最後の晩餐にはまだ早い


和歌山「オテル・ド・ヨシノ」(2017関西食べ続け③)

 毎年この時期恒例の「和歌山詣で」だが、今年は少し様相が違って、何と総勢7名のランチツアーを組むになった。
 発端は去年秋に札幌の或る料理人から、「オテル・ド・ヨシノの手島シェフの料理を食べてみたい」との話を聞き、「それなら私は来年2月に行くから、日程合えばご一緒にどうぞ」と誘ったのが始まり、そこから話が徐々に広がって人数が増えて行き、直前になって「謎の小田原組」(笑)も乱入、他にも青森や大阪から集まった有志が揃う事になった。それだけ今「オテル・ド・ヨシノ」と手島料理長の料理が、全国から注目を集めている事でもある。
 手島氏からは「トータル7名様ですね?タフな仕事になりますが大丈夫です。」との頼もしい返事をもらっていたが、呼びかけた側としても無事に食ツアーが終わるまで、満足してもらえるか等を考え緊張してしまう。

 絶好のフレンチ日和?になり、JR和歌山駅からは線路沿いを歩いて向かう、隣のビッグホエールではアイドルユニットのコンサートが夜にあり、グッズを買う若い人達で賑わっていた。
 予約時間に12階のレストランに到着、平日昼ながら既に店内は8割の入り、メートレスの案内で我々は厨房に近い最上席に案内されるが、どうやら他の客から隔離されたみたいだ(笑)、「遅刻厳禁」だがさすが食の専門家達なので定刻までに全員集合、メンバーが揃うと体格いい男子ばかり、体育会系的集まりに見えてしまう(笑)。
 まずは当日の料理から紹介したい、なお「オテル・ド・ヨシノ」は初体験の私以外の6名には、スペシャリテである「ジビエのトゥルト」を中心としたメニュー、過去体験している私には面倒な事に別メニューを用意してくれた。
 後で手島料理長が幾つかの料理について説明してくれたので要約して記したい、『』内が手島氏の言葉。

・グジェール

     170306-1.jpg
・ジビエのコンソメ(画像ぶれています)

        170306-2.jpg
・甲殻類のジュレ、カリフラワーのクリーム

        170306-3.jpg
・ベキャスのビスク

     170306-4.jpg
・ジビエのパテアンクルート
『ファルスに地鶏、鳩、鹿、猪、ジビエのアバ、豚、フォワグラを使い、ガルニチュール(大きな肉の事をパテアンクルートの時はこう呼ぶ)はフォワグラ、鹿、コルヴェール、地鶏、猪の胸腺肉を使っています。』

        170306-5.jpg
・舌平目のパテショー(焼き上がり)
     170306-6.jpg
・同 切って皿に盛ったもの
『形は違いますが構成はほぼ「ヴィヴァロア」※のままです。本家に基づきソールはドーバー産を使いました。ただパナードは使いませんでした。(パナード:小麦粉、バター、牛乳で作るつなぎで、昔のルセットを見ると魚系のムースには必ず入っていて、入れると独特の食感を得られるが反面重くなる)このルセットの一番の特徴は、魚のムースにアンチョビが入いる事です。ソースはソールのガラを使って作ったヴァン・ブランです。』

     170306-7.jpg
・和歌山県産イノシシのバロティーヌ
『入荷した猪バラの脂がとても美味しそうに見えたので作りました。赤ポルト酒をふんだんに使っています。』

        170306-8.jpg
・他の参加者に出た「ジビエのトゥルト」圧巻の3台6人分

        170306-9.jpg
・プレデセール:シャリュトリーズのグラニテ、和歌山藏光農園のデコポン、ピスタッシュのムース

        170306-10.jpg
・キャラメルのムースと金柑のコンポート、ヘーゼルナッツとキャラメルのアイス

     170306-11.jpg
・ミニャルディーズ

        170306-12.jpg
・和歌山のハーブを使ったアンフュージョン
※「ヴィヴァロワ」・・パリ16区にあった三ツ星(一時期)レストラン、「舌平目のパテショー」は此の店のスペシャリテ。

