最後の晩餐にはまだ早い


上野「晴々飯店」

 上野の東京国立博物館で開催中の特別展「茶の湯」を観に行こうと思い、その前に何処か近くでランチを食べようとWEB上で店を探してみた。上野公園近辺はあまり惹かれる店が見当たらず、お馴染みの「ハリマ・ケバブ・ビリヤニ」かな?とも思い、上野駅東側を見ていたら少々気になる店があった、それが今回記事にする「晴々飯店」だ。
 「四川省家庭料理の店」と云う文句に惹かれたのが理由で、どうやら大陸の人達がやっている店らしく、それなら以前の勤務先近くにあり、ランチによく通っていた春日の「川国志」みたいな店かな?と期待する気持ちになる、グルメサイトのメニュー紹介画像でも、一番人気とされる麻婆豆腐や、「本場四川の回鍋肉は日本の味付けとは全然違います」と解説のある回鍋肉等魅力的だ、歩道橋でJR線路を渡れば博物館も近い、「よし行ってみようと」と思った(笑)。

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 店の場所はJR上野駅なら入谷口、メトロなら昭和通り側の出口から出て、昭和通りを入谷方面へ歩く、左側に岩倉高校の校舎が見えたら少し先で同じブロックに在る。
 店の外観を見てまずは「これは中国の人のセンスだな」と思った(笑)、一見では何の業種か、あるいは飲食店なのかどうかも判別できない店がある東京だが、これは瞬時に店がアピールするものが判る。「晴々飯店」と「々」の文字を直した跡があり、この字は中国では使わない筈なので不思議に思ったが、後で調べたら元々「晴晴飯店」と云う名前の店があり、そこからスタッフが数人出て独立店舗を立ち上げたらしい、そしてこの店の近くに「晴晴飯店2号店」があるので、かなり紛らわしい(笑)。

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 入口には各種料理の紹介の上に、「本日の日替わり定食」が「回鍋肉」とあった。

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 店内は20席位でそう広くない、2階にも客席はあるが昼は使っていないのかも知れない。スタッフは全て中国系の人みたいだ、厨房から聞こえるのは中国語のみ、中華厨房らしい雰囲気充分。

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 ランチ定食メニューを見るが、「麻婆豆腐」(税込750円)か「リアル回鍋肉」(880円)で迷う、サービスの中国人(だと思う)女性に「このリアル回鍋肉と、日替わりの回鍋肉とは違うの?」と、念のため訊いたら「ゼンゼン違うヨ」との事、その一言で決めた(笑)。

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 店の造りは古そうで何かの居抜き店舗だろう、インテリア等をみても中国人の美意識だなと思う、天井近くのTV前には「翠玉白菜」のレプリカ(笑)。

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 暫くして出来上がって来たのが「リアル回鍋肉定食」、手前に主菜の回鍋肉とご飯、真中には何故かキャベツの千切り、奥にトマト&玉子スープに中国風漬物、杏仁豆腐まで付いている。

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 問題のリアル回鍋肉、「リアル」とは本場(四川)式の意味だろう、メニューにも「葉ニンニクと芽菜が入った本場の味付け」と説明がある、日本で見慣れたキャベツを使った回鍋肉とは見かけからして違う。
 まずは一口味見、辛さはそう強くない、味のベースは豆板醤と豆鼓だと思う、特に豆鼓を多く使い、日本で出回っている物に比べ独特の風味がある、ニンニクの茎、玉葱、人参の火の通しは浅く歯応えを残している、厚切りの豚肉も結構食べ応えある。

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 ご飯の質はもう一息か、キャベツは謎だが箸休めになる、スープはなかなかいい。
 全体的には美味しかった、日本の回鍋肉は甘辛味の印象が強いが、もっと複雑な味を感じた。この味付けが四川そのままなのか、日本人の嗜好に合わせたものかとなると、おそらく後者だと思うが、日式中華の他店では味わえない料理なので、食べに来る価値あると思った。

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 店内は何時の間にかほぼ満席に、男性が多いのはインド・ネパール料理店と同じ、注文は一番人気の「麻婆豆腐定食」が多い、次回はこれを食べようと思う(笑)、また夜は一品料理に加えてコースメニューもあり値段は安い、何かの機会に利用してみたいと思った。
 なお前述のとおり「晴々飯店」と「晴晴飯店2号店」があるので要注意、今回の店は前者で昭和通りからJR線路へ向かう途中の店だ。

