最後の晩餐にはまだ早い


押上「トリトン 東京ソラマチ店」

 食ジャンル中でも色々な愛好家が存在するが、回転寿司好きな人達が結構居る、ラーメンや牛丼等と同じく「一人飯」には向いていて、且つ家族連れにも対応可能、これから単身者が増え、家族形態が多様化する日本では成長産業に見込める。
 回転寿司好きな人のブログ等でも評価が高い寿司チェーンの一つが、北海道北見市本社の北一食品㈱が運営する「トリトン」、私も今秋の札幌行で訪問予定に入れていたのだが、店まで行って行列の多さに断念したので心残りだった。以来東京に2つある支店のどちらかへ行こうと思っていたが、今回墨田区内へ出かける用事があったので、東京ソラマチ内の店舗へ、やっと念願の初訪問を果たす事が出来た(笑)。
 我家からのアクセスが少々複雑で、スカイツリー本体へ行く場合は、北千住から東武鉄道で浅草行に乗り「とうきょうスカイツリー」駅が便利だが、商業施設「東京ソラマチ」はその手前になるので結構歩く、調べたら東武と相互乗り入れしている、地下鉄半蔵門線の押上駅の方が近く、北千住では半蔵門線に乗った。
 押上駅を降りたら、其処はもう東京ソラマチの地下3階と直結していた、エスカレーターで6階まで上がる。

     161128-1.jpg
 レストラン街に着いたのは開店前の10時40分頃、「一番乗りか?」と思い店前に行ったら、既に座って待つ家族が居た(笑)、この日は平日だったが、土日祝等は開店時間前にも長い行列が出来るとの事だ。
 11時になり営業開始、店員の案内でカウンター席に座るが、続々と客がやって来て6割位席が埋まり、退店時間にはほぼ満席になっていた、さすがは人気店だ。

     161128-2.jpg
 割り箸ではなく共有の洗い箸使用、収納はラーメン店等で見かける省スペース仕様。
 回るレーンに乗っている寿司もあるが、基本は注文でお願いした、以下にこの日食べたものを全部ではないが紹介する。

     161128-3.jpg
・北の旨いもん三種盛り(税別530円)下から「活ほっき」「北海にしん」「たこの子」

        161128-4.jpg
・生いか(150円)

     161128-5.jpg
・活ほたて(530円)

     161128-6.jpg
・でっかいぼたん海老一貫(630円)

     161128-7.jpg
・浅利の味噌汁(290円?)

        161128-8.jpg
・〆さば(190円)

        161128-9.jpg
・シャキシャキサーモン(240円)

     161128-10.jpg
・穴子(290円)

 この他にカリフォルニアロール(290円)、鉄火巻(190円)、よせばいいのに誰かが美味しいと云っていた、デザートのプリン(290円?)まで、寿司屋行って鮪食べずにプリン食べるべきではないと悟った(笑)。
 北海道からの直送と思う寿司種はやはり美味しい、特に烏賊、帆立、サーモンは秀逸、看板商品のぼたん海老も美味しいが値段も高いので、これはまあ一回経験しておけばと云う感じか、反面巻物類はごく普通だった。全体的にご飯(シャリ)の部分が大き目なので、予想以上にお腹が一杯になる(笑)、あと気付いたのは自分で淹れるお茶(粉茶)が美味しい、椀物は少し塩気が強かったか。
 店内は新しい事もあり明るく清潔、店員の活気も良く居心地もいい、混んで来ると注文した物は遅くなりがちだが、それは他店でも同じ事なので仕方ないか。
 初回なので「ぼたん海老」みたいな高額物も注文してしまったが、それがなければ他の回転寿司(一皿100円店を除く)と較べても、あまり違わない支払いだと思う、地元の同業種店と「どちらが好きか?」と訊かれたら、やはりこの店を選ぶと思う、ただ我家からだと往復交通費もそれなりにかかるので、何かのついでがあるなら、また来たいと思った。
 この店へ行くなら平日の開店時間(11時)に、店前に着く様にするのがお勧め、行列までして食べるかは、その人の価値観にもよるので何とも云えないが、私は食べるために列に並ぶのは苦手だ。
 従来なら個人店勤務していた寿司技術者を、社会保険や福利厚生完備の社員として雇用、サービスや洗い場等は扶養控除の範囲内で働きたい女性達のパート勤務、チェーン展開により一括仕入とロスカットが可能になり、低廉価格競争時代を生き残る。現在の食業界のビジネスモデルを反映しているのが回転寿司店ではないかと思う、「回転寿司なんて、美味しい訳ない」と思っている人は、一度行かれる事をお勧めしたい。ただし前述のとおり、開店一番を狙い回って来た物には手を付けず、注文したものだけ食べ早く切り上げる事、これに尽きる(笑)。