 手島料理の特徴は、まず強固な土台を造り、その上に石や煉瓦を積み上げていく西洋伝統建築の手法だと感じる、音楽で云えばモーツァルトよりワーグナーの楽劇、「構築」と云う言葉が適した、手間も時間もかかるやり方で、当節の流行には背を向けている(笑)。
 料理長に「舌平目のパテショー」が食べてみたいと話したのは数年前だが、おそらくその時からクロード・ペロー(「ヴィヴァロワ」料理長)のルセット(レシピ)を調べ、試作してカット&トライを続けたと思う、料理は完成度高く、現代でも充分通用する予想外の軽さがあった。
 ワーグナー楽劇上演の聖地バイロイトでも、常に斬新な演出を取り入れる事により、現代に合った「伝統」を作り出している、「優れた古典は前衛になり得る」とも云える。
 今回の印象を一言で云えば、7人客同席でもブレを感じさせない安定感、起承転結があり料理のデザインも以前より洗練された印象を持った。

 過去多人数での食事会には何回が参加したが、この日は何時になく特別な雰囲気、参加者からは「何かを得て帰ろう」みたいな真剣な熱気が伝わって来る。メンバーも濃かったが、話の内容も専門的且つ濃い。今日の料理を「わんこそば」並のスピードで食べる人も居れば、夜にこの店を更に上回る濃厚古典フレンチへ行くと云う人も居て、どの世界にも上には上が、更にその上が必ず居るものだ(笑)。
 メンバー中の料理人も、やがて自分の料理で日本中いや世界から客を呼べる存在になって欲しいものだ、問題は自分がそれ迄外食出来る身体で居られるかどうかだが、期待しています(笑)。
 素敵な場と時間を提供してくれたサービスとキッチンスタッフの皆さん、そして既に存在は「重鎮」の領域へ行き、「若頭」とは呼べなくなった手島料理長、長時間ありがとうございました。

 この手島料理を東京で体験出来ると云う、滅多にないイベントがある。
http://ryori-masters.jp/chefs_kitchen/pdf/chefskitchen_vol20.pdf 
 和歌山までの往復交通費を考えたら、決して高くなく安いと思う、この記事を読んで興味を持ったら検討してみてください、現在まだ残席はあるそうです。

  1. [ edit ]
  2. フランス料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

大阪・玉出「びすとろぽたじぇ」(2017関西食べ続け②)

 このブログでも数回取り上げた事がある「びすとろぽたじぇ」は、大阪本町にあったフレンチビストロ、有名調理師学校の西洋料理主任教授を経た料理長が家族で営んでいたが、諸事情により2015年12月に一旦閉店した。
 「大阪へ行っても、もうあの味を体験する事が出来ない」と寂しい思いをしていたのだが、その店が場所を変えて復活するとの話を聞いたのが去年の春で、行きたいと思いながらも叶わず、今回食べ続け行の初日にやっと訪れる事が出来た。
 神戸の食業界で働いている友人も参加を表明、親父ビストロに親父二人で訪れる事になった(笑)。

 店の場所は南大阪の西成区玉出、西成区は有名な「あいりん地区」も在り、大阪市内でもかなりディープゾーン、東京なら山谷がある台東区や隣接する荒川区辺りの感じだろうか?ただ駅から店まで歩いた印象では、いたって普通の安全な街。店舗は2階にあってこれは前店舗と同じ、階下はピッツェリアみたいだが、この日は定休日だった。
 入店後、肥田料理長に久しぶりの挨拶、店スタッフは他に男女1名ずつで、カウンターとテーブルの14席を担当する、現店舗は以前より広い印象で、テラス席もあり今は喫煙スペースにしているが夏場は食事も可能みたいだ。
 料理は前店同様のプリフィクスムニュ(税別6,000円、ドリンク別)の他、アラカルト注文も可能、「ぽたじぇ」料理は久しぶりなのでムニュからお願いする事にした。

        170302-1.jpg
・黒板メニュー‘Plat du Jour’

        170302-2.jpg
・野菜のポタージュ、リエットとバゲット

     170302-3.jpg
・前菜盛合せ(手前から時計回り:サーモンとトマトソルベ、パテ・ド・カンパーニュ、自家製ハム、根セロリのマリネ、キャロットラペ、フォアグラのテリーヌ、ラタトゥイユ)

        170302-4.jpg
・ゲヴェルツラミネール(生産者聞くのを忘れ)

