大き過ぎた。でもこの高級路線が失敗かとなると、そうは言えないと思う、例えば小さい子供を連れた親がこうした「日常より少し贅沢」な食事の場を探すとなると本当に少ない、更には駐車場を完備し、個人店と違い中休みがなく何時間居たとしても何も言われない店となると皆無だろう、この意味でファミレスの高級路線は選択肢として有りだと思う、ここならバリアフリーだし、先日来マスコミを騒がした車椅子での入店も何ら問題ない筈だ。
 ファミレスがこれだけ浸透した今の日本で、これから個人店と地域の中でどう共存して行くのか、業界だけでなく社会全体で考える必要があると思う、ファミリーレストランだからと視野に入れていなかったら、コンビニが街場のパン店や和洋菓子店の脅威になった様に、やがて客が皆そっちへ集まっていたと云う事にもなり兼ねない、各社がこの高級路線を目指せば、更に競争は激しくなり料理も進化する筈だ。
 色々な事を考えたファミレス体験、面白かったが「もう一度行きたいか?」と訊かれたら、答えに詰まってしまいそう(笑)。


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東京駅と「KITTE」

 八丁堀のフランス料理「シック・プッテートル」での贅沢ランチに満足した後、歩いて東京駅まで出かける事にした、現在駅周辺は再開発ラッシュで、ここだけ見ると「不況何処吹く風」と云う感じだが、これらのビルが埋まると云う事は、何処かのビルのテナントが空くという事ではないか?日本経済全体が回復しているとは、まだとても言えない気がする。
 東京駅の駅舎は5年半に及ぶ大規模な改築工事が殆ど終わり、3階部分の屋根が復元された。一時は見物客が殺到していたが、さすがに半年経つと話題性が薄れたのか、工事前と変わらない駅に戻りつつある、この駅舎は八重洲口と丸の内口から見たのとでは、ずいぶんと印象が違う、丸の内つまり皇居側から見るのが正面の筈だが、全景を見るためには相当皇居側に引かねばならず、そこまで行くのは面倒なので、丸ビルか今度出来た「KITTE」側から見れば十分かも知れない(笑)。個人的な建物の印象を言うと、塗装等がまだ新しくピカピカ過ぎで、十年から二十年後位にもっといい味が出て来そう。
 実は私の縁者にこの駅と関わりの深い人物がいるのだが、私が生まれる前に物故していて会った事はなく特別な感慨もない、ただ改築は京都駅みたいな駅舎にしなくて良かったと思う程度だ(笑)。

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 写真を撮るだけでなく、近くの路上でこの駅舎を水彩画で描いている年配の女性が居た、これだけ往来の激しい中で、凄い実行力と度胸だなと感心する(笑)。
 この日東京駅よりも行ってみたかったのが、旧東京中央郵便局の建物を改築した複合商業施設「KITTE」だった。中央郵便局の旧庁舎は取り壊すか壊さないのか、当時の総務相を巻き込んで騒動になり、一応「一部保存」と云う曖昧な決着が付いた、これがあったので、今回どんな建物が出来たのか、期待半分失望半分予想で見物したのだが、意外にも?想像より良かった(笑)。設計は根津美術館や新歌舞伎座を担当した隈研吾で、今回のコンセプトも新歌舞伎座と似ている、前方に旧庁舎の外観を残して回廊型の商業施設とし、後方は目立たない様に高層のオフィスビルにする、この場合難しいのが両者間の「繋がり」だが、見た限りではかなり上手く処理していると思った、現在日本で一番乗っている建築家かも知れない。特に感心したのが回廊型のショッピングエリアで、採光がとても良く気分が明るくなる、これは「これから何か買おう」と気持ちを高揚させるには大事だ(笑)、同じ回廊型ながら暗い「表参道ヒルズ」より断然こちらを採りたい。

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 「KITTE」へ行ったもう一つの目的が、この建物の2、3階に入っている「インターメディアテク」を見たかったからだ、これは東京大学総合研究博物館と日本郵政が共同運営を行うミュージアム・スペースで、既に訪れた知人から「あそこは訪れる価値がある」と聞いていたので、行ってみたいと思っていた場所だ。

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 東大が開校以来収集して来た、学術標本や研究資料を常設展示する一種の「博物館」だが、あえて小難しい名称にしたのは、パンフレットによると「各種の表現メディアを架橋することで新しい文化の創造につなげる『間メディア実験室』に由来します」と説明がある、でもこの文章読んでもよく判らない(笑)。陳列されている物は高尚なアカデミズムに陥らず、素人が見ても面白かった。特に鳥類の剥製は必見、種類や量は世界に誇れる規模ではないかと思う。

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 特質すべきは入館料が無料な事、これだけの施設維持には相当費用がかかる筈だが、あえて無料にしたのは立派だと思う反面、500円位取った方がもっとありがたさが増す気がする(笑)。ここは東京駅に来たら寄ってみる価値あり、今まで自然標本に興味がない人でも、きっと面白いと思う筈だ。
 再開発された丸の内周辺は、渋谷や新宿と違って我々年齢層の高い人間でも、それなりに楽しめる街だと思う。
 ※なお、インターメディアテク内の画像はWEB上から引用しました。


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「傘工房ワカオ」の傘

 やがて来る雨降り季節のため、いい傘が欲しくなった、雨を防ぐだけならコンビニで売っている300円のビニール傘で足りるが、あれが嫌だなと思うのは、ちょっとしたレストランのレセプションに預ける時(笑)、足元ならぬ傘元を見透かされるみたいで、手渡すのに気後れしてしまう。

 町中から「傘屋さん」が消えて久しいので、傘は何処で買ったら良いのだろうと、WEBで調べてみたのだが、今はこの業界も寂しい状況になっているのを知った、まずは前述の300円ビニール傘、更に安い105円ショップで売っている物もある、これを日常に使う人は8割位いるのではないか?これでは嫌だと思う人が買うのが、ホームセンター等で売っている1,000~2,000円位の傘、これは殆どが中国製だ、まともな国産品は無いのだろうかと調べたら、ごく小規模な生産者がハンドメイドで作っている処が数か所ある位、自社製品として売る場合と、デザイナーズブランドを冠してデパート等で売られる事もある、これは最低でも1本1万円前後の高級品だ、今国内で作ろうとすると、材料費や人件費でどうしてもこの位の値段になってしまうという事だ。

 自社製を売っているのは東京でも3、4店、先ず一番名前が知られているのが台東区の「前原光榮商店」
http://maehara.co.jp/index.html
 次に日比谷線の仲御徒町駅近くにある「傘工房ワカオ」、
http://www.wakao-kasaya.com/
 自社製ではないみたいだが、ファクトリー物を専門に扱う「神田の傘や」
http://www.rakuten.ne.jp/gold/kasa/
 この辺りが引っかかったが、不思議な事にこの3店は近いので、その気なら半日でも回れる(笑)

 この中から勤め帰りに一番行き易い、「傘工房ワカオ」を訪ねてみる事にした。
 これが予想以上に古い店舗で、中では職人風な爺様が一人で傘を手入れしていて、とても入り難い雰囲気、意を決して入ろうとしたら、建て付けが悪くガラス引き戸が開かない(笑)、それでも何とか戸を開け「傘を見せてください」と呼びかけたら、この爺様が出て来て色々と説明を始めたのだが、これがまた長い(笑)、傘の話で止まらなくなった、江戸職人の血を引き継ぐ、相当「煮えている」人みたいだ(笑)、話によると今迄にTVや雑誌の取材を何回も受けているとの事、男性用雨傘を探しに行ったのに、いつの間にかこの人が作った女性用日傘の自慢話?になっていた(笑)。

 結局選んだのはこの店オリジナルの葡萄木の柄が付いた黒色の長傘、柄だけでなく中棒(シャフト)も天然木だ、値段は12,000円也、300円で傘が買える時代に「高い」と思われるかも知れないが、持ってみた軽さと高級感はかなりのもので、所有する満足感は高い。傘の布地は柄入りで、近くで見ると高級カーテンみたいな雰囲気もあって、あの爺様見かけによらず洒落ている(笑)。

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 これなら、雨の日にレストランで「ドーダ、この傘いいだろ」と、ドヤ顔で預けられそうな気がする、そのためなら12,000円は惜しくない(笑)。これを読んでいるレストラン関係者は、こうした傘を持っている客が来たら、傘を褒めるときっと嬉しがると思う(笑)。

 ただ残念な事を聞いてしまった、この傘屋は三代続いているが、当代の70歳過ぎの職人には後継者がいないそうだ、と云う事はこの傘が買えるのは、もう何年も無いのかも知れない、このままでは東京職人の伝統がまた一つ消えてしまいそうだ、「いっその事弟子入りして、傘職人になろうかな」と思ってみたりもしている(笑)。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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