 食後は初訪問の「東京ソラマチ」内を見て回ったが、施設内は新しいので綺麗過ぎで下町らしくなく、かえって落ち着かない(笑)、これは東京以外の人のための東京だと思った。私は子供の頃、此処から歩いて15分程の処に住んで居たが、その辺りは昭和の東京が色濃く残る地域なので、未来都市みたいなスカイツリーと関連施設は、自分とはおよそ無縁の世界に感じてしまった(笑)。


  1. [ edit ]
  2. 日本料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

銀座「TOSA DINING おきゃく」(2016年8月)

 東京・丸の内の出光美術館で開催中の「東洋・日本 陶磁の至宝」展を観に行こうと思い、ついでに近くでランチ処はないか?と調べたら、暫く行っていなかった、高知のアンテナショップ内の「TOSA DINING おきゃく」を思い出した、ブログを調べたら前回訪問から2年近く経っている、料理長とはFB繋がりの友人でもあるので、ご無沙汰のお詫びも含めて伺う事にした(笑)。

        160917-1.jpg

 陶磁展は名品揃いで充実し、陶磁好きには見応えのあるものだった、観ていると日本人と中国人の美意識の違いを感じる、日本人は自然と共存しようとするが、中国人は自然を克服しようとする、竹林の中から竹一本だけ皿に描くのが日本、空を飛び回る龍でも壺に閉じ込める様に描くのが中国、この自然観の違いは興味深い。
 出光グループは現在合併問題で揺れているが、一美術愛好家としては、こうした貴重な文化遺産が公開される機会が、失われない事を願ってやまない。

     160917-2.jpg

 12時から13時までは混むと聞いていたので、「おきゃく」の到着は13時過ぎ、エレベーターで2階に上がると、眼の前が厨房で作業が全て見える、料理長に手を振り挨拶(笑)、左へ進むと客席で手前の2人席へ案内された。

     160917-3.jpg

 土佐と云えば皿鉢料理で知られるが、それに使われた大皿が飾られている、山海の料理を盛り、大酒を煽りながら天下国家を論じた、土佐の男達の心意気が偲ばれる(笑)。

 ランチメニューは数種あり、前回は親子丼と鰹のたたきを選んだので、今回は違うメニューにしようと思い、「さっくり!本日の天丼」(税込1,200円)に決めた、そしてデザート欄が増えていたので、中から「土佐茶と四万十コーヒーのケーキ」(550円)を追加でお願いした。
 店内は昼のピーク時間が過ぎても結構賑わっている、隣席は年配の男性二人連れ、高知出身者だろうか、階下のアンテナショップで買ったらしい高知の酒を眺めている。銀座に急増している外国人観光客は、さすがに此処までは来ていないと見える。

     160917-4.jpg
 やがて運ばれて来た天丼、内訳は鱧、四万十鶏、ウルメイワシ、高知茄子、赤ピーマン、ししとう、かぼちゃの7種類で、全て高知食材との事だ。

        160917-5.jpg
 天丼種としてはウルメイワシが珍しい、東京の天丼ではあまり青魚は使わないが、意外に美味しかった、関東なら穴子だが代わりに使った鱧もいい。全体的に関西風の薄味仕立て、胡麻油を使って揚げた天ぷらを、濃い醤油ダレにくぐらせる江戸前天丼とは基本的に違う、手前は小鉢でししとうの和え物。

     160917-6.jpg
 サラダ、味噌汁に、一口デザート(高知のカステラ?)、味噌汁も味が濃くなく私好み、お替わり可なのでお願いした(笑)。ご飯(高知米?)も美味しかったし、全体的に満足な天丼だった。ただこれが正調高知の味なのかは、高知に行った事の無い私にはコメント不能(笑)。