        170302-5.jpg
・カワハギのポシェ、紫蘇バターソース

     170302-6.jpg
・仔羊のクレピネット(背肉を香草入り鶏のすり身包み)※黒板外の定番メニューから

     170302-7.jpg
・シャリオデセール(好きなだけ選べる)

     170302-8.jpg
・選んだもの(右から:パンプディング、パイナップルのタルト、ガトーショコラ、コーヒー風味のブランマンジェ、ぶどう&みかんのソルベ)

        170302-9.jpg
・別テーブルに出る「スズキのパイ包み焼き」を隠し撮り?(笑)

 まずは懐かしい「ぽたじぇのポタージュ」からで「掴みはOK」(笑)、次の前菜盛り合わせも本町時代からの定番が並ぶ、フォアグラは肥田料理長が修行したアルザスの名店「オーベルジュ・ド・リル」直伝の壺入、ネットリとした食感はまるで熟女の誘惑(^^;)。根セロリも人参もラタトゥイユも本当に何気ないものだが、同じに作ろうとしても同じにならない。
 カワハギはタップリとしたバターソースが黄金時代のフランスを想起させる、通常使うバジルを紫蘇に変えたのが料理長のアイディアみたいだ、お皿舐めたい位(笑)。
 肉料理はかつてのミュンヘン三ツ星「タントリス」の料理長ハインツ・ヴィンクラーのスペシャリテ、日本人向けに軽く仕上げてあり、ソースはイタリア的なトマトソースだった、ガルニの野菜と共に「優しく柔らかい」味、思わず「親父さん、とっても旨いよ」と呟いて涙腺が緩くなりそう、「シェフ、トレビアン」ではない(笑)。
 テーブル上に並べた前店と違い、文字どおりに「シャリオデセール」になったが、製菓クラス出身の女性スタッフが作ったとの事、この女性がサービスも兼務するが、なかなか優秀な人材で、もう一人の男性スタッフと共に人手不足の業界にあって羨ましくなる。
 勿論デセールはどれも美味でした、気持ちとしては全種類行きたかったが、翌日以降を考えて自制した(笑)。

     170302-10.jpg
・磨き込まれたオープンキッチン

 肥田氏は私より年長なので、本来なら悠々自適の年金生活も可能な筈だが、あえて場所を変え再開したのは、「生涯一料理人」で居たかったのと、自分の持っている技術や料理に対する姿勢を、こうして若い世代に伝える場にしたかったのかな?と勝手に想像した。
 東京や大阪の料理界の話題等で、遅くまで盛り上がりました。客としてはこの温かい店が何時までも続いて欲しいが、作る側もそして食べる側も人間は老いていくもの、私自身最近何かにつけ衰えを感じるので、「あまり無理しないで、でも出来るだけ長く続けてください」とエールを送りたい(笑)。
 また「大阪の我家」が復活したのは嬉しかった、美味しい料理と心休まる対応、ありがとうございました。


  1. [ edit ]
  2. フランス料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:2

関西国際空港「551蓬莱関西空港店」(2017関西食べ続け①)

 最近の国内移動はLCC利用専門になってしまい、新幹線の乗り方は忘れてしまった(笑)、大阪往復は時期にもよるが倍以上の価格差があると、やはり安い方を選んでしまう、「そのお金あればレストラン1回行ける」と思ってしまうからだ、普段節約生活をしている私みたいな人間に「こうした時くらい贅沢しろ」と云われても、出来る訳がない(笑)。

     170226-1.jpg
 そうした理由で、今年も遠路の成田第3ターミナルから出発、J社は機内持込み荷物一人7kgまで、全便ではないが計測もやっている、今回かなり荷物を減らしたつもりだが、それでも6.5kgあった、でも「重量制限のおかげで、お土産はありません」との言い訳も出来るので、利点もある事に気付いてしまったが(笑)。

        170226-2.jpg
 今回の関西食べ続けは関空内から始める事にした、前回の札幌行で「成田第3ターミナルでの食事は避けるべき」を痛感したので、関空到着は13時過ぎだが昼食は未だだった、このまま電車に乗ってしまうと大阪市内まで1時間あるから、やはり何か食べておこうと思った。
 事前に関空のWEBサイトを調べ、大阪在住のグルメな人にも相談し、利用を予定していたのは「蓬莱」だった、そう「551豚まん」であまりにも有名な店だ。店舗の前まで行ったら行列が出来ているのであきらめかけたが、これは名物の豚まんを買う人達だった、店内で食べるなら案内可能みたいなので、入口で待っていたらカウンター席を勧められた。