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 食後は歩道橋を渡って線路向こうの上野公園へ行き、「茶の湯」展を観に行く、平日昼ながら結構混んでいた、内容は充実していて、特に印象に残ったのは、何かと話題の曜変天目茶碗「稲葉」(公開は5月7日で終了)と、楽家初代長次郎作の黒楽茶碗、前者は宇宙の流星群を、後者は宇宙の闇深さを連想させる逸品だった。
 6月4日迄の会期なので、茶に興味のある方、興味がなくても日本文化に関心のある人は見逃さない様に、これだけの名品が揃う機会はそう無いと思う。

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三郷「林や」

 東京に隣接する埼玉県三郷市に、安くて美味しいとんかつ店があるとの話は以前から聞いていた、調べてみると我家から自転車で30分位の距離、とんかつ好きの私としては行きたいと思いながらも、寒い日が続いたりすると自転車に長乗りが億劫になり、とんかつ食べたくなると、地元の格安チェーン「松乃屋」に行ってしまっていた(笑)。やがて春になり自転車にふさわしい季節、「よし、今日こそ行ってみよう」と定休日でない事を確認した上で出かける事に。
 我家からだと、中川に架かる飯塚橋を渡り、ガソリンスタンドのある交差点を北東へ向かって進む、やがて広大な水元公園の敷地になるが、そのまま直進すると、東京都と埼玉県の都県境にあたる小さな川がある、そこを越えたらすぐ右側に店がある。

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 開店待ちの行列が出来ていたので、「え~?行列」と思ったが、よく見たら隣の鰻屋だった、此処も割と有名な店だそうだ、更に進むと豪壮な日本家屋の蕎麦店もあり、この道(67号線)はちょっとしたグルメストリートになっている(笑)。ただアクセスはよくない、一番近い駅は、つくばエクスプレスの八潮駅だが20分は歩く、車で来るか地元民でないと難しい場所だ。

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 看板が面白い、この豚が食べているのはラーメンに見える(笑)。店前には数台駐車可能なスペースあるが一般民家風な店舗、おそらく階上は住居だと思う、家の玄関みたいな入口引戸を開ける。

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 開店時間の11時すぐなので一番乗りだった。店は入口近くに厨房とテーブル席、奥が畳敷きに座卓の席で、特に「こちらへどうぞ」みたいな事は云われず、落ち着きそうな奥の座敷に座った。

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 WEB情報で大体のメニューは知っていたが結構内容豊富だ、平日限定のランチは800円台、とんかつ以外にはエビフライも有名で、数量限定の大きな有頭エビを使った「エビフライ&とんかつセット」(税込1,610円)にも惹かれたが、初回なのでまずはとんかつだろうと、「特上ロースカツ(240g)」を定食(1,320円)でお願いした、国産豚使用なら都内に比べるとこの値段は安いと思う。

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 注文後すぐに運ばれて来たのが、擂鉢に入った胡麻、漬物に空のままの茶碗(これが店の特徴)。

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 WEB情報で知っていたが、噂のジャーご飯(笑)、畳の部屋だけでも3台あった、ご飯食べ放題方式、胡麻を摺りながら出来上がりを待つ。

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 やがて運ばれて来たのが特上ロースかつ、240gなので結構厚みがあり大きい、ご飯は自分で入れるのかなと思ったが、一杯目は店の女性がやってくれた(笑)。

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 撮影用に真中の部分を、衣は厚めで最近ロースでも中心をピンク色で止める店もあるが、この店はしっかりと火を通している、定番の千切りキャベツにマカロニサラダが付く。
 最初は何も付けずに食べてみる、しっかりとした肉味と肉汁、厚みがあるので口中が満たされる(笑)。続いてソースをかけ食べるが、このとんかつはソースで味わうタイプだと思った、揚げた肉の旨味にソースの甘味と酸味が加わると複雑さが加わり食べ飽きない、「フロリレージュ」でも肉料理のソースに甘酸味をよく使うが、酢豚で判る様に脂味に変化を付けるには酸味が肝心だ。