     160917-7.jpg
 そして天丼以上に本格的な出来と驚いたのが、フランス料理店で使われるラドワーズ(黒板)に乗ったデザート。まず全体のビジュアルが秀逸、「美味しい物は美味しそうに見える」は本当(^^;)。緑茶のスポンジにコーヒーと緑茶のムースを重ね、味のバランスがいい、周りの炒ったアーモンドパウダーと酸味あるムースソースも効いている、これ550円なら安いと思った(笑)、料理長はフランス料理出身なので、さすがの完成度だ。
 支払いは1,750円、サラリーマン&OLランチとしては豪華版だが、銀座でデザートも含めてこの値段なら、内容を考えれば十分納得だった。
 夜限定だが、高知食材を使ったフランス料理メニューもあるので、これは一度来てみたいと思った(笑)。

     160917-8.jpg

 食後は一階の「まるごと高知」で高知食材を数点購入、中でも「土佐のしょうがごはん」は炊いた白米と混ぜるだけで、和食店でも出そうな立派な変わりご飯になる逸品、此処へ来たらお勧めです、「塩けんぴー」も食べ出したら止まらない、癖になる美味しさだった(笑)。
 高知県は気候が温暖、三方を海に囲まれ海へ注ぎ込む川があり山もある、食材には恵まれた土地で、食に関してもっと注目されていいと思う、今迄はセールスがあまり上手くなかったのでは?と感じる(笑)、このアンテナショップ&ダイニングから、高知の美食情報を発信して行って欲しいものだ。


  1. [ edit ]
  2. 日本料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

北千住「博多炉ばた焼やまや 北千住店」

 私の身辺では今、「北千住のやまやのランチ、行きましたか?」が挨拶代わりになっている(笑)。この時「やまやって何処?」と聞く人はもう話題に付いて行けないので、「明太子で有名な」と云うと大抵知っているが、北千住との関連が判らない人には「北千住マルイの中に食事出来る店がオープンして、ランチがお得」と教えてあげる事になる。
 「野菜を売っていて、フードコートもレストランフロアもあるマルイ」として知られる「北千住マルイ」だが、そのレストラン街が4月28日にリニューアルし、四川飯店系「チェンズダイニング」や、プリンで知られる「パステル」のレストランが営業終了、替わって参入した数店の中に、福岡「やまや」の直営店「博多炉ばた焼やまや 北千住店」がある。
 此処のランチがお得なので行くべしとの情報を得て、早速北千住ランチレポートの一環として、平日の開店一番を狙って訪れてみた(笑)。

     160617-1.jpg

 店は北千住駅前のマルイ9階フロア―で、「千寿万彩」と名付けられたレストラン街の一角、以前はたしかパステルが入っていた場所だと思う、全面改装していて「お金かけているな」が第一印象(笑)。なお同じフロアには「うまや」と云う名前の、やはり福岡資本の焼鳥&鍋の店があるので、間違えない様に要注意。

        160617-2.jpg

 店の入口には「やまやのランチ」と記した案内、そこには「やまやの辛子明太子・からし高菜 お好きなだけどうぞ!」と、6種類のランチを並べて記してある、この日の内訳は、
・鶏の唐揚げ明太風味定食
・博多郷土料理 がめ煮定食
・じっくりたれ漬け 豚しょうが焼き定食
・塩さば定食
・牛丸腸の鉄板味噌焼き定食
・華味鳥の親子丼
 値段は全て税込1,000円で、さらに「定食はご飯おかわり自由」「丼はご飯大盛り無料です」と、赤色下線で強調している(笑)。
 開店時間の11時になり「よし、入いるぞ」と思ったら、入口で店員から「先に料理を決め、支払いを済ませて欲しい」との事、この種の店にしては珍しい先払い方式を採っている、真っ先に目が止まった「がめ煮定食」に決めて代金を払う、本当に税込1,000円ポッキリだった(笑)。

     160617-3.jpg

 席に案内されるが、開店直後で空いていた事もあり、カンター席ではなく4人掛のテーブル席だった、新しいから当然だが店内は綺麗だ。

        160617-4.jpg

 このテーブル席は間仕切りを高くして、半個室風になっている居酒屋的感覚、日本人特に会社勤めのサラリーマンは、このスタイルが落ち着くのか、好まれるみたいだ(笑)。

     160617-5.jpg

     160617-6.jpg
 席に座ると目の前に色絵の蓋付き鉢、蓋を開けると噂の明太子とからし高菜が入っている。料理が来るまで少しずつ食べてみたが普通に美味しい(笑)、明太子は「切子」と呼ぶ、製造過程で薄皮が破れたりして、完全な製品に出来なかった物だと思う。