     170226-3.jpg
 そんなに広い店内ではないが賑わっている、ランチメニューは数種あるが、やはり此処へ来たら豚まんは食べてみたい、そこで「551蓬莱名物」と特筆された「海鮮焼そばセットメニュー」で、焼そば+豚まん∔スープの組合せAセット(税込1,140円)をお願いする事にした。

        170226-4.jpg
 わりと短い時間で出て来たのがスペシャリテの豚まん、WEB情報によると各店舗では手包みの作り立て、駅等の売店ではセントラルキッチン製のチルド品、空港等の売店では別会社の冷凍品との事、この空港内レストランではおそらくチルドだと思ったのだが、実際はどうなのだろう?皮部分は厚め、中の肉餡も東京の同種の物に比べると薄味に感じる、面白いのは東京の定番「肉まん&ソース」ではなく、テーブルにソース類は無く、辛子醤油で食べるのが此処の「正調」らしい、隣の女性もそうして食べていたので倣ったが、途中でやはりソースを付けたくなった(笑)。味はまあ普通でした、これは「大阪のソウルフード」とも言えるので、批評対象にする物では無さそう(笑)。

     170226-5.jpg
 これもスペシャリテらしい海鮮焼そば、見かけどおりの味と云ったら外れていないと思う(笑)、あんかけタイプだが味のエッジを際立たせるのではなく、塩味穏やかな関西風、蓬莱と違い、東京にも出店している「大阪王将」の料理味に通じるものがあると感じた。海老や野菜の質も悪くない、これだけ客が回転しているなら鮮度も問題ないと思う。

        170226-6.jpg
 玉子スープも優しく柔らかな味だった、この「優しく柔らかい」が和洋中を問わず、関西の料理全体に共通するものではないかと思う、大阪的に云えば「おかんの味」なのかも知れない、関東味が男性名詞なら、関西味は女性名詞と云えそう(笑)。そして関西の飲食店は女性の活躍が目立つ。
 この3点セットで1,140円、空港内と云う特殊性を考えれば、まあ納得出来る内容だと思う、成田第3ターミナルのフードコートの食事は落胆と絶望しかないが、これなら感動はなくても意気消沈はしない、食旅行を続ける起点で躓きたくないから、これはありだと思った(笑)。

        170226-7.jpg
 食後はJR空港快速で天王寺駅へ、「あべのハルカス」を横目に見ながらホテルへ向かう。あらためて見るとこのデザインは高層建築の割に威圧感が少なく、なかなかいい建物だと思う、去年まで高層建築内で働いていたので、「働きたくなるビル」と「働きたくなくなるビル」があるのを知っている(笑)、このビルは前者だと思った。

     170226-8.jpg
 ホテル内で暫しの休憩後、向かったのは大阪市営地下鉄四つ橋線の玉出駅、パチンコ店にはピッタリの地名だが(笑)、初日夜に訪問するのはフランス料理店で、「おかん」ではなく「親父フレンチ」、詳しくは次回記事で書く事にしたい。
 

  1. [ edit ]
  2. 中国料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

北千住「ブラッスリー ロノマトペ」(2017年1月)

 この日は身内の用事で千住の病院に行った帰り、時計は12時を少し回った処で、昼飯を食べようと思い千住警察の前を通り、ブログ記事で取り上げた「鶴亀飯店」に行こうとしたのだが、直前に友人から「これから○○○(東京以外の高級フレンチで、あえて名前は秘す(笑))です」と、誇らしげなメールが来ていた事が気になり、「よし、それならこちらもフレンチへ」と、近くにある此処もブログ記事にした「ブラッスリー・ロノマトペ‘brasserie l'onomatopee’」まで行ってしまった(笑)。
 前回利用時は平日ながら満席だったので、今日も混んでいるかな?と窓から店内を覗くと空席が見えたので、そのままドアを開け入店する事に。