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 豚汁ではなくワカメの味噌汁だが、挽肉が入っているので豚汁的味わいがある。ご飯は炊き立てなので美味しい、速攻で二杯目を自分で盛ってしまう、ランチ時に旨いご飯を食べたいなら、炊き上がったばかりの開店直後に行くべきだ(笑)。
 林やのとんかつは美味しかった、最近東京の人気とんかつ店は行列必至で、やっと席に着いたと思ったら、「とんかつは塩で食べる」とか、うるさい事を云うフリークも目に付き、正直「嫌だな」と思ってしまう、後ろにも行列なら食べ終われば早く席を立たないといけない。
 「とんかつ位ゆっくり好きな様に食べさせて」と云いたくなる(笑)、私が子供の頃とんかつ店へ行く事は日常少し上の贅沢だった、平均的なサラリーマン家庭が月一回位で食べられるご馳走、店特製の甘いソースをたっぷりかけ食べる時、本当に美味しくて嬉しかった、あの幸せだった日が「林や」で蘇った気がする(笑)。
 内容からすれば支払いは都心の高級店に比べると安い、女性店員の感じも良く、此処はまた来たい店だと思った。
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 すっかり満足して、帰りはすぐ近くの水元公園の敷地を自転車で一周する事に、都内でも遅咲きになる桜も綺麗だが、ここはメタセコイア並木がいい、水辺の風景画像は「アルザス行って来た」と云っても、見る相手を騙せそうだ(笑)。
 映画やTV、CM撮影等によく使われ、都内で自然と親しめる場所としてお勧め出来る、ランチは弁当を持って行くのも楽しいが、とんかつ食べに行くのもいいと思う(笑)。


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外苑前「フロリレージュ」(2017年4月)  

 前回の利用時に、誕生日祝いをしようと次の予約を入れていた外苑前「フロリレージュ」、二ヶ月近く前だったが、私の歳になると意外に早くやって来るものだ(笑)。
 地下鉄外苑前駅から神宮球場へ向かって歩き、酒屋のある角を左折して細い道を直進、右手に熊野神社が見えるので、通り過ぎて最初のビル地下に店はある。
 前回に続いての平日ランチタイム、この日外国人客は見当たらなく、皆日本人客だと思うのが、殆ど12時に揃う事(笑)、フランスならデジュネ開始は地元人なら13時頃から、スペインなら14時頃それもバラバラにやって来る、「ヨーイ・ドン」で殆ど同時に始まる日本式は、店側は大変だがスタッフさえ揃っていれば、同時進行で料理を出せるので、楽な面はあるかも知れない。
 カウンターの角席に座って川手料理長に挨拶する、話題に出たのが「ドタキャン」で、つい最近も多人数であったそうだ、他店でも聞く事だが根本的な解決法は今の処なく深刻な問題、やがて海外有名店や日本でもフェア等では既導入している、料金先払いシステムを採るしかないのかなと考えるが、そんな事心配しない時代にレストランを食べ歩けたのは幸せだった(笑)。
 
 春4月のメニューは以下のとおり、
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・投影、そら豆
 盛られた鞘のうち一つだけ空豆コロッケ、空豆の温製スープ。

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・到来、ホワイトアスパラ
 奥に白アスパラのムースに桜花、緑のソースはシャルトリューズがベース。

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・サスティナビリティー、牛
 宮崎産経産牛のカルパッチョ、温かい出汁、国産野生アスパラガス。

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・フォアグラ、生姜
 仏産フォアグラの冷製、中に蕗の薹シフォンケーキ、上にサマートリュフ、ロゼワインを使ったソース。

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・稚鮎のフリット
 稚鮎を鰺みたいに開き、短時間干した後にフリットし実山椒と合わせる、腸を使ったジュースを添えて。

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・分かち合う
 北海道産仔羊背肉骨付ロースト、奥に新玉葱と羊端肉をミルフィーユ状にしてローストしたもの、新玉葱のピュレ。

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・ブランマンジェ、ココナッツ

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・贈り物、アマゾンカカオ

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・苺のパートフィロ
・奈良・月ヶ瀬「ティーファーム井ノ倉」のかぶせ煎茶

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・誕生月の参加者が居たので、お祝いのメッセージとマカロン
 台はサスティナビリティーの考えで再使用出来るドライフラワー、廣田氏作だと思う。

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・本日のドリンクペアリング(廣田氏作)
 