     160617-7.jpg
 暫くしてやって来たのが「がめ煮定食」で、奥にがめ煮とひじきの煮付、手前にご飯と味噌汁、「がめ煮」は九州北部の代表的郷土料理で、別名「筑前煮」「炒りどり」とも呼ぶ。ウィキペディアによると秀吉の朝鮮出兵時に、兵士達が現地のスッポン(別名「どぶがめ」)と野菜等を煮込んで食べたのが発祥で、「亀煮」⇒「がめ煮」になったとの説を紹介している。

        160617-8.jpg
 現在では鶏肉を使い、根菜類と炒めてから醤油味で煮る、甘口に仕上げる事が多く、この店のがめ煮も一口食べて「少し甘過ぎるのでは?」と思ったが、食べ進むと気にならなくなった、私の母(長野出身)が作った煮物もこの位甘かったので、何処か懐かしい家庭的な味だ(笑)。

        160617-9.jpg
 そしてご飯が美味しい、産地は不明だがふっくらとしていながら歯応えもある、「美味しいご飯を食べたいなら、炊き立てが出る開店直後が狙い」は私の持論だが、そのとおりだと思った、このご飯に明太子とからし高菜の組合せは、何杯でもいけそうで怖いが、この日は2杯で自制した(笑)。
 隣席に運ばれていた「鶏の唐揚げ明太風味」も美味しそうだったし、此処はまた来てみたいと思った(笑)。

 なお秋葉原にも「博多炉ばた焼やまや 秋葉原店」が4月2日にオープンしている、どうやら東京進出にあたり、宣伝効果も兼ねランチでのサービス展開をしているのだと思う。お茶出しはセルフ、代金前払い式で省人力化しコストカットを図る、まずは店の存在を知らせて客単価の高い夜にも来てもらう、これが狙いなのだろう。
 個人店には強力な競争相手出現だが、ランチ提供価格の参考にするためにも、一度行ってみる事をお勧めしたい。明太子とからし高菜は無くなれば補充してくれるとの事だが、魚卵の食べ過ぎは痛風への近道でもあり、ほどほどに(笑)。


  1. [ edit ]
  2. 日本料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

神楽坂「和しょく えびはら」

 以前はSNSを介して食事会の開催をしていたが、最近はすっかり面倒になってしまった(笑)、こうした事は大抵云い出した人間が幹事役になる、幹事になるとこれが大変で、参加者の招集、店の選択、店との調整、料理の内容、酒の種類を含めて参加費は幾らにするか等、事前に決めなければならない事が多い、更には開催直前に都合悪くなった人がいたりすると、その補充はどうするみたいに、前日まで頭を悩ませ、当日は皆時間どおりに来てくれるのかな?と、幹事は気が休まらなくてあまり料理も楽しめず、終わった時には疲れ切っていたと云う事になりがちだ(笑)。
 それもあって最近はもっぱら他力本願(笑)、誰かが誘って来るのを待つ位だ。あまり使われなくなったが「壁の花」と云う言葉がある、元は舞踏会で踊りに誘われず壁際に立っている女性を差し、そこからパーティー等で、会話の輪から外れている女性全般を呼んだみたいだが、今こんな言葉使うと「性差別」と取られかねないので、使わなくなったのだろう。食事会の誘いをPCやスマホの画面で待っているのは、「画面向こうの花」いやジェンダーフリーだから「花」とは限らないかと、余計な事を考える(笑)。

        160426-1.jpg

 前置きが長くなったが、食関係の友人から誘いがあり、この夜食事会に参加する事になった、開催場所は神楽坂の「和しょく えびはら」で、東京で本格的な和食店へ行くのは久しぶりだ。
 店の場所は都営大江戸線の牛込神楽坂駅を出て、神楽坂上の交差点へ向かってすぐ角の場所、「駅に近い和食店」なら東京一番かも知れない(笑)。私はこの店から近いフランス料理店へ何回か行っており、店の存在は知っていて、以前から一度行ってみたいと思っていたので、今回のお誘いにはすぐ乗ってしまった。
 集合時間の19時少し前に入店、若い料理人夫妻に挨拶していたら、参加メンバーが集まって来た、まずは当日の料理を紹介するが、女将からの説明で、この夜は特別な集まりのための料理で、通常の夜献立とは違えているとの事、それを汲んで読んで欲しい。

     160426-2.jpg
・先付 嶺岡豆腐、菜の花

        160426-3.jpg
・前菜 山形産原木椎茸の炭火焼き

        160426-4.jpg
・造り 鯵、ヒラマサ、墨烏賊、おかわかめ

     160426-5.jpg
・八寸 揚げ薩摩芋白和え、そら豆、蛍烏賊のあられ揚げ、飯蛸の桜煮

        160426-6.jpg
・椀物 鯛、こごみ、餅

     160426-7.jpg
・焼物 甘鯛と筍挟み焼き、唐墨と大根

        160426-8.jpg

     160426-9.jpg
・御飯 あさりご飯と赤出汁、香の物

        160426-10.jpg
・果物 
 
 嶺岡豆腐は牛乳を胡麻豆腐状に固めたもの、原木椎茸は香り高く、造りの三浦産墨烏賊は舌に絡みつく食感で美味だった。
 八寸は薩摩芋を白和えにするセンスがいい、季節の飯蛸は旨味が凝縮されていた。椀は吸い地ではなく煮物椀的で、鯛、こごみと餅を揚げ、そこへ濃い目の出汁をかける、続く甘鯛と筍は繊細な焼物で皿上に春がやって来た、加えて自家製唐墨のネットリした舌触りはエロスを感じさせる(笑)。
 あさりご飯は関西ではあまり見ないと思う「深川めし」みたいに、浅利の香りを凝縮させたもの、これは美味しくてお替わりしてしまった(笑)。
 事前情報では、ご主人は京懐石の老舗「柿傳」で修業したと聞いたが、全体的に判り易く、美味しさが直に感じられる料理だと思った。神楽坂の和食は、上は客単価3万円の三ツ星店から、下は一皿300円?の格安居酒屋まで多種多彩で競争も激しい、その中で「この店ならでは」の個性を出し、固定客を掴んで行くのは難しい事が多いと想像するが、今年開店5年目を迎えるこの店、料理人夫妻の人柄が料理や接客に滲み出ていて安心して楽しめる、これからも続いて欲しいと願わずにはいられない。

 久しぶりの異業種間交流食事会は楽しかった、集まったメンバーの顔触れから、コアなグルメ話になるのかなと思っていたら、勿論それもあったが革財布や手造り万年筆の話まで出て、知らなかった業界話を色々聞く事が出来た、いつも同じメンバーばかりで固まっていると知識に進歩がない、年とって好奇心を失うとただの頑迷な老人になってしまう(笑)。
 電車がなくなってしまうので、最後中座させてもらい失礼しました、当夜参加の皆さん、美味しい場を提供していただいた海老原ご夫妻、夜遅くまでありがとうございました、また何処かでお会いしましょう(笑)。


  1. [ edit ]
  2. 日本料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

大阪・高麗橋 「桜花」(2016関西食べ続け④)

 関西二日目は強行軍で、和歌山「オテル・ド・ヨシノ」から大阪のホテルに戻ったのが午後5時過ぎ、ここで胃薬を飲んで、バスタブにお湯を張って足湯に浸かる、消化を早めたい時はこれが一番効くと経験で学んだ。ベッドで横になりたいのを我慢し、休む間なく6時を過ぎたらまた夕食へ出かける、自虐的とも云える「食苦行」だ(笑)。
 向かったのは今回唯一の本格的和食で、これが三年連続になる「高麗橋 桜花」、昨年の利用後に「旬菜 桜花」から改名したが、今大阪の食通からも注目される店になりつつある。

        160305-1.jpg

 地下鉄御堂筋線の淀屋橋駅で下車、5分も歩かずに店に着く、店内に入ると去年と雰囲気が少し違うと感じた、森田料理長を手伝うのが従業員から奥様に替わり、同時に空気感も変わった。
 この日は在関西の友人が参加してくれたので、静かにしているつもりでいたのだが、結局またも料理や器、日本文化等のマニアックで且つ難しい話をしてしまった、一期一会の食事時に迷惑をかけました(笑)。
  
 まずはともかく、当日の料理をご覧ください、昼がフランス食文化の究極形だとしたら、これは日本の食文化の粋、「どちらが優れている」ではなく、これだけ秀逸な食体験が一日で出来るのが、今の日本の凄い処だ、料理名は後で森田料理長から説明があったものをそのまま記しています。

     160305-2.jpg
・前菜
 つぼつぼにするめ烏賊塩辛 辛味大根柚子おろし 八尾若牛蒡の稲荷巻 市田柿にクリームチーズ味噌漬け 牛蒡炭煮

     160305-3.jpg
・煮物椀
 蟹真丈 春子椎茸 蕾菜 香茸醤油煮

     160305-4.jpg
・割鮮
 太刀魚 きうち うるい 白葱けん 金時人参 防風 山葵 鰹 大葉 おかひじき 造り醤油 ぽん酢にかんずりおろし もろみ醤油

        160305-5.jpg
・揚げ物
 さば河豚竜田揚げ ばちこ天麩羅 酢橘 蓮根饅頭おかき揚げ 海老芋芥子の実揚げ 

     160305-6.jpg
・主菜「しもつかれ」
 鮭 粕汁 厚揚げ 金時人参 煎り大豆 からし菜 聖護院大根鬼おろし 煎り唐墨・雲丹散らし

        160305-7.jpg
・能勢米煮えばな

     160305-8.jpg
・酢の物
 公魚 蕪 牛蒡黒胡麻煮 土佐酢 木の芽 氷餅

     160305-9.jpg
・御飯 能勢米 
 おかず味噌 海老佃煮 千枚蕪 昆布佃煮 白菜浅漬け 河内鴨炭火焼き 菜の花胡麻よごし 

     160305-10.jpg

        160305-11.jpg
・甘味 ぜんざい 蓮の実 揚げ餅 あんぽ柿団子 くこの実 珈琲

 料理全体の印象では、前回より肩の力が抜けて柔らかくなったと感じた、店名が変わっただけでなく、目指す方向性も「旨いものを提供する場」から、より本格的な懐石料理店を目指している様に受け取った。
 各料理は食べた一口目で唸らせるのではなく、一皿食べ終わった時に頂点が来る仕上がりになっていると思う。器も大阪で使われる事の多い派手目な色絵磁器は使わず、染付磁器や織部等の陶器が中心、これは個人的には好ましく感じた。
 まずは「煮物椀」と称した懐石の花形である椀、鰹出汁は控え目に最上質の真昆布を使った出汁が秀逸で、疲れ始めた胃に浸みて行く(笑)。造りでは「この季節に?」と疑ってしまった鰹が意外な程に美味で、ちょっと驚く。
 「しもつかれ」とは元は栃木県の郷土食で、初午(2月)に神社に奉納する行事料理、鮭頭や節分で使った大豆、野菜を酒粕と煮込む、三寒四温の時期にこれを食べると病気にならないとの謂れもあるそうだ。森田料理では勿論料理屋的にアレンジを加えている、北大路魯山人が家庭料理について書いた文章の冒頭で、「世間の人は、自分の身近にある有価値な、美味いものを利用することに無頓着のようだ。」と語っているが、そうは言っても家庭で作る郷土料理を、店でお金の取れる料理にするのは難しいものだ、食材を少し整理するなど細部を詰めていけば、これから面白い料理になると思う。
 ご飯を炊き込みではなく白飯で提供し、煮えばなと炊き上がりの2回に分けて出すのは賛成、甘味の「ぜんざい」も良かったし、それに添えた珈琲が面白いアイディアだと思った。

        160305-12.jpg

 何時の間にか、厨房内には女優の黒木華さんみたいな美少女が登場、4月から正式採用予定の女性料理人だそうで、現在は調理師学校との兼務、これは男性客に楽しみが増えたか?興味のある人は実際に店へ客として行ってみてください(笑)。
 しっとりとした艶と雰囲気が増した感がある「桜花」、これから更に楽しみな店になりそうだ。森田料理長と女将さん、心温まるおもてなしありがとうございました、家庭と仕事の両立は大変でしょうが、またお会い出来るのを楽しみにしています。


  1. [ edit ]
  2. 日本料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

<<NEW ENTRY  | BLOG TOP |  OLD ENTRY>>


プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
店の点数評価等はしません、「食と人」を描きたいと思っています。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

訪問者

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2018 06  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30