最後の晩餐にはまだ早い


2014年「今年印象に残った店」(デザート編)

 料理編に続いてデザート編になるが、これもフランス料理店が多く、且つ料理編と店が殆ど重なってしまった、「料理は駄目でもデザートだけは良かった」と云う店は無く、「駄目な店は何を出しても駄目」なのかも知れない(笑)。
 まず挙げておきたいのが、大阪の下町布施で輝いているフランス料理店「パパノエル」からで、

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・キンカンのムース天津甘栗のモンブラン仕立、メローゴールドのゼリー、キャラメル風味のアイス、ココナッツミルクとバナナのフラン

 「パパノエル」の奥田料理長とは同世代の、六本木「トレフ・ミヤモト」宮本料理長の、

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・あまおう苺のピュレとソースボール、パンナコッタ、濃縮牛乳のアイス

 宮本氏と同じ「クラブ・ミストラル」のメンバー、人形町「イレール」島田料理長のシンプルな、

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・チョコレートのスフレ

 赤坂の店を閉めた後、北区駒込で再開した「レザントレ・コウジイガラシ・オゥ・レギューム」五十嵐料理長の野菜を使ったデセール、

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・茄子のクレームブリュレ、茄子の赤ワイン煮、西瓜

 こうして並べてみると、「いい料理」は感性と若さでも作れるが、「いいデザート」は経験と反復が何より必要なのかなと思う。
 U-40世代料理人の店で印象に残ったデザートは、まず八丁堀「シック・プッテートル」生井料理長の、

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・キャラメルショコラをアマレットのエスプーマで包んで

 パティシェ経験のある料理人、代官山「ル・ジュー・ドゥ・ラシェット」高橋料理長の、

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・ショコラバナーヌ、パッションフルーツソース、バナナのグラス

 この店を外す訳にはいかない、南青山「フロリレージュ」川手料理長の、

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・カマンベールのクリームを詰めたシュー、糖蜜のグラス

 伝統料理を現代ビストロ風に変容させる腕利き料理人、麻布十番「ビストロ・コティディアン」須藤料理長の、

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・イチジクのタルト、バニラアイス

 フランス料理店以外で印象的だったのは、四谷荒木町「大原」の大原料理長の奥様が作られた、爽やかな夏の甘味で、

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・自家製水ようかん

 
 最後にちょっと意表を突かれたのが、代々木八幡「アルドアック」酒井料理長(と云っても一人だが(笑))の、

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・洋ナシコンポート、パニラとオリーブオイルのアイス、イチジクスライス

 残念ながら店売りスイーツには、あまり印象に残るものがなかった。

 一年間このブログをお読みいただきありがとうございました。「アベノミクス」なる言葉が独り歩きしていたが、実体経済の回復はまだまだ遠い先の現実、加えて食材料の高騰や人材難等、飲食店には冬の時代が続いているが、若手料理人それも1980年代生れが登場、海外でも日本人料理人が沢山活躍しているし、将来にはそれ程悲観しなくてもいいのかなとも考え直している。
 来年は少しでも食業界が明るくなる事を願っています。

 最後に、皆様にとって来たるべき新年が、希望を持てる一年である事をお祈りします。


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2014年「今年印象に残った店」(料理編)

 ブログ更新も年内はあと2回の予定、そこで毎年恒例の「今年印象に残った店」を挙げておきたい。「料理編」と「デザート編」に分け、それぞれ今年特に印象的だった料理&デザート画像と共に紹介するが、選んだ店はやはりフランス料理が多くなってしまった(笑)。
 まずは料理編からで、今年初めて訪問した店からは、

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・四谷荒木町「懐石 大原」
 1月に初訪問、目白にあった名店「和幸」の衣鉢を継ぐ若手料理人大原氏の店、茶懐石の精神を感じさせ、正統的で姿勢を正したくなる料理、予約が取り難くなっているが来年も訪れたい店だ。画像は初訪問時の「牡蠣と天王寺蕪の味噌仕立煮」。