 まずは空豆の香りを生かしたコロッケとスープで春の息吹を体験する、続く白アスパラも緑のソースが印象的、verte(緑)は某知事がイメージカラーにしているが、若さと春の象徴色でもある(笑)。
 次の宮崎経産牛は前半のヤマ場、移転後に経産牛を使い始めたが、この料理は特徴を一番生かしているのではないかと思った、成牛の肉味が枯れた部分を出汁が補い、単に1+1=2ではない、複雑な旨味を出している。
 鶏インフルのため、最後の輸入分と聞く仏産フォアグラ冷製は上質、ロゼワインを使ったソースが引き立てる。続く稚鮎は、根気よく開きにしたスタッフ達に拍手(笑)。
 そしてこの日最も印象に残ったのが仔羊、春から仏産仔羊が輸入解禁されたが、この北海道産も質では決して劣っていないと思う、勿論素材を引き立てる的確な調理があってこそだが、ガルニの新玉葱の扱いもいい。
 デセール2品も以前より洗練度が増したと感じる、パティシェール1人で作っているが、川手料理とイメージが合って来た。
 料理&デセールも秀逸だったが、この店で特筆すべきは若いスタッフ達だ、川手料理長以下は、北海道出身で香川真司似(笑)のスーシェフ田原君、彼は川手氏が出張時には二毛作店?「ウラリレージュ」でシェフに就く。大阪出身で「オテル・ド・ヨシノ」スーシェフを経て、去年から此の店で働いている少し強面の角田君。更にはNYから来たスキンヘッドが特徴の彼に、小さな身体をフルに駆使してキッチン内を飛び回るパティシェール。
 サービス陣は旧店舗時代からの生き残り(笑)で、フラワーデザイナーでもある長身で知的な廣田氏、眼鏡と髭に白い靴下がトレードマークの明るいソムリエ中村氏、他にも若いスタッフ数人が皆個性的でキャラがある(笑)。他店なら黒子役で埋没してしまうが、この店では客と会話する事で全員が主役に見える、これは日本のレストランでは稀有な事、料理を作るのは機械ではなく人間、料理人である前にまず社会に通用する人であるためにも、このやり方はいいと思う。やがて彼・彼女達は旅立って行くのだろうが、此の店で得た経験はきっと生涯役立つ筈だ。
 ヴィエンヌ「ピラミッド」出身の料理人達が現代フランス料理の歴史を築いた様に、何時の日か「フロリレージュ」出身者の時代が来る、そう思いたい(笑)。

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 充実した午後になりました、このあと気分が良くなって、そのまま表参道「グラッシェル」まで歩いて、念願の「プリンパフェ」(税込1,620円)を食べに行く事に、本物のバニラを贅沢に使い、吟味したフルーツと共にまた食べたい逸品でした(笑)。この店のスタッフ達も皆笑顔の接客がいい、「悪いオーケストラはいない、悪い指揮者がいるだけだ」の名言は、どうやら飲食業界にも通用するみたいだ(笑)。

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富ヶ谷「ルヴァン」

 1月末に青山「MAMA」のランチへ行く前に寄った、富ヶ谷の自然派ブーランジェリー「ルヴァン」、写真を撮っていながらブログ記事にするのを忘れていた(笑)、時間は少し経ってしまったが、記事にしておきたいと思う。
 「この前来たのは何時だった?」と思い出せない位に久しぶり、私は地下鉄千代田線利用なので、代々木公園駅から歩くが、途中の富ヶ谷交差点の歩道橋が昔に比べると随分と立派になった。

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 ブーランジェリーと隣のカフェスペース「ルシャレ」の外観、これは以前から殆ど変わっていない。

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 誇らしげに掲げられている「1984」の文字は創業年、WEB情報によると、店主の甲田幹夫氏がフランス人から天然酵母によるパン作りを学び、調布で自然食品店へのパンを卸すため開業したのがこの年で、富ヶ谷店は1989年(平成元年)の開業、暫くの間は調布と同時営業していたが、現在調布の店舗は閉め長野県上田に支店が在る。
 開業以来、自家製天然酵母と国産小麦によるパン作りを続けている、パンの印象は「トラディショナル」と云う言葉が最も合う、何百年と培われたヨーロッパのパン作りの伝統に沿いながらも、日本の材料を使い日本の風土に合ったパン、見かけはごつくて地味だが、噛むと味の余韻が長く続く。
 若い店員達の活気を感じるのも以前と変わらず、この店でパン作りを学んだ彼&彼女達が各地で独立開業している、「ゼルコバ」(立川)「ダンディゾン」(吉祥寺)「cimai」(幸手)「タルイ」(参宮橋)等々、数え切れない位に在り、エコール・ルヴァンと云えそう、和菓子店にも遜色ない位に、十分日本の伝統を築いて来たと思う(笑)。
 この日買ったのは2種類、久しぶりだったので「値段上がったな」は正直な印象、この間の小麦等原材料の値上がりを考えると仕方ない事だが。

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 帰りに富ヶ谷歩道橋のエレベーターを利用してみた、これを24時間使用可能にメンテナンス怠らないのも相当費用がかかるが、無人なのに壊されないで維持出来るのが、ある意味で日本と日本人の凄い処だ(笑)。

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 買ったパンを入れるのは紙袋だけ、これも昔から変わらない、現在の様に「エコ」「リサイクル」が盛んに云われる前から簡易包装に取り組んでいる。買いに行く時は手提げ袋等を持って行くべき。当日買ったパンは以下のとおり、

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 ・パン・コンプレ25(税込540円)1/2本
 全粒粉小麦使用のパン・コンプレは25%、50%、100%の3種類あり、以前はよく50%の物を買っていた、この日25%の大きな物しかなかったので、1本を半分にしてもらった、この店は基本グラム売りなので、一部商品は半サイズで買う事も可能、1g1円だと思った。
 味はノーマルで食べやすく食事を選ばない、ルヴァン初心者にお勧め(笑)、粉の旨味、香りと重量感が特徴。軽く焼いてから食べるのが美味しいと思う。

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・メランジェ(870円)
 この店の看板商品と云ってもいい「メランジェ」、仏語で「ミックス」を表す。通常は小と中サイズがあるが、これは中でたしか1g1.5円だと思う。以前はパンを買う前や順番待ち時に、少量切って試食させてくれたが、この日はそれがなかったので、もうサービス?は終了したのかも知れない、少々残念な事だ(笑)。
 中身はクルミとレーズン、それもギッシリ詰まっている、吟味した上質な材料を使用しているのが判る。美味しくないスイーツを買うより、これを薄く切って食べる方が胃と頭が満たされる気がする(笑)、値段は安くないが、この店へ来たら買って欲しいアイテム。
 久しぶりのルヴァンのパンはやはり美味しかった、ベテランの底力と云う印象。東京では毎年の様に、PARISの有名ブーランジェリーの名を付けた店がオープンし、そうした店で働いていた職人も独立開業している、これらの店も行ってパンを買い食べてみるが、ルヴァンのパンには「他店が超えられない何か」があると思う、その何かを上手く表現できないが、東京で自然派パンを作り続け、歴史を築いて来た「文化」なのかも知れない。
 これからも長く続いて、パン文化を発信して欲しい名店だ。


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赤坂「古屋オーガストロノム」(2017年4月)

 「友、遠方より来たる」シリーズ(笑)、今回も在関西の友人で、あらかじめ店のリクエストもあったのだが、それは去年1年間で5回、今年も2回目で計7回の利用になる、赤坂のフランス料理「古屋オーガストロノム」だった。
 ブログを続けていて、読む人の事を考えると、なるべく訪問店が片寄らない事を心掛けてはいるが、自分が本当に気に入った店は、文章にも表れてしまうみたいで(笑)、友人知人からも、この店と大阪の「コーイン」については聞かれる事が多い、ブログの検索ワードでも上位に来ているみたいだ。

 前回は昼利用だったが、今回は久しぶりの夜席、すっかり朝型人間になってしまったので、最後まで寝ないで居られるか少々心配だが(笑)。
 千代田線赤坂駅を出て一ツ木通りへ向かい、ドコモショップの角を左折、円通寺通りを進めばすぐ右側、大きな「f」の字が目印だが、その前に誰かが立っているなと思ったら、非常勤メートル?の秋葉氏が待っていてくれた(笑)、昔はジャン=クロード・ヴリナ氏を筆頭に、立っているだけで様になるサービスマンが居たが、今はもう絶滅寸前でこの人が最後の世代かも、長生きして欲しいものだ(笑)。
 先に入店して待っていた友人に挨拶、始まった当日の料理は以下のとおり、

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・アミューズ・ブーシュ(静岡産くぬぎ鱒のマリネ・シャンピニオンの温製スープ)

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・自家製全粒粉パン

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・66℃67分で火を入れた“蘭王”とフランス産キャビア、ブリオッシュトーストの“玉子サンドウィッチ”、グレス・ド・フォアグラのマヨネーズソース

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・北海道産ホタテのグリエ、ウニとフヌイユのクリーム

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・ハンガリー産フォアグラのポワレとロワール産ホワイトアスパラガス、シブレットバターソース

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・熊本産真鯛とアサリのポワレ、そのジュと京ほうれん草のピューレ

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・フランス産リ・ド・ヴォーのブレゼ、グリーンアスパラガスとモリーユ

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・オレンジとパイナップルのスープ、グリーンピースとミントのグラニテ

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・いちごとミルフィーユ、さくらのソルベと共に

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・レフォールのアンフュージョン

 前回利用が半月前だったので、料理どう変えて来るのかな?と思っていたが、まずは全体のデザインが違った、前回がクラシック真中の構成なら今回はモダンデザインになった、皿の上が凝縮から分散へ外側に向かって開いている、「なるほど、この手があったのか」と感心させる。
 各料理に触れると、スペシャリテの「ウフ・アン・ムーレット」から今回は「玉子サンド」へ変更、鶏卵と魚卵(キャビア)を合わせる難しいマッチングも成功していると感じる、皿内の色合いもいい。
 前回はコールラビと合わせた帆立は、今回のフヌイユとまた違った相性を見せる、帆立は相手を上手く引き立てるバイプレイヤーかも、前の玉子料理と共に「春」を感じさせる。ゲラ―ル以降一世を風靡したフォアグラポワレだが、最近は健康志向と鶏インフルエンザの影響で、レストランで見る機会が減っていると感じる、久しぶりに食べたフォアグラショーはやはり美味だった、脂肪肝は怖いがこれは残せない(笑)。
 真鯛とアサリを合わせるのも意外だが、旬のアサリの香りが生きている、ほうれん草もいいアクセントになっていた。
 この日の主役はラングドック産と聞くリ・ド・ヴォー、仏産食肉の輸入が今後増えるそうだが楽しみな事、フランス料理向けの精肉は国産も随分良くなっているが、こうした特殊食材は未だ仏産に一日の長があると思う、古屋氏は欧州産食肉を現地で相当数使って来たので扱いに長けている、これも的確な調理によりリ・ド・ヴォーの特徴を生かしていた、添えられたイタリア産緑アスパラと乾燥モリーユの相性・食感もいい。
 デセール2品も春を思わせるもので、各素材を上手く表現している。レフォールティーは面白かった(笑)。

 秋葉氏が「古屋は、この食材(A)は美味しい、この食材(B)も美味しい、それならAにBを合わせれば、美味しくない訳が無いとの考えで料理を作っている」と話していたが、意外にも思う組合せは、経験に裏打ちされた技術で生きている、主役がハッキリしているので、料理に混迷がなく秩序がある。
 私の考え過ぎかも知れないが、前回の料理は「フランスとベルギーで自分が学んだ料理」を、今回は「学んだ自分がこれから作りたい料理」を表現したかったのかなと思った。
 古典派コテコテの大阪「コーイン」の湯浅料理長が、「自分は(古典だけでなく)モダンも作れます」と語っていたが、古典を学べば現代を表現出来る、これは料理に限らず、絵画でも書でも陶芸でも、創作であれば共通する事かも知れない。

 店内は何時の間にか4卓全て埋まった、他店に較べると年齢層が高めな気もするが、一人の男性と目が合い「何処かで会った」と思ったのだが、この人が退店する時に「去年、〇〇〇〇〇〇に居ませんでしたか?」と話しかけられたので思い出した(笑)、東京以外だが其処も古典派料理なので、向かう方向が同じだと、結局行く店も同じになる(笑)。
 古屋料理長とサービス担当の秋葉、石橋両氏、遅くまでありがとうございました、この店ばかり利用すると色々と差し障りが生じるので、「忖度」しないといけないですが、また次に会えるのを楽しみにしています(笑)。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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