     170220-1.jpg
 前回は居なかった多分料理人だと思う、サービス担当の若い男性に一人である事を告げ、奥のベンチシートに座らせてもらう、この日は何故か空いていて私の他に2組、「客入りは水物」と云うが、あらかじめ食材料を揃えないといけない飲食店は、これが難しい処だ。

        170220-2.jpg
 店前の黒板にもあったが、紙に書かれた本日のメニューは3種類、
a. poulet rôti a la morocco モロッコ風ローストチキン(税込1,450円)
b. gratin endive クレープとハムで巻いたアンディーブのグラタン(1,350円)
c. poisson de jour(本日の魚料理) 北海道産真鱈のムニエル アサリとスペルト小麦のリゾット添え(1,450円)
 下町北千住でもメニューが仏語併記なのは、やはり嬉しくなる(笑)、「a」に決めて、追加で「金柑のタルト」(350円)もお願いした。

        170220-3.jpg
 店内装飾はフランスの1950~60年代位をイメージし、壁面には古い映画のポスターやアナログレコードジャケットが随所に掲げられていて、前回より増えた気がする、あまりやり過ぎると野暮ったくなるが、天井が高く飾り方に工夫があるので雰囲気は悪くない。

        170220-4.jpg
・トレビスとサニーレタスのサラダ

     170220-5.jpg
・パン袋に入ったパン

     170220-6.jpg
・モロッコ風ローストチキン

     170220-7.jpg
・金柑のタルト

        170220-8.jpg
・コーヒー

 何気ないサラダだが、ビネグレットの質も良く少量ながら新鮮で食欲が刺激される、パンは業務用販売の冷凍種ではないか?これも普通に美味しい。
 そしてメインのプーレロティだが半身で骨付き、鳥類は骨付調理するのが一番旨いと思うが、時間の限られるランチには難しいので、通常は骨なし肉のソテー等が多くなる、オーダー数も読めないので、これどうしているのだろう?考えられるのは8割位焼いておいて、仕上げだけするやり方だが、残った物を夜まで保管するのも面倒、それでもこうした出し方をするのは、「一番美味しいから」との考えからだろう、客側としては嬉しい事だ。「モロッコ風」とは各種スパイスで事前にマリネして焼き、マスタード代わりにマグレブの調味料アリッサを使うからだと思うが、全体にエキゾチックな味わいを感じさせて美味、骨まで愛して(しゃぶって)しまった(笑)。
 「本日の小さなデザート」とメニューにあった「金柑のタルト」だが、決して小さくはない(笑)、パン・ド・カンパーニュ等も同じだが、こうしたタルト類は小さいサイズで焼くより大きく焼いてから切った方が間違いなく美味しい、上に乗せたバニラアイスとのバランスも良く、これで税込350円は破格だと思う(笑)。

 料理∔サラダ+パン+コーヒーで税込1,450円、デザート加えても1,800円ポッキリ、約15ユーロだ、立ち食いステーキランチと変わらないので、どちらを選ぶかは人それぞれだと思うが、私なら店の雰囲気と手をかけた料理の出来で、断然この店を推したい(笑)。
 店スタッフが変わり、店内は前述の若い男性、厨房内も前回居た男性とは違うと思う、スーシェフなのかな?でも料理のレベルは変わっていないと感じた。
 「高級フレンチの1万円ランチにも負けない」そう思いたい充実した午後でした(笑)。

     170220-9.jpg

        170220-10.jpg
 前回ブログ記事の画像で、壁に書かれた店名の最後の「E」が足りないのでは?と思っていたのだが、よく見たらちゃんと書いてあり下に落ちていた、洒落です(笑)。機会があれば夜にも来たいと思う、いい店でした。

※次回のブログ更新は2月26日(日)の予定です。

  1. [ edit ]
  2. フランス料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

表参道「パン・オ・スリール」

 地下鉄表参道駅を出て地上に上がると、国道246号と表参道通りの交差点があり、「東京有名な交差点」の一つだと思うが、その近くに「246コモン」(現在は「コミューン246」に改名)と云う名の不思議なマーケットがある。ビルの取り壊し後みたいな空き地に食スタンドが数店並び、軽食やパン等を売り客は露天の椅子に座って飲食が可能、ヨーロッパ的な常設オープンマーケットだ、その中にあったのが「パン・オ・スリール‘Pain au Sourire’」で、森小屋みたいな小さな建物内にパンを並べ対面販売、天然酵母使用の自然派田舎風パンで、パン・ド・カンパーニュを買い、なかなか美味しかった記憶がある。
 その店が渋谷寄りに本格的なブランジェリー&カフェを開業し移転したと聞き、一度勤め帰りに寄ってみたのだが、時間が遅く残念ながら殆どパンが売り切れていて、場所だけ確認して帰った、今回青山にあるレストランでのランチに行く前に、遠回りしてやっと買う事が出来た。