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・大阪高麗橋「旬菜 桜花」
 2月の関西旅行時に訪問、大阪食材に拘った独学派の和食料理人森田氏が作る料理は個性と色気がある、過去大阪和食は再訪したい店が殆どなかったが、此処はまた訪れたいと思う、画像は「田辺大根のすり流し」。

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・代々木八幡「アルドアック」
 モダンスパニッシュの新星、カウンター席だけの店で若手料理人酒井氏が一人で全て回すが、そのハンデを感じさせない多彩な料理を繰り出してくる、来年はこの種のワンオペレーション店が増えると予想している。画像は「ピキージョと椎茸の詰め物」。

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・代官山「ル・ジュー・ドゥ・ラシェット」
 才能溢れる若き高橋料理長の繰り出す閃きとクリエーションが体験出来る店、遊び心とアイディアに満ちたムニュ・デギュスタシオンは、今東京で一番面白いかも知れない、来年目が離せない料理人の一人。料理は「42度の鰯、ジャガイモのピュレ」。

以下はリピート店、それもフレンチばかりだが、

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・麻布十番「グリグリ」
 去年から注目している店の一つ、名古屋からの移転2年目で東京客との折り合いが付いたのか料理が進化した、と云うより伊藤料理長が本領を発揮してきたと思う、今東京フレンチでお勧めしたい旬の店、画像は「栃木産鳩のコンソメとトリュフと春菊のベルランゴ」。

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・南青山「フロリレージュ」
 この店については色々と書いて来たので繰り返さないが、東京を代表する若手料理人の名店、星が瞬かないのはブラックジョークとしか思えないが、来年は移転を控え、川手料理長の次なるステージに期待が膨らむ。画像は「熊本天草産車海老とフォアグラ、焼き茄子のソース(45℃の海老)」。

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・和歌山「オテル・ド・ヨシノ」
 今年1回しか伺えなかったが、手島料理長は今絶好調だと思う、レストランスタッフは何人か交替したが、高いレベルを維持しているのは、彼の優れたリーダーシップによるものだろう、画像の「ブレス鶏のベッシー」は今年最高の料理体験。

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・大阪上本町「コーイン」
 店で使う野菜まで自ら作る孤高の料理人が営む、非現実的な高原価レストラン。手間がかかり過ぎ他の料理人が尻込みする面倒な仕事を苦も無くこなし、客が目の前に置かれた料理に驚愕しているのを、厨房からドヤ顔で眺めている湯浅料理長は健在だった(笑)。料理は「自家菜園の野菜のエチュベ、トリュフ風味」。

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・札幌「プロヴァンサル・キムラ」
 毎回レベルの高さに感心する札幌フレンチから「今年の一軒」を選ぶならこの店、素敵な木村夫妻が営む素敵なレストラン。今野菜料理がブームだが「美味しい野菜」と「美味しい野菜料理」は違う、本当に美味しいと思ったのは、この店の旭川野菜と前述の「コーイン」、それと東京駒込の「オゥ・レギューム」に、最近行ったばかりの「Bio-S」だろうか。画像は「滝川産合鴨スノーホワイトチェリバレーのロースト」。

 最近は若手料理人の店を回る事が多かったが、今年行ったベテランシェフの2店でベテラン健在を知り、同年代として嬉しかったので(笑)紹介しておきたい。

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・六本木「トレフ・ミヤモト」
 宮本料理長の「黒ムツと平貝、季節の野菜、ソースベルシーとオランデーズ」

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・人形町「イレール」
 島田料理長の「軽く燻製した仏産プーサンのロースト、ゆず胡椒ソース」

 最後に定点観測中の

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・神楽坂「オー・トレーズ・ジュイエ」
佐藤料理長の新作「秋のフルーツのフリカッセ、フォアグラのアイスパウダー」を挙げておく。

 次回はデザート編を紹介したい。


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2013年総集編「今年印象に残ったデザート&スイーツ」

 今年印象的だったレストランデセールでは、まず挙げておきたいのが大阪・上本町「コーイン」の、

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・ガトー・マルジョレーヌ、ピスターシュのグラス
 
 店で出すバターにチーズ、サラミに生ハム、果ては野菜まで自分で作らないと気が済まない稀有な料理人、これからは牛や鶏を飼い、器やテーブルに椅子まで作り出すのではないかと、皆は期待?しているが(笑)、その料理人が古典を基に納得するまで試作を繰り返した名デセール、「ピラミッド」の時代よりずっと軽くなっている筈だが、何故かフェルナン・ポワンの亡霊を見た思い(笑)。

 青山「フロリレージュ」のデセールは毎回楽しみだが、今年特に惹かれたのが、

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・ガトー・ショコラ「青山の土」

 先月刊行されたフロリレージュの料理本にルセットは載っているが、これは店でメートルのクイズ?付きで体験する事に意義がある(笑)、それなので「一期一会」とも云えるデセールだ。

 今年一番通った八丁堀「シック・プッテートル」からは、おなじみの、

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・キャラメルのムース、チュイールとパンケーキ、バナナとレーズン

 一人厨房(当時)では手の込んだデセールを作るのは困難を伴うが、それでもこの出来は立派。現在はスタッフが増えたので、もっと手を加えたものになっているが、方向性は変わっていないと思う。

 ベテラン料理人の「おはらス・レストラン」からは、

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・生落花生のブランマンジェ

 三田「コートドール」の「ココナッツ風味のブランマンジェ」と似ているが、味わいは少し違う、こちらの方がより濃厚で舌に旨味が残る印象、白い皿に白いデセールのビジュアルは、エンリコ・カステラーニの現代アートみたい。

 見かけはそのブランマンジェに似ているが中身は違って、神楽坂「オー・トレーズ・ジュイエ」の、

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・フレンチ大福(笑)

 求肥の中に刻んだフルーツとジェノワーズ生地を詰めたもの、遊び心満載の「カグラザカ・テロワール」の逸品、近々「フレンチ大福ver.2」が登場予定?(笑)

 そして今月体験したばかりだが、麻布十番「ビストロ・コティディアン」の、

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・ラム酒風味のクレームキャラメル

 見かけは普通だが、結局はこうした物が一番美味しい、ビジュアル優先なデセールが「美人は三日で飽きる」とすれば、「地味な花」の美味しさは普遍だ(笑)。

 以下はパティスリー物になるが、先ずは南千住「パスティチェリア・バール・アルテ」の、

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・リコッタチーズのケーキ

 コンビニスイーツに対抗するには、街場のパティスリーも変革しないといけないと云う実例、イタリアンドルチェはこれからもっと注目されていいと思う。

 小樽の製菓メーカー「ルタオ」が運営する、新しいタイプのパティスリーが表参道に誕生、その「グラッシェル」の、

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・アントルメグラッセ三種(杏仁、マンゴーパッション、フィレノワピスターシュ)

 素敵なサロン・ド・テを併設し、そこでいただくアントルメグラッセ(アイスクリームケーキ)は、これから東京で新たな潮流となりそう。
 こうして並べてみると、私はやはりシンプルなものが好きなのが判った(笑)。

 今年もこのブログにお付き合いいただき、ありがとうございました。
 東京では年初立て続けに個人店が閉店し、暗い気持ちになったが、それと「選手交代」するみたいに幾つか新店も誕生した、来年も「アベノミクス」なる景気上昇傾向が続き、その還元が飲食業にあるかは疑わしいと思っているが、新たに業界に参入した個人店は、長く続いて欲しいと願わずにはいられない。蟻一匹みたいな微力だが、真摯に「食」に取り組む彼・彼女達を応援したいと思っている。
 それでは、どうぞ皆様良いお年をお迎えください。

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2013年総集編「今年印象に残った店と料理」

 今年も残すところ数日、このブログ更新もあと2回の予定なので、昨年同様「今年印象に残った店&料理」を書いておきたいと思う、これは記憶力が急速に衰えている自分の備忘録の意味もある(笑)。
 
 今年体験した日本のレストランの中から3店を選べば、「フロリレージュ」(東京・青山)、「コーイン」(大阪・上本町)、「オテル・ド・ヨシノ」(和歌山)で昨年と変動なし、この3店についてはブログやFBで色々と書いてきたので、改めては語らないが、特に感銘した料理画像だけ挙げておく、
まずは「フロリレージュ」の、

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・北海道仔羊のロースト

「コーイン」の料理中、前菜(前菜です!!)で出てきた、

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・ベカスのアンクルート、ソースペリグー、山盛りトリュフのサラダ

「オテル・ド・ヨシノ」の濃厚華麗なヴィアンド、

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・大和鹿のロワイヤル

 この3品の画像を見ているだけで、もうお腹一杯になって来た(笑)。
 以下は都内の店になるが、今年一番多く訪れたフランス料理が、八丁堀「シック・プッテートル」だ、5月の初訪問以来5回訪問した事になる、画像は初回時に最も印象的だった前菜、

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・茄子と鳥貝、カラスミ、アボガドのピュレ

 或る人がこの店を評して「絶妙なアンバランス」と言ったが、これはなかなか名言(笑)、行っていない人には「とにかく一度行ってみて下さい」としか言えないのだが、生井料理長の個性溢れる料理構成と星オーナーの軽妙なサービスのコンビはとてもユニーク、店を出た時に「今日、この店へ来て良かった、楽しかった」ときっと思う筈だ。

 「シック・プッテートル」と同時期に開店し、個性的な料理に瞠目したのが、麻布十番の「グリグリ」、店主とマダム2人で営む小さな店だが、料理&サービスのポテンシャルは「シック~」に決して引けを取らないと思う、来年はもっと注目される店になる筈、画像は斬新な野菜料理で、

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・ホタテと根セロリのパラドックス

 最近は若い料理人の店ばかり行っているが、「ベテラン健在なり」を見せつけられたのが、大崎「おはらス・レストラン」で、料理を体験して今まで訪れていなかったのを激しく後悔した(笑)。1960年代にシベリア鉄道でフランスに料理修行に渡った小原料理長の、40年に及ぶキャリアとエスプリを、その料理から充分感じる事が出来た。古臭さがなく、そうかと言って変に日本化されていない正当料理を、落ち着いた空間で体験できる大人の店、まだこれからも続いて欲しいと願う。画像は初回訪問時の、

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・徳島産阿波赤牛いちぼ肉の直火網焼き、ベアルネーズソース添え

 大ベテランの小原氏とは対照的に「新星登場」を感じたのが、秋葉原「ビストロ・ヌー」、磯貝料理長は33歳の若さながら「料理力」が抜群、パリのネオ・ビストロの戦場みたいな厨房を体験していて、とにかく料理が早い、修羅場を潜り抜けているので胆力が備わっている、これから楽しみな才能だ、料理は3回目に体験した、

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・サーモンのミ・キュイ、レモンのソース

 9月に訪れた札幌のフランス料理店4店は、どこも優秀で個性があり、甲乙は付けられないが、ただ料理として一番感銘したのが「バンケット」の肉料理で、

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・当別産黒豚とレギューム・ア・ラ・グレック

 低温オイルの中で火入れした道産豚に、ヌーベルキュイジーヌの代表的野菜料理を合わせたセンスは見事。近い将来札幌のフランス料理は世界を席巻するか?(笑)。

 意識したわけではないが、フランス料理店ばかりになってしまった(笑)、そこで1店だけ別ジャンルの料理を挙げておく、大阪・北新地の天ぷら店「ひら石」、ここで出たのが、

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・鳥取産大椎茸の天ぷら

 これは物凄い椎茸料理だった、天ぷらと云う優れた調理法により、「椎茸を超えた椎茸」になっていると思った。この店の特にランチはお得、行ってみる価値充分だと思う。
 
 次回は「デザート&スイーツ」編を書く事にしたい。


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「4割打者は何故消滅したのか」(2013春関西食べ続け-あとがき)

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 濃厚な「関西食べ続け旅行」から帰って来てからは、ヘビー級ボクサーと殴り合いをした後みたいで、しばらくは頭が朦朧としていた(笑)。少し時間が経ち、パンチドランカー状態から立ち直りかけてから、ずっと疑問に思っていた事があった。それは「何故、関西では、時に飛び抜けた若手料理人が現れるのか」と云う事。

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 フランス料理界だけを見ても、今回訪れた和歌山「オテル・ド・ヨシノ」の手島(以下、敬称は略させてもらう)、大阪・上本町「コーイン」湯浅の料理は抜き出ていた、更にはスペイン料理だが、富雄「アコルドゥ」の川島、大阪・堺筋本町「Fujiya1935」の藤原も、この「飛び抜けグループ」に入れたい気がする。
 あくまでも個人的感想だが、今の東京圏でここまで傑出した料理人に出会えていない、どの店もサービスや環境も含めた総合力向上を目指す傾向にあり、肝心の料理はどうも細部のいじり過ぎが目立ち、料理を食べ終わった時に、涙腺が緩んで来るような感動を受ける事がない。もちろん全体のレベルは上がっている事は認めたい、フランス料理界の「偏差値」を東京と大阪で比べたら、これは東京の方が上だと思う、平均値は高い事を認めた上で、私の様な「すれからし」の料理好きの期待に応えてくれる、4割打者みたいな料理人が東京にも現れて欲しい、こう考えた時に思い出したのが、米国の古生物学者、グールド博士の唱えた「4割打者は何故消滅したのか」論だった。

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 名門ハーバード大学教授だった故スティーブン・ジェイ・グールド(1941~2002)は、古生物研究の第一人者で生物進化の著書を多数残しているが、同時に大のベースボールファンで知られ、野球関係のエッセイも多く書いていた。その彼が1941年のテッド・ウィリアムスを最後にMLBで4割打者が出現していない事に注目、科学者らしく「何故、4割打者が生れないのか」と云う単純な疑問から始まり、過去の記録を検証してみた。
 その結果、MLB全体の打者記録を調べてみて、打率上位5選手の平均打率と下位5選手の平均打率の差が年々少なくなって行く事を発見した。20世紀前半の4割打者が頻繁に生まれた時代には、下位には打率1割前後の打者が相当いたそうだ、博士はこの検証の結果、「技術の向上は均質化をもたらす。」という結論を導き出す。つまり、現在のMLBは飛び抜けて傑出した選手は居ないが、どう仕様もないペケな選手も居なくなった、全体のレベルが向上し、最高と最低の差が少なくなった事で、「MLB打者」という「種」は、各自の能力差が少ない安定した進化の状態になっていると、生物学者らしく結論付けた。

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 私はこの説を知って、思い当たったのが東京のフランス料理店の状況、これに似ているのではと思っている(笑)。今から20年前の「コートドール」斉須や、「アピシウス」高橋の料理はまさに4割打者の料理だった。現在、東京全体のレベルは向上し、最低に会うことは少なくなったが、飛び抜けた存在も無くなった気がする、打率なら2割8分から3割2分の間に何人も集まっている感じだ(笑)、そして同じ印象はフランス、特にPARISの料理にも共通して感じていた事だった。

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 関西料理界にはまだ4割打者が居た(笑)、これは関西の関係者に怒られるかも知れないが、全体としては「進化の途中」だからとも言えそう。そうすると関西の4割打者を東京に連れて来れば良いのではとも考えるが、過去他チームの4番打者を連れて来て、あまり上手く機能しなかった在京有名球団の例がある様に、4割打者が存続するには土壌と環境が大きく影響するみたいだ(笑)。
 料理界の4割打者に会いたかったら、迷わず関西へ行くべき、それも今のうちでないと、やがては種全体の「進化」により淘汰されてしまうかも知れない(笑)。
 (なお画像と本文とは、直接の関係はありません。)


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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