最後の晩餐にはまだ早い


梅島「パティスリー・ラヴィアンレーヴ」(2016年11月)

 2014年9月にオープンした、足立区梅島のパティスリー「ラヴィアンレーヴ(LA VIE UN REVE)」、開業後まだ2年だが、現在では既に区内を代表するパティスリーになりつつある。
 初訪問は2015年1月だったが、足立区とは思えない洒落たフランス的な店舗デザインに驚き、都心の高級店にも遜色ない高額なケーキ類に、失礼ながら「足立区でこの形態で続けられるのかな?」と、正直心配にもなったが、こうして人気店になったのを見ると、「足立区民も変わったな」と思ってしまう(笑)。

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 この日、急に「甘い物が食べたい」状態になり、地元のパティスリーが何店か頭に浮んだが、結局選んだのはこの店だった、過去2回購入してこれが3回目、我家からだと自転車でも片道30分近くかかってしまうが、「遠回りしてでも行ってよかったと云える」店だと思う(笑)。

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 店到着はちょうど正午位、早い時間のためガラスケースには多くのガトー類が並んでいる、個人経営のパティスリーやブランジェリーは「いかにロス(売れ残り)をなくすか」が大事だが、これ全部営業終了時間までに売り切るつもりだから、客数と販売数は相当なものだと思う。

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 店内にはカフェスペースがあり、子連れ客対応だろう、ベビーベッドまで置いてあるのはちょっと驚き。「テイクアウトメニュー Les boisson(飲み物)」とあるが、これらは持ち帰り可みたいで、なんと「かき氷」まである(笑)。
 過去2回で買った物以外から選ぼうと思い、買ったのは以下の3種類、食べた感想と共に紹介したい。

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・洋梨ミルフィーユ(税別540円)
 自転車で持って帰り、注意しながら運んだつもりだが、他のケーキの加重があって少し形が崩れてしまった、画像を撮った後に飾りのレッドカラントが後ろに落ちているのに気付く(笑)。
 前々回の「苺のミルフィーユ」、前回の「栗のミルフィーユ」がいい出来だったので、今回も買ってしまったのだが、ミルフィーユ部分は厚めの生地で好み、カスタードクリームも美味しい、ただ洋梨の食感はあまりこれらと合わない気もした(笑)、今迄の中なら栗バージョンが一番良かったと思う。

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・ガレット・ベルエレーヌ(500円)
 今回はこれが一番好み、「ベルエレーヌ(美しきエレーヌ)」とは、作曲家オッフェンバックのオペレッタ名から取り、フランスでは洋梨のコンポートにバニラアイスを添え、熱々のチョコレートソースをかけたデザートの事を呼ぶ。このスイーツは焼いたクレープ生地の中に洋梨のコンポート、カスタード&ホイップクリーム、チョコレートクリームが入っていて、そのバランスが良好、次行ってもあればまた買いたいと思った(笑)。

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・かぼちゃプリン(420円)
 美味しくなかった訳ではいが、あまり個性を感じなく普通、上に乗せたホイップクリームとチョコレートも余計なものに感じてしまった、南瓜自体の味で勝負するべきだと思う。

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・ケーク・オランジュ(800円)
 知人のお土産用に買ったので私は実際には食べていない、その知人の話では「オレンジとバターの香り良く美味しかった、足立区にこんな本格的なパティスリーがあるとは驚き」との事、世間一般の足立区の認識はこんなものです(笑)。

 開業後2年が過ぎて、店もすっかり地域に馴染んで来た、この日も平日だったが、次々と客がやって来ている。「パリみたいに一つの地下鉄駅近くには、いいビストロがあり、加えてブランジェリーとパティスリーがあるのが理想だが、東京では自分が生きている間には無理な話だろう」とあきらめていた。だがここ数年来の街の変化で、もう夢物語ではなくなりつつある(笑)、あとは客が近隣店を支えていられるかどうかにかかっている。
 大型スーパーやコンビニとの過当競争で、個人店には厳しい時代が続くが、地元の店には頑張って存続して欲しいし、何とか応援をしたいものだ(笑)。


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表参道「グラッシェル」(2016年9月)

 甘党の私にはありがたい事に、表参道のスイーツパラダイス(笑)「グラッシェル」のプレス向け新作発表会への招待をいただいた。今回は「2016年秋・クリスマス商品」の紹介、「ハローウィン向け商品では?」と思われるかも知れないが、この業界は先取りが必須で、Xmas商戦でも夏から準備するのは決して早過ぎない、それだけ一家に一台のケーキを売るために、業界間で熾烈な競争をしていると云えそう。
 政務活動費で旅行した地方議員が、報告書を作っていないのが問題になっているが、発表会招待をいただいたからには、真面目にレポートをするのは義務だと思う(笑)、以下商品の紹介と試食の印象を記したいが、あくまでも私個人の感想になる事をご理解いただきたい。

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 2日にわたって開催されたレセプション最後の回(たぶん)に参加、場所は「グラッシェル」2階のカフェスペースの別室部分、この回は満席の盛況で、料理雑誌やWEB記事で見た事ある業界関係者も数名来ていた。
 定刻になり「グラッシェル」の本間シェフ・パティシェールの挨拶から始まる、今回発表するのはアントメグラッセ(アイスクリームケーキ)新作3種で、そのうち2種がクリスマス限定商品、一つは秋季商品との事だ。

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 まずはホールで全5種類だが、左側2種が定番の人気商品、右側3種が今回お披露目するアイテムだ。

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 下から上へ「コルベイユ・ド・フリュイ」、「フォレ・ド・サパン・ピスターシュ」、「シャルロット・オ・ショコラ・グリオット」。

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 カットしたピース画像、一眼レフ持って行って良かった(笑)。

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・コルベイユ・ド・フリュイ(ホール税抜3,800円)
 配付された資料に沿うが、
「フルーツたっぷりのバスケット(コルベイユ)をイメージしてお作りしたアントルメグラッセ、サブレブルトンヌの生地にカリカリ食感のシュトロイゼルを敷き詰め、イチジクのコンフィチュール、上にバニラアイスに洋ナシのソルベを層にしております。半球状の洋ナシのソルベの上には、3種類のフルーツのソルベとイチジクやフランボワーズ、グリオットなどのフルーツを散りばめました。(後略)」とある。
 苺ショートと同じで鉄板の赤白スイーツ、日本人が嫌いな訳ない(笑)、果物の酸味とビスキュイ生地・ソルベのバランス良好、値段も他の2品に較べて安価な事もあり、アントルメグラッセ入門用として最適だと思う。9月22日から発売中の秋季商品。

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・フォレ・ド・サパン・ピスターシュ(5,000円)
 「サパン(Xmasツリー)をイメージした立体的なフォルムが目を惹くアントルメグラッセ、カカオ風味のパートサブレの土台に、チョコチップのアイスとカリカリ食感のシュトロイゼルカカオを敷き、上にはミルクシャーベットとイチゴのコンポートを絞りました。周りを縁取るピスタチオソルベが見た目の華やかさを演出します。」
 見栄えはこれが一番立派(笑)、ケーキ類にピスターシュを使うのは流行だが、色の鮮やかさと脂分が甘味に合うのだと思う、グラッセだとピスターシュの脂分が抑えられ香りが高まる印象、ビジュアル良好なのでホームパーティー等には最適だ。11月1日~12月25日の期間限定商品。

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・シャルロット・オ・ショコラ・グリオット(5,000円)
 「チョコレートのビスキュイで周りを縁取り、アーモンドショコラ生地の上にグリオット(チェリー)入りバニラアイスクリームと、グリオットのジュレで3層に、上にはキルシュ入りのビターとミルクチョコレートを絞りました。(後略)」
 個人的にはこれが一番好み、食感の違う甘味が積層になって新しい甘味が生まれる、良質なチョコレートの余韻にグリオットの微かな酸味が加わり、味が単調にならない。もし明日世界が終わるとしたら、脂肪肝を心配しなくていいので、1ホール一人で一気食いしたいと思う(笑)。11月1日~12月25日の期間限定商品。

 試食は一応上記3種だが、本間シェフから「カフェ部門で提供するパフェをこれから強化したいので、今日は一品試食して欲しい」旨の話があった、そこで登場したのが、

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・シャインマスカットのパフェ(販売価格1,600円)

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・試食用バージョン

 これは贅沢なパフェ、値段を聞いた時は一瞬「高いのでは?」と思ったが、食べて納得した、岡山産の上質なシャインマスカットを贅沢に使い、エルダーフラワー風味のグラスやフロマージュブランのムース等中身も手がかかっている、店売りスイーツと違い、ラム酒等のリキュール類を積極的に使えるので、味が複雑になり美味しくなる、10月初旬迄の期間限定なので、食べたいと思ったら今すぐ表参道へ(笑)。

 去年のXmasは「グラッシェル」のアントルメグラッセだったが、数日間味が変わらず楽しめたので、少人数家庭には向いていると思う、従来のスポンジケーキに飽きた人も含めて、今年のXmasアイテムに検討してみてはいかが?もし買わなくても店で見本を見ているだけでも楽しいです(笑)。

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亀有「トモヒロ」

 略称の「こち亀」の方がすっかり有名になったが、漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」が、40年に及ぶ連載を終える事が伝えられた、1976年開始だから私が亀有の実家に住んで居た時から続いていた、それまで「亀有」の知名度は低く、「亀戸」と間違われる事も多かったので、この漫画のおかげで全国に知られたのは、元住民として感謝したいと思う(笑)、長い間お疲れ様でした。
 今回紹介するのは、その亀有にあるブランジェリー「トモヒロ」で、開業は2011年、亀有を紹介した地域本によると、店主は大手製パンで十年以上職人経験を積んだ後に独立開業したとあった。

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 店の場所は亀有南口から続くバス通りを直進し、江北橋通りへ出たら右折、綾瀬方面へ向かう途中、すぐ近くにはブログで紹介したイタリア料理「イタリ家食堂マルショ」があり、同じ通りには洒落たカフェやピッツェリアが新しく出来ていて、ちょっとした「グルメストリート」になりつつある、これは「こち亀」の連載が始まった頃には、想像も出来なかった事だ(笑)。

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 外観はグリーンをイメージ色にしたヨーロッパ調の洒落た雰囲気、ドアを開けると目の前がレジ、その奥が工房で作業が全て見える、右手がパンの陳列スペースになるが広い店内ではない、一度に入れる客定員は3人位、対面販売ではなく客が選んだパンをトレイに乗せレジで会計する。
 店は大きくないが、作業中の店主は体格の良いビッグサイズで、パン職人と云うより料理人みたいに見える(笑)、地域本で見たがこの方が「トモヒロ(友廣)」氏だ、店主の他には女性が二人居るが、一人は奥さんだろうか?

 過去数回買っているので味の傾向は掴んでいた、全体的に小振りなパンが多いと思ったが、この店に限らないがここ数年で、店売りのパンのサイズが小さくなったと感じている、小麦粉やバター等、原材料が高騰する中で一度に値段を上げられないとなると、これは仕方のない事か、特に下町では値上げ=客減少に繋がり兼ねない。反面スーパーで増えている、セントラルキッチンで作った冷凍種パンを店内で焼く、インストア形態のベーカリーでは値段もパンのサイズも、以前とそう変わっていない気がするので(美味しいか否かは別だが)、個人経営の小規模店は何処も大変だろうなと同情してしまう。
 
 この日買ったパンは以下のとおり、
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・ルヴァンバゲット(実測44cm)(税込280円)
 フレンチ料理人の実力は「パテ・ド・カンパーニュ」を食べれば判ると聞いた事あるが、それならブランジェリーはバゲットが標準原器になるか?粉の香り、生地の旨味、焼きは良好、地元で最近出来た店をブログで紹介したが、完成度では一日の長がある

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・全粒粉ベーグル(200円)
 ベーグルはこの店の看板商品だそうで数種類揃えている、モチモチとした食感と粉の美味しさは格別、ベーグル好きならお勧め。

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・全粒粉食パン(1/2斤)(150円)
 「全粒粉」ばかり買っている気もするが(笑)、最近白い食パンはあまり食べなくなった、トーストにすると独特の香りが立つ。

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・亀有あんぱん(190円)
 これはオープン時からの看板商品との事、求肥で作った皮の中に「ずんだ餅」みたいなうぐいす餡が入る、「うぐいすパン」の変形版だが、和菓子みたいでもあり、ちょっと癖になる美味しさ(笑)。
 
 おそらく国産だと思うが、良い粉を使っているのは判る。下町住民の中には値段が高いと感じる人は居るかも知れないが、使っている素材を考えたら適正価格だと思う。今の時代に安全で美味しい物を食べようと思ったら、信頼のおける店で買い、ある程度の対価は覚悟しないといけない。
 駅から10分は歩くし、決して便利な場所ではないが、自転車に乗って買いに来る客は多い、自分や家族に美味しいパンを食べたい、食べさせたいと思う人は居る。
 地域で頑張る個人経営の個人店はどうしても応援したくなる、両さんに代って亀有なら「トモヒロ」と、云われるまでになって欲しいと願っている(笑)。


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竹ノ塚「アトリエ・エデュー」

 足立ネタが続くが、素晴らしいパティスリーに出会ったので、ブログ記事にしたいと思う。
 「竹ノ塚に秀逸なパティスリーがある」との噂は以前から聞いていた、WEB情報ではとにかく小さい店で、営業は木~日曜日の週4日だけ、営業時間も短く数もあまり作らないので、夕方には売切れになってしまうとの事、でも味は抜群との評価を見た。これは行ってみたいと思いながらも、電車に乗ると2社乗換で結構運賃がかかるし(笑)、自転車で行くにはかなり距離があるので見送っていた。4月以降は時間に余裕が出来た事もあり、やっと重い腰を上げ、天気の良い日に遠路訪れてみる事にした。
 我家からは、つくばEXの六町駅方面へ出て北上、南花畑4丁目の交差点を左折したら直進、国道4号(日光街道)へ出る手前に店はある、近い駅は竹ノ塚だが歩くと10~15分はかかる。

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 我家から30分近く自転車に乗りようやく辿り着いた、遠くからでも目立つ朱色の外装は、一見美容院に見えてしまう(笑)、店の左手が販売スペースで右が工房になる。

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 店の名前は「アトリエ・エデュー‘èdu’」2006年に開業、案内のとおり週4日営業で10時から19時までの開店時間。
 扉を開けて店内に入るが、本当に狭い売場で客は2名位しか入れない、客が集中すると店外で待つ事になる。店主一人で客対応する情報もあったが、この日はコックコート姿の若い女性が販売を担当していた。
 ケーキは5種類程で少ない、あとはシュークリームと、別棚に焼き菓子とオリジナルの米粉で作ったドーナツが並べてある位。何を買おうか迷うが、店内に「自転車でケーキを持ち帰る時は、カゴに入れないで下さい」旨の注意書があった、これは私も気を付ける事だが、自転車走行は結構上下動がありケーキ類が壊れやすいので、極力手にぶら下げる様にしている、それもあって持ち帰りに支障なさそうな品を選んだ。
 不便な場所にありながらも客がやって来る、私が店を出た時も若いカップルが自転車で現れて、店内が狭い事を知っているからか、女性が男性に「そこ(外)でポケモンやって待っていて」と指示?していた(笑)。

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 買ったのはこの3品、見かけは最近オープンした、お洒落なパティスリーのケーキとは違って地味そのもの(笑)、感想は以下のとおり。

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・マンゴープリン(税込450円)
 この店のスペシャリテの一つ、タイ製の小さなグラスに入っている、底にマンゴープリン、その上にマンゴー果肉をマンゴー味のジュレで固めてある。マンゴーを使ったスイーツは昨今流行だが、旨いと唸る位な物には出会えなかった、これは頭一つ抜けている出来と思う、プリンもジュレも上質、食感の違いがミックスされる事で新しい別の味になっている、夏場だけかも知れないが、この店へ来てこれがあったら買うべきアイテム(笑)。

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・タルトフロマージュ(380円)
 外観は本当に地味(笑)、子供には受けないだろう、でも一口食べるとチーズの香り、柔らかさと下のタルト生地が相性抜群、おそらく数種のチーズのミックスで、それも試作を繰り返したのだと思う、見かけに拘るならお勧めしないが、実質的な美味しさを求める人だったら、この完成度が判る筈。

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・ガトーショコラ(320円)
 足立区内のパティスリー数店でガトーショコラを買ったが、これは1オクターブ上の出来、素材重視でチョコレートの香り、味、焼き具合が良好なバランス。店売りのガトーショコラでは上にホイップクリームを載せたりするが、あれを見る度に「どうしてこんな余計な事をする、自分の作ったものに自信が無いの?」と疑問に思っていた、やっと納得出来る物に出会った気がする(笑)、京橋にあったフランス料理店「カストール」が、昔銀座ナイン館にパティスリーを出していた時期があるが、あそこで買った秀逸なガトーショコラを思い出した。

 全体的な印象は、とにかく素材を吟味して余計な物は加えず、見かけより味を重視したケーキ類だと思った。まるで三田「コートドール」斉須料理長の料理みたいで、此処へ辿り着く迄には色々と削ぎ落して来たものがあると思う。
 「作られた物は、それを作った人を物語る」なら、店主はおそらく頑固で安易に妥協する事が嫌い、繁盛して儲け店を大きくして支店を出すより、ミニマムな店でも自分の納得出来る物を作りたい、こう考える人ではないかと想像した。
 足立区内では過去一番気に入ったパティスリー、自転車30分は結構遠距離だが、酷暑が終わった頃にまた買いに行きたいと思っている(笑)。


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麻布十番「コメット」

 順番が逆になるが、前記事の麻布十番「グリグリ」へ行く前に寄ったのが、7月1日にオープンしたてのブランジェリー「コメット‘comète’」。WEB上で麻布十番の店を調べていたら、偶然見つけた記事で此処が紹介されていて、何か良さそうと訴えるものを感じて、ランチ前に寄ってみる事にした。

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 店の場所は、麻布十番駅から一の橋を渡って芝公園方面へ直進、中之橋交差点手前にある。更に進むと都営地下鉄の赤羽橋駅になり、次にブログで取り上げる予定のレストランを始め、界隈に飲食店が幾つか開業しているので、これから面白くなるエリアだと思う。店外観は洒落た水色の塗装なのですぐ判った、この水色フランス語なら‘bleu clair’を店のイメージカラーにしている。
 以下どうでもいい事だが、日本を含めて世界的にヒットしたフレンチポップ「恋は水色」の原題は‘L'amour est bleu’、bleuはフランス国旗の色つまりナショナルカラーなので「水色」に変えてしまうと本当はいけない、でも「恋は青色」だったら、そのイメージから日本ではヒットしなかったかも知れない、だから翻訳は難しい(笑)。
 WEB情報によると、店主はパリ10区にあるブランジェリー「デュ・パン・エ・デジデ‘Du Pain et Des Idées’」で働いていたそうだ、私は知らなかったが、最近高評価の店らしい。私がパリをよく訪れていた1990年代末は、「ポワラーヌ」「プージョラン」「カイザー」あたりが「御三家」だった、20年経つとレストラン同様ブランジェリーにも新世代が生まれている(笑)。

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 店自体は小さい、ドアを開けるとすぐ目の前にパンが並べてあるが、レイアウトはさすがパリ仕込みで洒落ている(笑)、フランス式の対面販売方式、販売を担当する女性が3人いたが、そのうち一人が店主の奥様で、年配女性は夫婦どちらかの母親か?

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 パンの種類はそう多くないが、それでも何を買おうか迷う、この後フランス料理なので、日持ちを考えてプレーンなパンを買う事にした。購入後に「店内の写真撮っていいですか?」と訊いたら、奥様と思われる女性が快く承諾してくれた。
 実際に買ったパンを食べたのは、当日夜から翌日だったが、その紹介と感想は以下のとおり、

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・コメット(1/2で税込560円)
 訳あって買った時より少し小さくなっているが(笑)、実測で一辺22cmの四角形の半分。珍しい四角形のカンパーニュ系パン、立てかけて置いてあったが、まるでクッションみたいに見えた、円形の方が成形は楽だと思うが、あえて四角に拘ったのは、修業先で似た形のパンがあったみたいだ。
 食べてみると微かに米の香りがする、WEB記事によると主材料の国産小麦に米糠を混ぜているとの事、「コメット」の品名は「米と」の意味もあり、店主の「日々の食卓で料理と食べて欲しい」との願いからだそうだ。
 食感はハード過ぎず食べ易い、粉の旨味も十分感じるし、日常のパンとして楽しめると思う、買った当日より翌日の方が、味が落ち着いて美味しく感じた。

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・クルミとレーズン(380円)
 ブランジェリーではお馴染みの「ノア・レザン」だが、割と小型で食感も重くなく穏やか、歯が弱って来た老人でも大丈夫だろう(笑)、食べると微かにシナモンの香りがする。

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・スコーン(レーズン入)(2個入で430円)
 プレーンタイプも売っていたが、これはレーズン入り、原材料表示には、小麦粉、バター、卵、牛乳、砂糖、ベーキングパウダー、塩とある。良質な粉の香りが立って美味しい、粉に限らず他の材料もいい物を使っているのが判った。1個215円は安くはないが、食べれば納得する。

 全体的に穏やかな味の傾向で、製作した人間の人柄が滲み出ている印象、作られた物は作った人を物語る、これは料理にも云えると思う(笑)。
 店名の「コメット」は勿論「彗星」の事だが、WEB記事によると、フランスでは「出来もしない事」を、「彗星に図面(計画)を描く‘Et si on tirait des plans sur la cométe?’」と云う事があるそうだ、日本なら「口では大阪の城も立つ」みたいな感じか?店主はこの言葉から店名を採ったとの事。
「皆は出来もしない事と云っていたが、俺はパン屋を出したぞ」みたいな開き直りの表現かも知れない(笑)、この言葉がショップカードにさりげなく書いてあった。

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 素敵なブランジェリーでした、これからも成長しそうな予感がある、元々小規模個人店は応援したいと思っているので、麻布十番にランチへ来た時には、必ず寄る店にするつもりだ(笑)。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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