     170216-1.jpg
 店の場所は、表参道駅から246号を渋谷方面に進み、閉鎖中の「こどもの城」、「青山ケンネル」を過ぎ、帽子店がある角を右折、2本目の道を左に曲がると目の前。間口が広く、広いガラスから店内のパンが見える、移転開業は2014年3月で3年近くになるそうだ。

        170216-2.jpg
 営業時間は朝8時から夜の8時だが、前述のとおりパンを買う目的なら早い時間に行った方がいい、結構賑わうカフェスペースもある。

        170216-3.jpg
 看板では「森の酵母 パン・オ・スリール」と謳っている、店のWEBページによると、店主は独学でパン作りを学び、東北白神山地の腐葉土から発見された「白神こだま酵母」と自家製天然酵母、国産小麦を使用、長時間熟成による無添加で美味しいパンを作る事を心がけているそうだ。
 店内も木材を多用し、カフェスペースで使用する食器も極力木製、この食器は販売もしている、パン作り同様にこだわりを感じさせる。
 パン購入はトレーと対面販売の折衷式(笑)、買ったパンとその印象を以下に記したい。

        170216-4.jpg
・全粒粉100%カンパーニュ(税込1,040円)
 店に入って真っ先に目についたのがこれ、ナマコ型のカンパーニュだが、クープの付け方等綺麗な美人系(笑)。ズシリと重く家で測ったら約700gあった、粉の香り、旨味、焼き上がりの香ばしさ、微かに感じる酸味等バランスよく美味しかった、カンパーニュ系が好きな人にお勧め。

        170216-5.jpg
・フィグ(280円)
 赤ワインでコンポートしたイチジクの入ったハード系パン、生地にはクルミとレーズンが含まれている、美味しいがサイズが小さいので外側と内側のバランスがもう一息、ハード系パンはある程度の大きさで焼かないと難しい気がする。

     170216-6.jpg
・ブラックオリーブとハーブ(230円)
 ベーグルに見えるが、自家製ブドウ酵母生地を使ったライ麦粉を含んだパン、4種類のハーブを使用しているが、ハーブ臭さはあまり感じない、食事パンとしていいと思う。

        170216-7.jpg
・パンオショコラ(220円)
 スイーツ系も食べてみたく買った、クロワッサン生地に刻んだチョコレートを入れた定番パンだが、焼きが強く他店の物とは見かけからして違う、上品ではないが食べ応えのある美味しさ。

     170216-8.jpg
・「笑顔の入ったパン」を表現か、見ていて心和む袋(笑)。

 パン全体の印象は自然で余計なものを感じさせず、粉と酵母の旨味、長時間熟成としっかりした焼きで好感を持った。
 店造りも含めて、自然派で天然酵母使用のブランジェリーとなると、同じ渋谷区内で1984年創業の老舗、富ヶ谷の「ルヴァン」を連想してしまうが、あちらがより伝統的で重厚な味わいなら、「パン・オ・スリール」はもう少し現代的な感覚、軽さも取り入れている印象を受けた、どちらも今時珍しいくらいに時間をかけ、丁寧なパン造りに取り組んでいる店である事は間違いない。
 なおカフェにもランチプレート等の惹かれるメニューがある、この店の近くに住んで居る人が羨ましくなるが、また機会を作って寄ってみたい。店名の通りに「笑顔の入ったパン」をこれからも提供し続けて欲しいなと思う(笑)。
 便利さからコンビニでしかパンを買わない人も多いが、伝統的に手間をかけた本物のパンの味を知りたかったら、一度行かれる事をお勧めしたい店。

  1. [ edit ]
  2. スイーツ・和菓子・パン
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

<<NEW ENTRY  | BLOG TOP |  OLD ENTRY>>


プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

訪問者

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 03  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -